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新着「言いまがい」〜その724


 

久々に「かみ合わない会話」をお届けします。
「言いまつがい」や「聞きまつがい」、
そして「かんつがい」などが織りなす、
世にももどかしいハーモニー。
それが、「かみ会わない会話」です。
いったいどこに原因があったのか、
ひもときながらお読みください。
やり取りする会話を紹介するため、
少々長めとなっております。
最後まで、のんびりご覧ください。


休みの日のことです。
姉「さっき店の前で、
  犬が(ハナ)垂れてて‥‥
  怖かった」
私「洟垂れた犬? へぇ。
  (今年は特に
   寒いっていうからなあ)」
姉「ああいうのって、
  ちゃんとヒモでポールとかに
  つないでおいてほしいよね」
私「つながれてなかったの?
  (汚いなあ)」
姉「だから、洟垂れた犬が
  いたって言ったじゃん」
私「鼻水が、垂れた、
  犬でしょ?」
姉「へ?
  放たれてた犬の話だよ」
ちゃんと頭の中には、
寒さに震えながら
鼻水をたらす犬の画があったのに!
(三姉妹)

会社で、
印刷した資料の断裁を頼もうと
別フロアの業務の子に電話しました。
「お願い。ちょっと、
 切ってほしいんやけど」
「うん、いいよ」
「じゃあ、持っていくわ」
そう言って、
彼女のところに資料を持って行くと
いくら?
「?」
彼女の手には切手が‥‥。
切手がほしいんじゃ
 なかったの?」
(確かに言った)

正月あけに、
おみくじの話をしていたときのことです。
同僚「学生時代
   巫女のバイトしてたんだ〜」
私 「へぇ〜すごいね〜、
   大変だったでしょ〜」
同僚「全然大変じゃないよ。
   足がちょっと
   痺れるぐらいで」
私 「え? あの木の樽の中って
   正座しなきゃいけないの?」
同僚「?????」
私 「どのくらい息止められるの?
   ちょっとやってみてよ〜」
同僚「巫女なんだけど‥‥」
私の頭の中には海女の格好をした
同僚の姿がありました。
かみあわないはずです。
(さとみ@宇都宮)

親友と中学時代に交わした
アホな会話です。
友「も〜、
  カワセ(先生)の顔
  見たくない!」
私「??? キャベツの皮?」
友「うん!」
私「(なぜ『皮』なんて
  おかしな言い方したのかと
  不審に思いつつ)
  キャベツそんなに嫌いやった?」
友「見るのもイヤ」
私「クセ(のある味)はないのに?」
友「クセあるよ」
私「でも、料理によっては
  食べられるかもしれんよ」
友「えっ、なんの話しとるの?」
私「なんの話しとるの?」
互いの聞き違いに
気づいたとたんに大爆笑で、
しばらく笑いがとまりませんでした。
(黒いミニライオン)

女友達が集まれば
美容話で盛り上がるのはいつものこと。
佐伯チズさんという美容カリスマの
お手入れ法の本は未だに話題になります。
「今さー、
 佐伯チズにハマっててさー。
 すごくいいの」
災域地図
 私もそういうの買ったよ。
 会社から自宅まで詳細見ときたいしね。
 いざ地震とかなったら
 やっぱり心配だものね」
「??? 佐伯チズだよ?」
災域地図でしょ?
 給水所とかでてたりする地図」
「‥‥人の名前だよ。美容だよ美容。
 『チズ』はカタカナ」
お互い不可解な会話の流れに
眉間にしわがよった。
(セレ部部長)

50代半ばの母とロンドンのカフェで
コーヒーを飲んでいたときの会話です。
ウェイトレスさんが
みんな肌がきれいだったので、
「きれいだね、にきびなんて
 できたことないんだろうね」
という話をしていました。そのあと‥‥。
母「そういえばあんた
  最近出てないじゃないの?」
私「うん、もう
  出ない時期なんじゃない?」
母「あぁ、でも
  やっぱり食べると出るよね」
私「普通に食べてるよ、
  でも水質も日本とは違うしね」
母「あぁ、こっちの水は硬水だから
  いっぱい出るらしいねぇ!」
私「? そうなの?」
母「知らないの?
  わたしはぼちぼち出てるわよ。
  たぶん水のせいねぇ」
私「? 出てないじゃん。
  だいたい、
  出る年じゃないでしょ、もう」
20秒くらいの長い間があってから、
母「‥‥何の話?」
私「えぇ?!
  にきびの話でしょ」
母「あぁ、私、いつのまにか
  う○この話してた」
‥‥ってちょっと、お母さん!
日本語ならバレないからって!
ってか肌の話から始まったんだから
妙にスライドさせないでよ!
(訂正:便秘じゃないです)

「注意した」を「チューした」と
聞きまつがった

という投稿を読んで、
思い出しました。
私は、小中学生が集まる
福祉施設で働いていまして、
ある日、
「中学生が備品のオルガンの
 鍵盤の上に座っている」と
小学生の子が知らせに来てくれました。
私は、
「これはガツンと叱らなければ」
と思うとともに、
「頭ごなしに叱っても反発されそう」
とも思って、
自分で過ちに気がついてもらおうと、
次のように声をかけました。
私「‥‥ねえ、
  注意してもいいかな」
中学生A
「はっ!? チュー!?
(激しく動揺)」
私「そう。注意したいんだけど
 (そんなにおびえなくても‥‥)」
中学生A
「へっ!? えっ!? 何っ!?」
私「オルガンから降りて」
中学生A
「はっ!? なんでっ!?
(ますますオルガンにしがみつく)」
私「そこは
  乗っていいとこじゃないでしょ!」
中学生A
「あっ‥‥(素直に降りる)
 ‥‥あの、チューって、その」
中学生B
「ばか、おまえ、チューじゃなくて
 注意されたんだって!」
中学生A
「あっ、なんだ‥‥
 チューしたいって
 言われたのかと(安堵)」
(8才年下の中学生相手に、
 先生はそんなこと言いません)

友人がデパートのお歳暮コーナーで
バイトをしていた時のことです。
優雅なマダム風のお客様が
カウンターにいらっしゃって、
お歳暮郵送の手続きに。
さてお会計‥‥という時になって
突然お客様がこう聞いてきたそうです。
シャーペンいらん?
シャーペン‥‥シャープペンシル?
なぜ? できるだけ丁寧に
シャーペン、でございますか?」
と聞き返す友人。ひたすら
シャーペンいらん?
と訊ねるお客様。‥‥シュールです。
お客様はさすがにいらだった様子で
さらにはっきりと訊ねました。
Shall I pay now?
 (今、支払えばいいの?)」
なぜそこだけ英語?
友人によればそれ以外の会話は
日本語だったということです。
(はしぞう)

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イラスト:しりあがり寿
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2006-02-07-TUE
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