ほめ道を往く。
「ほめられて伸びる派」のためのページ。

どうやら世間では、
「渡る世間は鬼ばかり」のことを
「渡鬼」と略すらしい。
そんなこと常識だよ、という方にとっては
今回の「ほめ道」は
とても共感できるものであると思う。
え、なんスか、その略称?
という人にとっては、
思いがけず新たな価値を
発見できるようなものであると思う。
知ってる人も、知らない人も、
「ほめ道」をおたのしみください。



第二十四回
「渡る世間は鬼ばかり」
 をほめる。
〜ホームドラマの王者を語る〜

タララリラリラリ〜ラ〜〜♪
この春からまた始まるみたいですね
「渡鬼」。

このドラマってすご〜〜く、長いですよね。
私が見てた頃は結婚して4年後くらいだったかな〜。
えなりかずきさんが小学生だったんですよ。
山岡久乃さんがまだご健在で
河内桃子さんもご健在の頃でした。

それ以前も何シリーズかあったみたいですが
「お年よりの番組」(ごめんなさーい)という
先入観があったので、全然見る気はなかったの。

それが、上の子と下の子が1歳8ヶ月しか違わないから
けっこう子育てが大変で‥‥。
やっと、下の子が3歳になった! ってころに
3番目の子を妊娠した私。
つわりもあったから、まいにちゴロゴロしてました。

ちょうどその頃、「渡鬼」をやってたの。
で、たまたまついてて、何となーく見ちゃったのね。
「なにこれ! おもしろ〜〜!!」

その頃のわたしは「子育て」という言葉の10倍くらい
「子育て」をしてました。
だって「子育て」以外のことをする暇がないのよ!
「もう! いや〜〜!」なんて
八つ当たりもしょっちゅうでしょ。

そんな時この「渡鬼」がポーンと私の心に入ってきたの!
その鍵は「みんな自分勝手で、言いたい放題」って部分。

いや〜、「スカッ」としました。
だって、「専業主婦のうっぷん」「働く主婦のうっぷん」
「独身女性のうっぷん」「夫のうっぷん」
「嫁姑のうっぷん」「子供のうっぷん」と
よくぞ、まあここまで
「うっぷん」を集めた! って感じなの!

どっちが正しいということは一切なしでそれぞれの立場の
言い分と状況のみでドラマは展開します。

だから「リアル」よ〜。
ま、ドラマだからもちろん「大袈裟」なことはあるけど
それは「いいじゃん」!

みんな「文句」ばっか、言ってるの!

私だって独身時代は「トレンディードラマ」見てましたよ。
「カンチ!」とか言って。
でも、子供を産んでよ〜くわかったの!

「トレンディー? ちゃんちゃらおかしいぜ!」
だって、「生活」ってそんなことじゃないんだもん。
そりゃあ綺麗なセリフにうっとり! っていうのもいい。
でもねぇ‥‥。
もう、ある意味「しらけ」ちゃってたのよ‥‥。
あの頃は‥‥。
今は通常レベルの「子育て」してますから
「恋愛もの? いいね〜〜」という気持ちですが。
それでも「かっこいい男」と「綺麗な女」の話に
「共感」するには「現実」を知りすぎてしまったみたい。
相変わらず、トレンディードラマは見ないな〜〜。

とまあ、そんな感じで見始めた「渡る世間は鬼ばかり」。
出演者がとっても豪華です!!

言うまでもないけど
「渡鬼ファミリー」と呼ばれる面々のほかに
草笛光子さん、井上順さん、神田正輝さん、船越栄一郎さん
森光子さん、京唄子さん、大和田獏さんなどなど・・・。
過去には杉村春子さんや木の実ナナさん、
TOKIO、赤坂くん、内海くん、東山さんなどの
ジャニーズの方々なども出てらっしゃいました。

ちなみに東山さんは「記憶喪失の青年」役でした。

そうそう、あの唐沢さんが
4女の「葉子」の夫役だったことも!
離婚したんですけど。
夫役と言えば、浜木綿子さんのご子息の香川さんが
5女の「長子」の夫だったこともありました。
亡くなってしまって、今の夫は植草さんです。

ここまで、シリーズが長くなると
「離婚」「再婚」「死別」なんてことが
実生活のようにあるんですね。

例えば主人公がいろいろあって「離婚」して
また恋をして「再婚」して、そこで成長をする。
それに主人公が自分なりの意味を持たせて終り。
っていうのが、通常のドラマのように思うんだけど
「渡鬼」は違います!
「離婚」「再婚」「死別」のたびに泣き笑いはあるけど
相手がかわっても人間は変わらないんだな〜って
そんなことを教えてくれます。
だって、本当に文句が多いんだもん!!

でもね、浮ついた表面的なドラマよりは
よっぽど人間を描いてますよ!!

で、なにより私が気に入ったのは
「ベッドシーン」がない! というとこ。

子供がいても安心して見れます!
時々、ドラマのCMでも、
どぎついシーンがあったりするけど
あれはルール違反よね!

「渡鬼」はホームドラマの王道です!
ここまで永く支持されているのが
何よりの証拠でしょ!

最近のシリーズは見てなかったんだけど
この春からはちょっと見てみようかなって思ってます!

次女役の泉ピン子さんの嫁ぎ先の中華料理店「幸楽」の
インスタントラーメンも発売されるそうなので
みなさんも是非、食べてみてね!

「渡る世間は鬼ばかり」の面白みが
わかるようになったってことは
わたしも一人前の「主婦」ってことかしらん?
これで、いいのよ!!



貫かれる主婦のリアリティー。
子育てや家事に追われる身にとって、
「渡る世間は鬼ばかり」とは、
「スカッ」とするものであったのだ。
しかも、これだけほめておきながら、
「最近のシリーズは見てなかった」と
さらりと言ってのけるスタンスも痛快である。
次回の「ほめ道」もおたのしみに。

イラスト:さとうみどり

2004-03-23-TUE


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