ほぼ日刊イトイ新聞 - 『言いまつがい』

『言いまつがい』の本では、
みなさまから寄せられたネタを
47のジャンルに分けて掲載しています。
このコーナーでは、
いち早く『言いまつがい』に目を通し
ひとしきり笑い転げた「ほぼ日」乗組員が、
各自おすすめのジャンルについて
勝手に熱心に語っていきます。

本日の担当：べっかむ３
御武家言葉は突然に

ほぼにちわ、日曜日ですね。
今日は、ジョン・健・ヌッツオが楽しみな、べっかむ３です。
そんなぼくのイチ押しの『言いまつがい』は
やはり、「時代物」。
「時代物の言いまつがい」って何ですと？
それは例えば、こんなのです。

バイトしていた会社の
エレベーターで、
わたしは後から
乗ってきたおじさんに、
「何階でござるか？」
と言ってしまいました。
（shio）

仮にそこが、ハイテクビルのおしゃれな
シースルーエレベーター内であっても、
この一言で、一気にちょんまげ時代に
タイムスリップしてしまうところが、好きです。
言いまつがいタイムマシーンです。

居酒屋でバイトを
していたときのことです。
あちらこちらから声をかけられ、
接客にてんてこまいだった私。
あるテーブルに
小走りで駆けつけ、
「大変お待たせいたした！」
と言ってしまいました‥‥。
（まり）

この後、お客さんが大爆笑して、テーブルに行くたびに
「ビールをひとつたのむでござる」と侍言葉で
注文されつづけた、というエピソードが、
居酒屋即席『お江戸でござる』風で、
また、ほほ笑ましいではないですか。

この、突然、自分でも予期せずに言ってしまう武家言葉は、
昨今の『ザ・ラストサムライ』ブームや
『武士道』ブームに乗って、
ますます日本中に拡がる可能性もありますが、
世知辛い今の世の中、ちょっと江戸の風が吹く瞬間が
あってもいいじゃありませんか。

ただ、人によっては江戸時代以外の時代にも‥‥。

母は、
家に遊びにきていた友達を
玄関で送ったあと、
その人がスクーターの
ヘルメットを忘れたことに
気づいて
「奥さん！　鉄カブト
　忘れてる！」
と大声で追っていきました。
（きみ）

あははははは。タイムスリップって言っても、
いきなり、この時代に連れてかれるのはやだなあ。

そんな時代も場所も縦横無尽の『言いまつがい』、
ぜひ懐中にしのばせたお給金の中のいちぶで、
手に入れていただければ本懐でござ候です。
ほら、光秀も言っています。
「ブツは本屋さんにあり！！」

2004-02-08-SUN