その2226
もしもし○○さんのお宅ですか、
いいえ違いますよ、
失礼しました、どういたしまして、
ガチャン、ツー、ツー、ツー。
これが、いわゆるひとつの
間違い電話のパターンですが、
うちがご紹介する「まつがい電話」は
ひと味もふた味も違います。
はっきり言ってたいへんにドラマティック!
劇的な展開をどうぞ最後まで
お楽しみくださいませー。
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まだ学生だったとき
自宅に電話すると兄が出ました。
「もしもし、れい子です。
 あれー、めずらしいねー、
 お兄ちゃんが家にいるなんてどうしたのー。
 あのね、お母さんいるかなー、
 代わってもらえる?」
と言うと、笑いながら
「どちら様ですか?」と訊かれました。
兄だと思ってしゃべっていた相手は、
全然知らない人でした。
「ごめんなさい! すみません!
 間違えました!」
間違い電話を謝っている間も
相手の男の人はずーーーっと笑っていました。
(ほかにも色々やってる、れい子)

何年か前のことですが、
夕方に携帯電話に見知らぬ電話番号から電話が。
電話に出ると、かわいらしい男の子の声で、
僕のお父さんを知りませんか」
とのこと。
思わず言葉を失うとさらに
「僕のお父さんを
 返してください」
と!!
何の事だか分らなかったけど、もしかして
不倫をしている相手の所に電話したのか?
でもそれは私じゃないし
間違い電話なんだけど‥‥。
説明するのに一苦労でした。
あれからお父さん帰ってきたのか気になります。
(お母さんは?)

私の女友達の母親が、ある日どうしたことか
自分の娘の電話番号と
私の番号を間違えてしまい、
私の留守番電話にメッセージを
残してしまいました。そのメッセージは
あ、お母さん。
 帰って来たら電話ください」
という短いものでした。
仕事から戻ってそのメッセージを聞いた私、
いつもより声のトーンが違うなあ、と感じつつも
メッセージの冒頭の「あ、お母さん」という
声のテンポと質が全く私の母と同じなので、
すっかり自分の母親が
電話してきたのだと思い込みました。
海外に住んでいるので
日本で何かが起きたのだと思い、
あわてて日本の母親に電話すると私の母は
「電話なんかしてないわよ」と冷たく言い放った。
確かにあなたの声だった、
としばらく食い下がったのだが、
あまりに母親が否定するので、
私はこれは父親が死んだかなにか
とんでもない大事件が起こったのだが、
私が海外在住ですぐに日本には帰れないことで
母親が機転を利かして
言わないことにしたに違いない、
とこっちもこっちで勝手に思い込み始めました。
しつこく私が「あ、お母さん」という声は
間違えようがない、絶対あなたの声だった!
誰かが死んだならいますぐ言って!
と、ほとんど涙声になって繰り返すので、
母親も焦り始め、なんとか私を納得させようと、
考えた末にこう言った。
「わかった! それ『岡さん』よ!
 『お母さん』じゃなくて、
 『あ、岡さんです』って言ったのよ」
一瞬あっけにとられたが、
あまりのばかばかしさに大笑いしてしまった。
どこの誰が自分の名前を
「さん」付けでメッセージ残すかっちゅーの。
ちなみにどうやってそのメッセージが
友達の母親のものだったか判明したかというと、
あまりにうちの母親が
ばかばかしいことを言ったので、
友達にその話をしたら、
「うちの母親もメッセージの冒頭に
 必ず『あ、お母さん』と言う」
ということになり
友達が日本に電話をしてみると、
ビンゴ! だったのでありました。
どこの母親も留守番電話に対しては
同じような出だしをつかうもんですね。
(HA)

友だちの家の電話番号は、
市の下水処理、し尿処理の会社と
1桁違い。毎週一度は
「あのぅ〜、
 汲み取りをお願いしたいんですけど〜」
とかかってくるそうです。
(田舎だから、
 水洗トイレじゃない家が多いそう)

夫が独身の頃、
職場に電話がかかってきたそうです。
「○○さん、奥さんから電話です」
と言われ、いったい誰かと思ったら
お母さんが
「○○の家内ですが‥‥」
と名乗ってしまったらしいです。
(ぴよぴよ)
「まつがい電話」にかぎらず、
どのような「まつがい」であろうと
私たちにお送りくださいませ。
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どうぞ、お気軽にご参加くださいませー。

イラスト:しりあがり寿
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2010-03-20
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN