ほぼ日ブックス
商品について分からないことは、ここでね!
どこで買えるの?
投稿、待ってるよ〜!

新着「言いまがい」〜その732


 

すべての子どもたちは
美しい名前を持っています。
ひとりずつ、ひとつ、
燃える命ともいえる名前を。
ところが、その、美しい名前は、
しばしば他者によっていともあっさりと
「まつがわれて」しまうのです。
あるいは、美しい名前を持つ自分自身が
自分自身の美しい名前を
「まつがった」りもするのです。
そのような例を今日もたっぷりとお届け。
最後までおたのしみくださいませ。


私の名前は「さち」といいます。
先日お店で下の名前も聞かれて
「さちです」と言うと
「たち」と書かれ
「『さ』です」と訂正すると
「たさ」と直されました。
私の伝えかたが
足りなかったのでしょうか。
(伝票は訂正だらけ)

昔、電話で名前を言う時
「すずきけいこです」
と言おうとして、カツゼツが悪くなり
「すすきけえこです」
と言ってしまったら
「はい、
 ささきせいこさん
 ですね」
と返されたことがありました。
ささきせいこ‥‥
そんなに違う自分になれるんだ!
と感動しました。
(すずきけいこ)

まだ実家にいた頃、母宛の手紙の中に
なんとも許し難いまつがいの郵便物が
定期的に来ておりました。
「これ直してもらったら〜」
と何度か言っていたのですが、
意外と無関心の母。
私なら即訴えます。
母の名前は「ミワ」なのにそれには
「シワ」とありました。
(ぐっち言う象)

病院の受付をしていた時、
患者さんに書いてもらった
問診票を見たら名前が
「もももこ」になっていた。
「も」が多いと思いながらも
おもしろかったので
そのままにしちゃいました。
(さいわい)

会社で「恵(めぐみ)」という
同僚の名前を説明するときに
「『恵まれない』の
 『恵』です」
と言ってしまい、隣に座っていた
恵さんとの間に気まずい空気が流れた。
(ごめんよ、めぐちゃん)

物心ついてから、姉が結婚するまで、
「おい、敦子!」
ずっと姉と呼びまつがわれていた私。
姉が帰省すると、
「おい、順子!」と、
姉が呼びまつがわれるようになり、
ようやく私の時代が来た!
と、思っていましたが、
とうとう、姪と呼びまつがわれました。
ジュンコミズキ
何の共通点も見出せません‥‥。
(お父さん、いい加減覚えて!)

「仲村」です。
「中村」と書かれることが
多いのですが
そんなに気にしてません。
でも、これから
つきあいがありそうな場合は
「にんべんのね」
と付け加えたりもします。
先日、写真屋で現像頼んだときは、
ちと迷ったあげく
「ナカムラです。
 あ、ごんべんのね」

と言ってしまいました。
店員さん、動きが止まりました。
あわてて言い直したのが
「ごめんなさい。
 さんずいでした」

沖村になってました。
(にんべんです)

窓口の仕事です。
「なだ」さんというお客様の
名まえの漢字を聞いたら
「名まえの名にたんぼ」
とおっしゃいました。
私が書いたのは
「奈田」
「‥‥名まえの名」と再び。
だって私の下の名まえに
「奈」がつくんですもん。
(個人的には、正しい)
私の前に座っている
英語指導助手さんの
マクドナルド先生。
日本語がとても上手。
先日パブに行って、
初対面の日本人と自己紹介をして
しばらく楽しく話していたそうです。
すると、その日本人に
「ところで、
 ケンタッキーさんは‥‥」
と間違われたが、
なんとなく訂正しづらくて
そのまま
ケンタッキーさんでいたらしい。
(なんていいひとなんだ)
知り合いに国際結婚をした
「○○ニョン」さんという人がいて、
「今流行りの韓流ね、素敵」
と思って聞いたら、
旦那さんはフランス人でした。
着ているものも、
韓流っぽかったんです。
(はるも)
営業事務をしていたある時、
受付の女性から電話がかかってきました。
「そちらに
 デニスさんは
 いらっしゃいますか?」
「え、デニスさん?」

一瞬頭の中が真っ白になりました。
そこは見たまんま
日本人ばっかりの部署でした。
私は電話を受けながら
必死にあたりを見回し、
デニスさんらしき男性がいないか
探しましたが、いるはずもなく
「こちらには
 デニスさんという方は
 いません」
と答えました。
しばらく微妙なやりとりが続いた後、
その方が
「これ『出る』に『水』って書いて、
 『でみずさん』じゃないのかなぁ?」
と言われハッとしました。同じ島に
「いずみさん」という女性がいたことを。
その後荷物を受け取り、
無事出水さんにお渡ししました。
(おっちょこ)
私の友達で「寿木(スキ)」
という名前の人がいます。
いつも初対面の人に挨拶するとき
「はじめまして、
 スキです」

と言って、相手をドキっとさせている。
(都)

どのような「言いまつがい」も
したためて送っていただければ幸いです。
そのようにするかと思った場合は
下の「投稿する」ボタンをクリックして
私たちにお送りください。
気軽に読みますので、気軽にご投稿ください。
新潮文庫の「言いまつがい」は
贈り物としても最適です。いや、ほんとに。


イラスト:しりあがり寿
「言いまつがい」を投稿する。

2006-02-15-WED
ホームへもどる