その1809
ハロー、スーザン。
キミはジョークが好きだったな。
アジアの島国、ニッポンから、
また愉快なジョークをたっぷり仕入れたので
キミに送ることにするよ。
そう、現地で「言いまつがい」と
呼ばれている、例のアレさ。
以下に連ねる、いくつかの文字列は、
しばしば、実際に、あなたを、多くの、
愉快な気持ちにつくる、
いちばんの機会のひとつに
なることが可能だと、思った、私は。
じゃ、最後まで楽しんでくれ。
アメリカにて。
先日、wal-martの袋を持って歩いていると
「Excuse me, where is wal-mart?」
と聞く小奇麗なご婦人。
少し遠いので、
バスに乗らなければならないことを
伝えようとして言いました。
「Oh, you have to take a bath. 」
まさかのth発音。
小奇麗なご婦人は、苦笑いを浮かべ
「OK!」とだけ言い残し、去っていきました。
私はビーチサンダルに砂の付いた足。
お風呂に入るべきなのは私のほうだと、
そこにいた誰もが思ったはずです。
(アロハワイ)
はじめてパリのオペラ座に行ったとき、
「ブロシュア(パンフレット)ください」
と言おうとして、
ブロシェット(肉の串焼き)
 ください」と言ってしまい、
「ウチは肉屋じゃないよ」と
受付のにいちゃんに笑われた。
(たこ)
国際線で機内食が
魚料理と肉料理から選択できたのですが、
海外のCAの方に
「Which do you like
 フィッシュ or お魚?」
と笑顔で聞かれた。
フィッシュとお魚ならどっちでもいいです。
(ビーフと頼めない小心者)
ケンタッキーフライドチキンで、
外国人のお客さんが数人で、
「骨なしチキン」を指差し、
店員さんに「これは何か?!」と
一斉に質問していました。
コギャルもどきの店員さんも
一斉に同じ内容を
しかも英語で質問されている!!
という状況にあたふた‥‥。
しかし、堂々とこう答えました。
「ホネェ〜、ナッシング!」
すぐうしろに並んでいた私は
笑っては失礼だと思ったものの
思わず吹き出してしまいました。
(ふもふも)
ニュージーランドに住んでいます。
4歳のバイリンガルの娘が、
幼稚園で新しい単語を習ってきた。
「ママ、知ってる? イカの足は
 tentacles(テンティクルズ)
 って言うんだよ」
そのような単語を聞いたこともなかった私は、
「すごいなー、4歳なのに
 そんな単語知ってるんだー」と感心しきり。
後日、同じ幼稚園に子供を通わせる
日本人のママ友と、この話になり、
「ここの幼稚園、
 すごい単語を子供に教えてるよねー。
 この間なんてうちの娘、
 testicles(テスティクルズ)
 なんて習ってきたんだよー」
と私が得意顔で披露すると、
ママ友は「ありえない!!」と
想像以上にびっくりしてくれた。
よくよく考えたら、「testicles」というのは
「睾丸」という意味だった。
もちろん二人で大笑い。
(いやーん)
うちの父がアメリカ人3人を連れて
町を歩いていたときのこと。
アメリカ人を先頭に
父が一番最後に歩いていたら、
前方よりかわいい小学生がやってきて
前から挨拶をしてきた。
「ハロー」「ハロー」「ハロー」
そして父の番になったら
なぜか「ニイハオ」って。
そんな父はれっきとした日本人です。
(そんな父が好き)
HAHAHAHAHAHAHA!
いやぁ、ニッポン人ってのは、
ほんとうに愉快な人たちだな!
そうそう、なんでも、こういうジョークの
傑作が凝縮された本があるらしいんだ。
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』
っていうのがその名前だから、
機会があったら探してみるといいと思う。
それじゃあ、また、セバスチャンの店で。
ヘッドホンはデカけりゃデカいほどいい、
と思っているジミーより。
PS:
クレア叔母さんのイブニングドレスから
どういうわけかオウムのにおいがするんだ。

イラスト:しりあがり寿


2009-01-27-TUE
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN