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アーカイブ 2011/02/06
 
レシピその136
キターラ カカオ味クルミソース和え
〜老人が元気な理由〜


旅行で知らない土地に行くと
なにもかも新鮮に感じられます。
その土地の空気に触れていると、
ミラノできっと見ているに違いないことでも、
新たに気がつくことができます。

イタリア国内の旅行でもそうなのですから、
外国からイタリアへ来られる方は、
さらにそうなのではないでしょうか。

先日、日本から友人が数人でやってきました。
友人が綿密に時間をかけて計画したその旅行は、
電車やバスを乗り継いで、
現地の人と接触を持ちながらの旅行でした。

「イタリアの老人たちは元気のよい人が多い」
「はつらつとしている人が多い」

バスに同乗している人たちを見て
そんなことに気がついたそうです。
イタリアのバスは、つねに行き先と、
とまる場所を確認しなければなりません。
その注意を怠らないことが、
脳の動きを活発にしているに違いない
と思ったそうです。
私は、それに加えて、
イタリアの人たちがおしゃべりであることも
一役かっているのではないかと
思っています。

公共の交通ひとつをとってもみても
日本はサービスが行き届いていて当たり前、
というところから始まりますが、
イタリアでは完璧でなくても当たり前、という
寛容的な姿勢がみんなの底辺にあり、
各人がまずしっかりとしていないといけない
という緊張感を持っています。

みんな、やることなすことが
ゴーイングマイウエイのため、
混乱も多く見られますが、
旅行のときのように、
時間の流れがゆっくりとしているなかで
その姿を見ると、
人間味が溢れているように思えます。

緊張感を磨きながら、心底楽しみたい方や、
日本とは違う時間の流れや長さを感じたい方は、
イタリアに、どうぞおいでくださいね。
期待にじゅうぶんお応えできます。

さて、そろそろ「バレンタインデー」。
こちらでは愛している人同士が
プレゼントを交換をしたり、
食事をして楽しみます。
日本ではチョコレートのプレゼントですね。
今回ご紹介する料理は、
カカオ粉を入れて練った生地を
キターラという道具で切ったパスタ料理です。
キターラは「ギター」の意味で、
弦を張ったギターのようなかたちをしているから
この名前がついたようです。
キターラのスチール線は、
はじくと素敵な音を奏でるんですよ。

ギターの伴奏が聴こえてきそうなパスタで
ステキな食事をプレゼントされては
いかがでしょうか?
どうぞお試しくださいね。

キターラ カカオ味クルミソース和え

■材料(2〜4人分)

・クルミソースの材料
クルミ:50g
ニンニク:2分の1欠片
パルミジャーノチーズ:大さじ2
オリーブオイル:大さじ2
生クリーム(植物性):200cc
バター:15g
塩・コショウ:適量
イタリアンパセリ:飾り用に少々

・パスタの材料
小麦粉:150g
カカオ粉:10g
卵:1個
ミルク:卵の半分の量



☆パスタの下準備
・小麦粉とカカオ粉を混ぜて、
フォンターナ(泉)状にする。



・卵を入れて、粉と混ぜ合わせて行く。



・ミルクを入れてかたさを調節する。
はじめは少しかためでも、
休ませると少しやわらかくなるので注意する。



・パスタを打つ。
粉っぽさを感じなくなるまで20分くらい練る。



・ラップに包んで、30分以上休ませる。



・パスタを少し厚め(3〜4ミリくらい)に延ばす。



・生地を半分に切る。



・キターラの器具に生地をのせ、
麺棒を何回か転がしながら、生地を切る。
キターラの道具がない場合は、
包丁で切ってください。



・キターラの線についた生地は
指ではじくと音を奏でながら下に落ちます。



☆ソースと飾り用の下準備
・クルミを殻から出す。
・ニンニクは芯をとって荒いみじん切りにする。
・パルミジャーノチーズをする。
・飾り用のイタリアンパセリはみじん切りにする。



■作り方

(1)塩を入れたパスタ用のお湯をわかし始める。
クルミペーストをつくる。
フードプロセッサーにクルミの半量と、
パルミジャーノチーズ、
オリーブオイルを入れて軽くまわす。



(2)(1)のフードプロセッサーに
生クリームを大さじ2杯入れ、また少しまわす。



(3)クルミペーストの出来上がりです。



(4)残りのクルミは麺棒などで細かくつぶす。



(5)フライパンに弱火でバターを溶かし、
(4)のつぶしたクルミを入れて軽く炒める。
※くるみは飾り用に少々取っておく。



(6)クルミペーストを入れる。



(7)残りの生クリームを入れる。



(8)塩・コショウで
味を薄めに整えてから火を止める。
ソースが完成しました。



(9)パスタを沸騰したお湯で数分ゆでる。



(10)ゆで上がったパスタをソースに入れる。



(11)ソースがかたい場合は、
パスタのゆで汁を少し加えて、
塩・コショウで味を整える。



パスタをお皿に盛って
イタリアンパセリと
飾り用に残しておいたクルミをかけ、
出来上がりです。
皿の上のハートのかたちのものは
ドライトマトです。
ぬるま湯でもどしハートのかたちにしました。
元気のでる愛のメッセージは
カカオのパスタでいかがでしょうか?
植物性の生クリームを使っていますので、
軽く仕上がっています。
楽しく美味しいバレンタインデーをお過ごしください。
Buon appetito!


 
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