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アーカイブ 2006/11/07
 
レシピその28
ポルチーニのリゾット〜霧のミラノ〜


冬時間になりました。
夏時間の朝8時は冬時間の7時で、
まだ外は薄暗いです。
また、午後6時は夏時間の7時ですが、
すっかり日がしずんでしまいます。
年々変わる気候の中で、
ミラネーゼが特に寂しがるのは、
最近、霧の出る日が少なくなったことです。
18年前、はじめてミラノで過ごした冬は、
毎日が真っ白でした。
霧雨が降っているのに、みんな傘をさしません。
これが、かの有名なミラノの霧なのかと、
あわてて防水加工の帽子を買ったものです。
我が家のベランダからサッカーの練習風景が
見えていたサッカー場も真っ白。
でもその中から「ピッー、ピィー!」と、
練習の笛の音とコーチの声がします。
霧のため、音のみで、人の姿は全く見えませんが、
こんな中でもミラネーゼの目では、
ボールを追うことができるのだと感心しました。
当時小学校1年生の我が子は、
私が通学に付き添えないときは、
ひとりで学校に行ってくれていましたが、
霧の深いある日、
「マンマ、学校の校門が見えなくて
通り過ぎちゃったよ」
なんて言うものですから、大笑いしたものです。
ミラノでのはじめての冬は、
彼の目はまだミラネーゼではなかったのですね。
我が家は郊外ですので、
霧も強く、夕方にもなると隣の公園から
モクモク、モクモクと霧がわきでていました。
夜にもなると、ある地点から、突然、
真っ白な霧の壁が出現します。
「IRROMPERE! 突入ー!」と、
子供達は歓声をあげ、
私は車のスピードを急いで落とし、
別世界に入って行ったものでした。
霧の濃い日は、子供に帽子を深くかぶせ、
マフラーで首から口までを隠し、
目だけを出す完全防備にさせました。
大人の私も息を吸うのも重く感じたものでした。
霧は、秋風でカラカラと舞う落ち葉の音から、
しっとりと全ての音にくぐもりをかけます。
今ではその空気をしっかりと胸の奥まで吸い込み、
ミラノの冬を楽しみます。
ミラノの霧は待ち遠しい人の到来を
待つ気分にさせてくれます。

さて、今回ご紹介するのは
ポルチーニのリゾットです。

ポルチーニのリゾット

■材料(4〜6人分)

リゾット用のお米:350g
ポルチーニ:300g
エシャロット:1個
タイム、イタリアンパセリ:少々
オリーブオイル:大さじ4
塩・コショウ:少々
セロリ:4分の1本
ニンジン:1本
玉ねぎ:1個
バター:20g




■作り方

☆準備
セロリ・玉ねぎ・ニンジン・
イタリアンパセリのくきを水から煮て、
野菜のブロード(スープ)を作ります。

(1)きのこ類の掃除をするときは、
ぬれ布巾で拭いたりしますが、
私はかさの部分を歯ブラシを使い、
さっと流水で洗います。
足の部分は表面をはがしとります。
すぐによく乾かします。



(2)エシャロットをオリーブオイルで
弱火で炒めます。



(3)ポルチーニを入れます。
塩・コショウをして、タイムも入れます。



(4)リゾット用のお米を入れ、
オリーブオイルがよくいきわたり、
お米が透き通るまで炒めます。
(リゾット用のお米は洗わないです。
 どうしても洗いたい方は
 水でさっと洗ってください)



(5)(1)で作った
あたたかい野菜のブロード(スープ)を
ひたひたに入れる。



(6)時々かき混ぜながら15〜20分くらい煮る。
野菜のブロード(スープ)が足りないときは、
足しながら、お米のかたさを確認して、
自分の好みのかたさより、
ちょっとかためのところで、火を止める。
野菜のブロード(スープ)も少し残っている感じ。
バターを入れる。



(7)パセリを加える。



(8)フタをして5分くらいむらす。




は〜い、出来上がりです。
盛りつけるときにイタリアンパセリをかけます。

さっぱりと仕上げて、ポルチーニの味を
充分にお楽しみください。
 
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