第4回 ドラムソロについて。

糸井 タモリさんの話で、納得しました。

ジャズって、
「俺の話を聞いてくれ」なんだね!
タモリ やっぱり、もともと、
そういうところがあるんです。

だからこそ、
「オヤジの話、聞かせてくれる?」
とハマるやつもいるんですけど、
まぁ、なかなか……全体の中では少ない。
糸井 だから、
ソロパートは、素人は飽きるんだ。
タモリ そうなんですよ。
糸井 ドラムソロを聞いていると、
途中までは、誰でも
「すげぇ!」と言いますよ。

でも、そのうち、だんだん、
「……まだ、やるんですか?」
というふうに、正直、なってくる。
タモリ (笑)ただ、おじいさんが
何を言っているのかが、わかると、
急に話がおもしろくなる時もある。

ジャズなら、
たとえば、アドリブのおもしろさや
音楽的な点も伝えると、
「聞いてみようか?」
となるんじゃないかと思うんです。
山下 確かに、アドリブで
何コーラスもやりつづけて
納得させられる人って、
そんなにはいないもん。
糸井 あれは……
ソロをやる側は、たのしいんですか?
山下 (笑)うん。
タモリ やるほうは、やるんです。
「聞いてくれる?」だから。
糸井 特に……
ぼくはドラムソロが苦手なんです。

そのソロが終って、それまで
延々と待っていたメンバーが、
「俺も入ったぜ!」
「ぼくも入ったぜ!」
と集まって音が出るでしょう?
あれは、しあわせだなぁと思う。

「勢ぞろい」っていうのが、好きなんです。
タモリ 一斉に集まってくるね。
ドラムソロを我慢してたかのように、
場を清めるかのように。
糸井 「ドラムソロの長さにも、
 いくらなんでも
 限度があるだろう!」というか。
山下 (笑)いろいろな考えがあるもんだ。

ドラムソロは、みんな、
「まぁ、いいじゃねぇか」
って許すもんだけどね。

特に日本人には、
即興と太鼓の伝統があるから、
民族的に好きなんじゃないかなぁ。

そこは、個人の表現を
押しつけてくるわけだから、
どのぐらい納得するかですよね。

「そこにいるんだから逃がさねぇ」
と、一時間、語りこんじゃう人もいるから。
ただ、これはうまい人がやると、
もう芸術の域まで達するわけで……。
タモリ トニー・ウィリアムスとか、
ちょっとびっくりしましたよね。
こんなドラムソロがあるのかと。
山下 マイルズ・デイビスのところにいた、
天才ドラマー。
16歳ぐらいで入っていたのかな?
 
(つづきます)



postman@1101.comまで、ぜひ感想をくださいね!
このページを友だちに知らせる。

2004-12-29-WED


戻る