イトイの読んだ本、買った本。
 
イトイの読んだ本
『日本の「安心」はなぜ、消えたのか
 ー社会心理学から見た現代日本の問題点 』

著者:山岸 俊男
発行:集英社インターナショナル
価格:¥ 1,680 (税込)
ISBN-13:978-4797671728


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イトイはこう言っている。山岸俊男さんの本を、 おもしろく読んでいます。
(2008年11月17日「今日のダーリン」より)

・北海道といえば、いままた、北海道大学の
 山岸俊男さんの本を、おもしろく読んでいます。

 もともと山岸先生の『信頼の構造』という本は、
 「ほぼ日」の母とも言える存在で、
 これまでにも『安心社会から信頼社会へ』などを、
 強くオススメしてきましたが、 
 いま読んでいる『日本の「安心」はなぜ、消えたのか』は
 ぼくの気持ちに「ぴたっ!」ときまして、
 ひざを打ちすぎて痛くなっちゃうくらい納得の本です。
 「武士道」だの「品格」だのが、どうしてダメなのか、
 説得力のある論を提出してくれてます。
 また、お会いしたいなぁと思っています。


(2008年11月19日「今日のダーリン」より)

・先日、おすすめした山岸俊男さんの本、
 『日本の「安心」はなぜ消えたのか』は、
 どこでも売り切れになったしまったようです。
 おそらく、この内容の理論を待っていた人たちが、
 たくさんいたということだと思います。
 たぶん、ですけど、いずれ重版になるでしょう。
 この本、いまの時代にどんどん売れると思うもの。

 
乗組員も読んでみた。日本人が信じていた日本人像は 間違っていた?

山岸俊男先生はこれまでも、
社会学に詳しくない人でも読めるおもしろいご本を
いくつも出されていますが、
この『日本の「安全」はなぜ消えたか』は、
またいっそう、するすると読み進められつつも、
ミステリーのようにドキドキする本でした。
そしてタイトルにあるように、
日本人ならきっとドキッとするようなことが
書かれています。

日本人は「謙虚」で、周囲のことを気づかう
「利他的」な人々で、まじめな「会社人間」‥‥
というのはどうも、違うようなのです。

それを解き明かすために、
たくさんの事例や実験の結果が挙がります。
たとえば人間は、自分の思いとは裏腹な行動を
することがあるのに、他人に関してはそう思わない。
ものごとの判断の基準は、自分が所属する社会において、
どっちが得かによって決まる。
農村の生活は心豊かな安心社会だが、
はたしてほんとうにそれだけなのか。
高度な信頼を必要とする都会の方が、
農村よりも他者との関係のうえで
発展的なのではないか、などなど‥‥。

なんだか日本人として、一個人として、
さいしょはしばらく不安な気持ちになりますが、
そういった価値観も、行動の癖も、悪いことではない、
という内容になっているので、
落ち込み過ぎることはありません。
むしろ、ちょっとした自分の行動を変えてみよう、
と思わせてくれます。

まだそれくらいの理解ですが、
ほんとうにおもしろかったです!

2008-12-07-SUN
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