 |
 |
 |
 |
「若いときには、なにをしたらいいかなんて、
わからないものだ」って、
今、それを聞いて安心しました。
というのも、ぼくも何やったらいいか
わからなかったんですよ。
大学時代に、たくさん遊んでいくなかで、
これいいかも? とか、
いろいろ方向性がわかるわけじゃないですか。
ぼくの場合は、ボクシングをやって、その後に、
ちょっとエンターテインメント系の
アルバイトをしたときに、
人を喜ばせる仕事に出会うんです。
で、将来こんなのっていいかも、
って思ったんです。
人を喜ばせるっていいな、みたいな。
ところが、どこでどういう仕事を
すればいいのかがわからないんですよ。
それである人に聞いたら、
広告代理店に入るべきだって言われたんです。 |
 |
 |
  |
 |
|
|
|
 |
 |
 |
 |
ぼくは、それを信じたんです。
広告代理店をばーっと受けて、ある1ヶ所だけ、
いいよと言ってくれて、そこに入りました。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
何か教科書みたいなものはあったんですか。
自分か就職活動するにあたっての。 |
 |
 |
  |
 |
|
|
 |
 |
 |
 |
じゃ、まちがった噂も飛んでますよね。
裏情報をいっぱい収集する人だって
いるじゃないですか。
お前あそこ受けても無理だよ、
実は、あそこは、なんとか系じゃないとって、
そういう噂がいっぱいあるんですよね。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
ところがそれは確証がないんですよね。
当時は表玄関から聞いてみても、
表の答えしか返らなくて、
それが、噂で聞いてる話とちがうんですよ。 |
 |
 |
  |
 |
|
|
 |
 |
 |
 |
迷ったんですけど、
当時は表から聞いてダメだったので、
しょうがないかって、諦めました。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
「表から行ってダメだったんですよ」、
その素直さは、鍵ですね。 |
 |
 |
  |
 |
|
|
 |
 |
 |
 |
じゃあ塚越さんは、
何かコツがあったっていうことじゃなくて‥‥ |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
「思い」だけですよ。
まちがってたけども、
「代理店に入りさえすれば、
人を喜ばせる仕事ができるんだ」
っていう思いだけですよ。
入っちゃえば、こっちのもんとか思って。
告白しますけど、
コピーライターだったんですよ。 |
 |
 |
  |
 |
|
|
 |
 |
 |
 |
でね、大人の社会はすごいなって思ったんです。
というのは、ぼくは今では
営業は人を喜ばせる仕事だと思っていますけれど、
当時はそう思っていないわけです。
つまり「人を喜ばせるこういう仕事したい」
というなかに、営業っていうのは入っていなくて、
製作とかのクリエイティブ関係だと思っている。
でも、はなっから会社はそう見てないわけです。
こいつがクリエイティブで入ると言ってるんだから、
入れちゃえと。で、営業をやらせようと。
──大人はずるいんです。
でも、ずるいけども、見てますよ。
この人は何が得意かなとか、
どこに伸ばせる可能性があるかって。
それで、会社は、とにかく早く
ぼくを営業に出したいわけなんだけれど、
そうは言っても、
とにかくいろんなことを経験させようと。
コピーライターを半年やって、
マーケティング部とか、
ラテ(ラジオ・テレビ)部とか、
そういうところを一通り経験させてから、
営業に出すわけです。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
相手は、それをちゃんと見抜いたということですか。
つまり自分の売り込みと全然ちがうところに
塚越さんの資質があるということを。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
会社は、一枚も二枚も三枚も上です。
こいつは、こんなふうに言ってるけど、
絶対、こういうふうにしたほうがいいと。
ちがうときもあるのかもしれないけど、
ぼくのケースはその通りだったんですね。 |
 |
 |
  |
 |
|
| (明日に、つづきます) |
 |
 |
 |
 |
確かに、その通りですよ。
たのしくないと思ってる人も多いと思う。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
ぼくはね、バイトも含めてつまんなかったこと、
ないんです。
左官の手伝いで寝泊りしていたとき、
すっごいつまんない人と組んで仕事してたときも、
そのつまんないってことをずっと考えてて、
考えてる間は、おもしろかったです。 |
 |
 |
  |
 |
|

|
 |
 |
 |
 |
肉体労働の仕事してると、活字が欲しくなるんですよ。
普段だと、本買いすぎだとか、読みすぎだとか
ブツブツ言ってるくせに、
本当に肉体労働の仕事してると、
焚き火にあたって破れたやきいもの袋の
その新聞でも読むんです。
そのくらい活字に飢えるんですよ。
そうすると、うわぁー、ぼくって、
活字が好きなんだって気づくじゃない。
そうするとおもしろくなるんだよ。
自分はなにがつまんないんだ、ってことが見えてくる。
それがおもしろいんだよ。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
人間観察だとか、現象観察だとか、
頭使って考えるおもしろさって
あるような気がしますね。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
つまんないってこと、
そのものが観察の対象になるわけだから。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
おもしろくないことも、
何もかも含めてたのしんじゃえと。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
本当にイヤなことは、人間、しないって、
ぼくは信じてるんです。
本当にイヤなことって、
命かけても逃げ出しますよね。
そのときには、本当に逃げたときだから
OKなんですよ。
その寸前までおもしろいんだったら、
おもしろがれるんだったら、
いても大丈夫なんです。 |
 |
 |
  |
 |
|
 |
 |
 |
 |
彼の話聞いてて思ったんだけど、
おもしろいと思ってる人の
近くにいた方がいいような気がする。
おもしろい人と一緒にいると
やっぱりたのしいですよ。
つまんない人と一緒にいると
おもしろくなくなるんですよ。
おもしろいと思うような人たちとか、
おもしろいことであるとか、
そっちに自分を置いたほうが、いいと思うなあ。
環境で変わると思う。
それは、自分で選べると思います。
あなたはそれに気づいているじゃないですか。
これはつまんなそうだとか、
イヤだとか思ってるんだったら、
こっちがおもしろそうだとか、
こっちは希望が持てるとか、
自分がそっちに行った方がいいなと、
思ってるんですから、
そっち選んだ方がいいですよね。 |
 |
 |
  |
 |
|