ほめ道を往く。
「ほめられて伸びる派」のためのページ。

人はほめられてこそ伸びるといわれます。
つまり人をほめることは、
人を伸ばすことにほかならないのです。
人が人のためにほめる。
「ほめる」と「伸びる」の
コール&レスポンス。
ああ、なんとすばらしいことでしょう。

ところで、人が伸びるのはわかりましたが、
「動物」はどうなんでしょうね?
今回のテーマは「しまうま」です。
ごゆっくりどうぞ。



第十九回
しまうまをほめる。
〜己とは〜

私は意外と動物好きです。
毎週「動物奇想天外」は欠かさず、見てます。

アフリカの羽仁進監督からの
レポートは、それは見応えありますね。

トラ、ライオン、象、きりん‥‥。
大自然の中で生き抜く野生動物たちの姿は
本当に感動的で、毎回、涙なしでは見れません。

だいたい、地球上には私たちが知らない生き物が
とてもたくさん存在しているのに
わたしたちはそのことにあまり気付いていません。
知識として知っていても、
人間が地球に関して一番詳しい生き物だと
思っているように見えます。

わかりませんよ〜〜。
ひょとしたら「アリ」とかのほうが
人間の数倍偉くて、私たちのことを
馬鹿にしてるかもしれないし、
わたしたちが実は「アリ」のような存在で
誰かに上から見られてるかもしれないのだから!!

そんな難解なお話を踏まえ、
「しまうま」
みなさん、好きですか?

アフリカに生息する「しまうま」。
あの白と黒の縞模様、あれは味方同士が
お互いによくわかるためだそうです。
と言う事は、敵からも見えやすいと思うでしょ?

違うんです。
群れになってるから
あの「白黒」の固まりがダーっと広がっています。
そうなるともう、
怖くて近寄れないみたいなんですね。

だから、一匹きりになることは、とても恐い事です。

それに、「しまうま」は柄からもわかるように
「白」「黒」両方を選んで生きています。
この生き様、なんて素晴らしいのでしょう。
とかく、この世は「白、黒つけたがりすぎ」ます。
「白」でも「黒」でもないとき「グレー」とか
中途半端な逃げ道まで作ったりして!

そんなずるいやり方はしませんよ!
「しまうま」は!!

「白」でも「黒」でもない場合
「白」と「黒」が混ざるのではなく
両方が独立して、存在してるんですよ!
「どっちでもない」けど「どっちでもある」!!

ようするに夫の事を
「好きである」し「好きではない」のと同じ
二つが混ざって「普通」にはならないのよ!
ああ〜〜。深い。
深い話です‥‥。

そんな美しい柄がとかく、話題になりやすい
「しまうま」ですが
ちょっと、信じられないことを聞いてしまいました。
「うま」と「しまうま」って
実はあまり関係がないらしいんです。
「人」と「猿」は生物学的には「似てる」のですが
「うま」と「しまうま」は
それ以上にちがう生き物らしいのです。

ねえ、どうゆうこと?

それで家にある図鑑で調べてみると
どこにもそんなことは書いてなかったのですが
まず項目が分けてありました。

「うま」は「身近な動物」で
「しまうま」は「外国の動物」と題されていました。

ますます、謎は深まりますが、まあ、いいでしょう!

とにかく、ここではわたしなりの考えとして
「うま」と「しまうま」。これは、別の生き物です!

それを知ると、これは大変なことになりました。

みなさんも
「同じ人間なのにこの生き方は理解できないな」
と感じることって、あるでしょ?

「好き嫌い」だけの問題じゃなく
例えば「接点」がもてない感じ。

自分と関わる人ってどっか、
自分と似た感性ってあるじゃない?
でも、全く歩み寄れない、どんなに知っても分からない人。

それって、「しまうま」と「うま」なんじゃないのかな?

「しまうま」だって動物園じゃ「うま」扱いでしょ。
「うまコーナーの近くにしまうまコーナー」だってあるもの。

外見が似てるというだけで同じククリにされて
きっと、「しまうま」は「何か違う」って思ってるはずです。

そう、あなたが
「ここに居る自分、何か違う」と思ってるように!!

ああ、かわいそうな「しまうま」。
もともと家畜としての「うま」と
アフリカ生まれの野生の「しまうま」とじゃ
ひとつ屋根の下、暮らすなんて、所詮、無理な話。
悲しいけど、お互いの将来のためにその事実を
認めなければいけません。

「しまうま」は「しまうま」じゃなく
「ゼブラ」として生きる方が似合ってるのよ!!

「ゼブラ」の生きる道をもう邪魔してはいけません。

「しまうま」そう呼ぶ限り、「うま」として
自分を偽り続けなければいけない「ゼブラ」。

きっと、「自分探し」しているはずです。

どうか救ってあげてください!!
「しまうま」が「ゼブラ」と呼ばれれば
私たち人間もきっと新たな「発見」があるでしょう。
あなただって、呼んで欲しい
本当の姿があるのではないですか?
心当たりのある方、「自分探し」の最中の方
ひっくるめて
「ゼブラさん」とお呼びしたいと思います!

次回、動物園にお出掛けの際は
「ゼ〜ブ〜ラ〜」と呼びかけてあげてください。
そして、余裕があれば
「オカピ」も見に行ってください。
関係ないけど、かわいいんです。これが。
「ピ」で終る名前なんて、あんまりないよ〜〜。



「しまうま」の話をしていたはずなのに、
いつの間にやらテーマは「自分探し」。
あいかわらずの「ほめ道」テクニックに、
翻弄されっぱなしです。
さり気なく「夫」に触れているのも
いつもながら高度な技術。
主婦層からの人気が高いのもうなずけます。
それでは、また来週。

イラスト:さとうみどり

2004-02-17-TUE


戻る