ジャレド・ダイアモンドさんは1937年ボストン生まれの
生理学者、進化生物学者、生物地理学者です。
現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の
地理学の教授をされています。

ダイアモンドさんは、ハーバード大学で生物学、
ケンブリッジ大学で生理学の博士号を取得されたあと、
興味のおもむくままに研究分野を広げ、
鳥類学、進化生物学、人類生態学、地理学、文明史など、
さまざまな分野の研究をされてきました。
その研究には、長年にわたり通い続けてきた
ニューギニア島でのフィールドワークの経験も
大きく活かされています。

またダイアモンドさんは200以上の論文を発表するとともに、
数多くの一般書の執筆もされてきました。
多くの人々が興味を持つ問いを、
幅広い分野にあたりながら、緻密な論考を積み重ねて
答えを導いていくその著作は
いくつものあたらしい知識を得られるとともに
謎解きを読んでいくような面白さがあります。

「どうして人類は、それぞれの大陸で
 異なる発見を遂げたのか」という問いに答えた書籍
『銃・病原菌・鉄』(草思社)は、
現代の社会でヨーロッパ人種が
経済的優位に立てている理由として、
「人種の優劣ではない。完全に地理環境によるものだ」
という結論を導き、人種差別を学術的な面から否定。
1998年のピュリッツァー賞を受賞(ノンフィクション部門)、
世界的なベストセラーとなりました。
そのほか、日本語で読める著作としては、
『文明崩壊』『セックスはなぜ楽しいか』(ともに草思社)
『人間はどこまでチンパンジーか』(新曜社)など。
最新刊は、2013年2月刊行の
『昨日までの世界』(日本経済新聞出版社)。
アメリカ国家科学賞、タイラー賞、
コスモス国際賞、マッカーサー・フェローシップ、
ルイス・トマス賞ほか、多くの受賞もされています。

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