その1522

すべての子どもたちは美しい名前を持っています。
ひとりずつひとつ、かけがえのない名前を。
しかし、その、燃える命ともいえる名前は、
しばしば他者によってあっさりと
「言いまつがわれて」しまうのです。
そんな事例をたくさん集めてみましたよ。
すなわち、「名前の言いまつがい」特集です。
誰のどんな名前がどんなふうに
「言いまつがわれた」のか?
どうぞ、最後まで、ごゆっくりお楽しみください。
私の苗字は「速水」です。
もこみちくんのおかげで
あまりまつがわれにくくなったのですが
今日届いた宅配便に
早速 M子様」とありました。
とても急かされてる感じです。
(M子)
私、福士と申します。
名前を説明するときはいつも
「幸福の福に武士の士です」と言ってます。
先日夫に、仕事先から
福侍 様」という郵便物が届いたそうです。
(拙者、フクザムライでござる!)
私の名前は「太田」です。
数年前、車を購入した時の
お店の担当者さんは
「田原さん」という方でした。
購入に必要な書類を入れた
私あての封筒の宛名欄には
「太田原様」
と書かれてありました。
それ以来ウチでは彼のことを
「太田原」(呼び捨て)と
呼ばせていただいてます。
(豊田太田原)
会社で営業の切符の手配をしています。
旅行会社に注文をして取りに行くのですが。
先日もらった航空券の名前が
「○○タコ様」になっていました。
慌てて旅行会社に電話したところ、
TAKAOの『A』を抜かして
入力したことが判明しました。
当人は大笑いして出発していきました。
平謝りだった旅行会社の方、元気ですか?
(タコよりイカ好き)
電話でお客様の名前の
漢字表記を確認をしていた時。
私「キド様ですね?
  漢字は『樹木のキ』
  『ドアのド』でよろしいですか?」
客「『樹木のキ』って、どっちのキですか?
  『ドアのド』ではなく、戸締りの戸です」
たしかに‥‥。
(ねここ)
妻が通販会社からの電話で
自分の名前を説明していた。
相手「マユミ様はどのような字でしょうか?」
妻 「真由美の『真』は、
   真由美の『真』で‥‥
相手「‥‥は!?」
(Solus)
ウチの妻は、子供の頃から、
いい大人になった今でも
「きっちゃん」とか
「きっちん」と呼ばれています。
ある日、久し振りに会った
あんまり親しくない知り合いが、
妻の名前を一生懸命思い出して呼んだ名は、
「カウンター」‥‥。
(きっちんカウンター)
劇団のお手伝いをしていた頃のことです。
その劇団ではメンバーをニックネームで
呼び合うことになっていました。
そこで私も「ターニャ」という
ニックネームを名乗っていたのですが、
正式なメンバーではなく出席率も悪かったせいか、
ある団員さんは私のニックネームを
「ムーチョ」
まつがって覚えていました。
(みなみ)
会社の後輩「狐塚」が、
客を訪問したときの話。
後日資料を送ってもらうことになり、
「体型は狸ですけど名前は狐です」
と笑いをとろうとしたが、
先方はまじめな人で
「わかりました」と答えて笑わず。
数日後、営業所に届いた封書には
しっかり「狸塚様」と書いてあり、
営業所内は大爆笑。
(ケンチャン)
うちの旦那の話です。
前から娘の「みお」を
猫の「にゃん」
言いまつがっていましたが
こないだは「みそ」
言いまつがってました。
その後、慌てて呼び直したのが
「しお」ですよ。
(調味料と言いまつがわなくてもねぇ)
どのような「言いまつがい」でも、
どうぞ私たちに送ってください。
「こんなのでいいのですか?」というアナタ、
そんなのでいいんですよ!
あれこれ思い悩むくらいなら、
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『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』
どうぞよろしくお願いしますー。

イラスト:しりあがり寿


2008-04-15-TUE

 

 

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