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アーカイブ 2007/09/18
 
レシピその50
ナスのパルミジャーナ 〜着物と洋服〜


着るもので文化の違いを感じることがあります。
イタリア人に着物を着せたときのことです。
豊な胸、高い腰、やせていても丸い体型。
凹凸のはげしさが目立たないように着物を着せると
「着物を着て肉体の特徴はどのように出せるの?」
「胸のかたちとかウエストのくびれや、
 足のラインを全部包み込んでしまったら
 どのようにして個性を出せるの?」
と質問されました。
初めて着物を着た女性ならではの疑問でした。
着物を着慣れた人は、
衣紋の抜き方、帯の締め方や位置、さらには、
目線や足さばき、指先の動きなどで自分を表現します。

逆に私が洋服を着て思うこと。
私と同年代の日本女性の洋服の着こなし方には
どうもまだ着物の着こなしのエッセンスが
残っているように思うのです。
身体のラインは包み込むようにしてゆったりと、
体型をあらわに出さない着こなしです。
同世代のイタリアの女性は、
娘からの借り物かと思わせるファッションで身を固め、
身体のたるみなんて自分の歴史の一部なんて感じで、
身体にぴったりのぴちぴちラインの服を着ています。
年齢なんて問わない、
女性であることを謳歌するごとく、
ヒールで闊歩しているイタリアのおばさんたち。
「着たいからこれを着る」という
強い意志が伝わってきます。
こんな元気な女性を見ていると
いつまでも女性という「性」を
意識していかなければいけないと思いますし、
「人生もっと楽しまなきゃなあ」
という気もしてくるのは
やはりここがラテン文化の国だからでしょうか。

半年ほど前、日本に帰ったとき、
今風でも昔風でもない着物を
自分流に着こなして
楽しんでいる人をよく見かけました。
着物での個性の表し方も
変わってきたものだと驚きました。
着物でもしっかりと
自分の個性を出せるようになったのですね。
そのあたりをイタリアの友人たちに
どのように説明すればよいか難題です。

さて、今回ご紹介するのはナスの料理です。
たっぷりと中身をつめて豊かなラインにするか、
中身を少しにしてシンプルラインにするかはお好みで。
分量はあくまでも目安と思ってくださいね。

ナスのパルミジャーナ


■材料(5〜6人分)

ナス:大きめのものを2個
モッツァレッラチーズ:200〜250gくらい
トマトソース:250〜300g
パルメジャーノ:大さじ6〜8杯
塩、揚げ用オイル、バジリコ:適量




☆下準備
・トマトソースはあたためておく。
・モッツァレッラチーズは薄切りにする。
・パルメジャーノはすっておく。
・ナスは薄く切り塩をふって重ね
 重石になるような物を置き30〜45分くらいおく。
・オーブンを200度にあたためておく。






■作り方

(1)ナスを軽く洗ってよく水を切る。



(2)小麦粉を薄くつける。



(3)180度位のあげ油で揚げる。



(4)ペーパーなどで
揚げたナスをはさんで押さえ、油をよくきる。



(5)容器にトマトソースを少し敷いてナスを並べ、
ナスの上にトマトソースを置き、
モッツァレッラチーズとパルメジャーノをかけ、
もう1枚のナスをかぶせる。



(6)また(5)のように
トマトソースとモッツァレッラチーズと
パルメジャーノをかける。



(7)オーブンに入れ10〜15分焼く。





バジリコを飾って出来上がりです。

オリジナルの作り方は容器一面に
ラザーニャのようにナスを何層にも重ねて作ります。
私は味も作り方もシンプルにしました。
ベシャメルソースを加えたり、
モッツァレッラチーズや
パルメジャーノの量をかえたり、
ナスを3枚に重ねたりして
ご自分の味を作ってみてくださいね。

 
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