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アーカイブ 2006/05/09
 
レシピその15
ORECCHIETTE CON CIMA DI RAPE
〜野草摘み〜

20年前のリエティでの春のお話です。
春の楽しみのひとつに野草摘みがありました。
家の裏に広い野原があって、春には羊が放牧されます。
羊飼いのおじさんが羊の群れを連れ帰るときは、
子供達は羊を触りたく群れの側に行きますが、
いつもおじさんに
「噛み付くから絶対側には来てはだめだ」
と言われ、恐る恐る道ばたで見つめていました。

その羊達がいないときに
ご近所のお母さんと子供達とで野草摘みに出かけます。
持ち物はナイロン袋とテーブルスプーンやナイフ。
目指すはCICORIA(チコリ)です。
地面にぴったりと、そして、
しっかりと葉を広げているので手だけでは抜けません。
ナイフなどを地面に差し込んでから、引き抜きます。
たんぽぽの葉と良く似ているので、よく間違えました。
袋一杯になったところで終わります。
隣にあったタベルナ‥‥食堂のことですが、
その場所を借りて、
皆で摘み取った野草の整理をします。
私が摘んだ野草には食べられない草が混じっていて、
いつも袋の中から取り除いてもらっていました。

野草はとても苦いのでよく茹でて、
水に浸して、あく取りをします。
オイルにニンニクと一緒に炒めて食べますが、
この苦さをいただくと、
なんとも春の自然の息吹を感じたものです。
便秘にも効くのだそうです。

暖かくなると子供達は皆、森に入って、
木の枝で蛇がいないことを確認しながら、
野生のシクラメンやすみれを採ってきて、
花束にしてそれぞれのお母さんに
プレゼントしてくれます。
花をあまりに採りすぎている場合には、
散歩をしていて見かけた人達が、
「根から抜かないこと」とか、
「取りすぎてみんなの散歩の楽しみを
 減らさないように」とか注意をしてくれるので、
子供達も自然に、
花や野草との向き合い方を学んだのだと思います。
‥‥野草採りといえば、日本では、
よもぎや菜の花、つくしなどですね。

今回ご紹介するお料理は、
ちょっと苦い葉っぱを沢山入れたパスタです。

ORECCHIETTE CON CIMA DI RAPE
(オレッキエッテ コン チーマ ディ ラペ)


OPRCHIETTE CON CIMA DI RAPEの
Cima di Rape(チーマ ディ ラペ)は
かぶ系の葉のことです。
日本では菜の花や小松菜を使って下さい。
Orecchiette(オレッキエッテ)は
小さい耳型のパスタのことです。

パスタ(オレッキエッテ)の作り方

■材料(5人分)

セモリナ粉:350g
水:100〜150cc
塩:少々
打ち粉用セモリナ粉:少々



■作り方

(1)人肌の温度の水に塩を少々溶かしたものを
少しずつセモリナ粉に加えてよくこねて、
耳たぶくらいの堅さにする。
それを布巾に包み、30分程度休ませる。

(2)まず少し取って棒状にします。



それを切ります。



一つずつ丸めます。



親指でつぶします。



それをひっくり返します。
ざらっとしたつぶした面がでます。



ナイフの先でもつぶせます。



他も同じようにひっくり返します。
ざらっとした面をだします
このざらっとしたところに
味が絡みます。



少し干します。




OPRCHIETTE CON CIMA DI RAPE
(オレッキエッテ コン チーマ ディ ラペ)


 〜パスタにオレッキエッテを使う場合

■材料(5人分)

Cima di Rape(かぶ系の葉):1kg弱
アンチョビ:5〜8切れ
ニンニク:3欠片
鷹の爪:辛さによって1〜3本
オリーブオイル:大5
塩:少々
パスタ(オレッキエッテ):400g







■作り方

(1)深いフライパンか薄手の鍋にオイルを入れ、
火にかける。
芯をとってつぶしたニンニクと刻んだ鷹の爪を入れ、
香りが出て来たら
アンチョビを入れ、アンチョビをつぶす。



(2)大きめの鍋に水と粗塩を加えて、
良く洗ったCima di Rape(かぶ系の葉)を
刻んだものを入れ、
沸騰したらパスタを入れ、
アルデンテよりちょっと固めであげる。
もし使われる葉が柔らかいものでしたら
同時にパスタを入れて茹でて下さい。
茹で具合は好みで。



(3)(1)に(2)を入れ、
ゆで汁を少々加えて、味をなじませる。
塩味がだいぶ出てくるので、
味見をしながら、塩を足して味を整えます。
ちょっと苦めのCima di Rape(かぶ系の葉)が
アンチョビと良くあいます。






 〜パスタにペンネを使う場合

Cima di Rape(かぶ系の葉)を使った
トマト味のパスタもご紹介します。
時間がないときや、
ちょっと目先を変えたいとき、
また、アンチョビを切らしているときなどは
ペンネを使ってトマトを加えてみましょう、
また違った味で楽しいです。

■材料(5人分)

Cima di Rape(かぶ系の葉):1kg弱
ニンニク:3欠片
鷹の爪:その辛さで1〜3本
オリーブオイル:大5
塩:少々
パスタペンネ:400g
トマト:2個、またはトマト缶やピュレーでもよいです。
乾燥トマト:お酢に水を加えたものに浸してもどす。

■作り方

(1)深いフライパンにオリーブオイルと、
芯を取ってつぶしたニンニク、鷹の爪を入れ香りをだす。



そこに刻んだCima di Rape(かぶ系の葉)を入れ、
蓋をして蒸し煮にする。



出来上がったところに湯むきして刻んだトマトと、
乾燥トマトの刻んだものを入れ、
塩で味付けをして火を止める。



(2)大きめの鍋に水と粗塩を加えて、
良く洗ったCima di Rape(かぶ系の葉)を
刻んだものを入れ、
沸騰したらパスタを入れ、
アルデンテよりちょっと固めであげる。

(3)(1)に(2)を入れ、
ゆで汁を少々加え、味をなじませ
塩で味を整える。





トマトの味が好きな方にはこちらも喜ばれます。


BUONAPPETITO!
 
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