こうするつもりだったのに、
あんなことをしてしまった。
やりたかったのはあれだったのに、
どういうわけかこんなことをしてしまった。
そういった「まつがい」を
たくさんまとめてお届けする週末です。
本日も、些細な傑作が満載ですよ。
どうぞ最後までゆっくりおたのしみください。
コンビニでクリームパンを買い、
店の前で早速開けて
袋をゴミ箱に入れたつもりが、
入れたのはクリームパンでした。
(t)
小学生の時、
麦茶だと思って飲んだ茶色の液体。
とんでもなく口当たりが悪い!
と思ったら
発芽させるために
水につけていたネギの種でした。
台所にある液体は紛らわしいですね。
(風街通り)
昼食をしながらPCをいじっていて
マウスのつもりで机にこすりつけたのは
ホットドックでした。
(サイトウサン)
私とは縁のない某有名ブランドの
ショップのショーウィンドウを
穴のあくほど見つめていたとき、
魔が差して、ちょっとだけ入ってみようと、
思いきって入り口と思われる場所に、
えいっと足を踏み入れたつもりが、
鼻から眉間に激痛!
私はピカピカの硝子戸に激突していたのです!
じ、自動じゃなかったんだ‥‥。
硝子にくっきりピンクの唇。
ハズカシさをごまかすため、
元気よくショーウィンドウの
バッグを指差して見せてもらい、
おとりおきまでしてしまいました。
もちろん、後日電話で解約。
(みんみ)
私はド近眼。
昨日の真夜中、
どこからか着メロのようにも
誰かの歌声のようにも聞こえる、
感じのいいメロディアスな物音がかすかに‥‥。
はて、なんだろう?
よく聞いてみようと思った就寝中の私。
気がつけば、真っ暗な部屋の布団の中で
眼鏡をかけてジーッと闇を睨んでました。
音だってば、私!
(近所は居酒屋、しかも週末)
入社3年目の昼休みのこと。
一人ポツンとパソコンに向かっている新人を見つけ、
「大丈夫? 何か困ってるの?」
と背中をたたいたところ、
「いえ、現時点では問題ありません」
と振り向いたのは
事件捜査で会社の顧客データベースを
調べに来ていた
警視庁公安部の鋭い目をしたおじさんでした。
「‥‥何か困ったら聞いてください」
と言い残し、急いでその場を離れました。
が、その後
「おかげさまで無事終了しました。
 予想以上に時間がかかって
 申し訳ありません」
とわざわざ私の席まで挨拶に来られ、
同僚に「何でキミが報告受けてるわけ?」
と怪しまれました。
(ぽけ)
毎朝、自転車で駅まで行っているんですが、
先日、寝坊してしまった私は、
あせりながら家を出ました。
途中で信号にひっかかって、
イライラしながら信号待ち。
青になった瞬間、全力で自転車をこぎ始めると、
勢いあまって履いていたパンプスがすっぽぬけ
横断歩道の真ん中にポテン。
「もう、こんなときに!
 恥ずかしいなぁ!」
と思いつつ、自転車から降りて、
パンプスを回収し履き直していると、
信号が点滅し始めました。
「やばい、早く渡らなきゃ!
 間に合わない!」
と、パニックになった私は、
何を思ったか自転車を放置し
歩いて横断歩道を渡ろうとしました。
車のクラクションの音で後ろを振り返ると、
私の自転車がポツンと、
横断歩道の半ばに鎮座していました。
歩行者信号は赤。
その上、横切る自動車用の信号も
青に変わろうとしていたので、
パニックに余計に拍車がかかった私は、
「ごめんなさい!」と思いつつ
あろうことか自転車をそのまま放置して、
駅に徒歩で向かおうとしました。
「ごめんなさい!」じゃないですよね‥‥。
親切な方が、自転車を回収して
持ってきてくださったので、
事なきを得たのですが、
咄嗟の判断力のひどさに本当に情けなくなりました。
信号待ちしていたドライバーの方&
持ってきたくださった方、本当にすみません‥‥。
(トラキアの盾)
数年前、墓参りに行ったときのことです。
母と私が花を買ったり、水を汲んだりして
墓の前を離れている間に
父は隣りの家の墓の掃除を始めていました。
(かーちゃん)
ページを読みながら、
自分の「まつがい」を思い出したそのときが
初投稿のチャンスだというのは有名な話です。
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投稿したことを忘れたころに
ひょいと自分のネタが掲載されていたりすると
けっこう愉快なものですよ。
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』
どうぞよろしくお願いします!

イラスト:しりあがり寿


2007-02-11-SUN
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN