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2017-06-24

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・もうじき14歳になる我が家の犬、ブイヨンについて。
 なにかと思うことがある、
 しばらく前までは、こんなふうじゃなかったなと。

 まず、いちばん大きく変わったのは、
 ボールで遊ばなくなったことだ。
 ごはんは忘れても、ボール投げと散歩は忘れない。
 そういう犬だったはずなのに、
 ぼくが投げたり転がしたりしたボールを、
 追いかけに行かなくなってしまった。
 100万回でもやり続けていそうだったものが、
 3回とか2回とかに減ってしまって、
 とうとう1度もボールをとりにいかなくなってしまった。
 ぼくは、ブイヨンは猟犬を卒業したんだ、と思った。
 ボールというかたちをしたキツネを、
 狩りに行くのがこの犬の仕事だったのだけれど、
 定年になって、退職するときがきたのだ。

 いちばん好きだと思っていたボール投げを、
 やめられるなんてことが、すぐには信じられなかった。
 仕事をやめて、悠々自適に生きるということか、
 そういうふうに見直すことにした。
 このころから散歩の距離も減って、
 歩く速さもずいぶん遅くなってきた。
 食べることに強い興味のない犬だったのだけれど、
 打って変わったように、ごはんに執着するようになった。
 欲望が、シンプルになったとも言えそうだが、
 おやつを欲しがる回数が増えてもきたし、
 歩きながら「ひろい食い」の機会をうかがっているのは、
 なかなか困ったものだとは思う。

 もともとぼくの外出を見送るのは好きじゃなかったが、
 出迎えのために駆けてくることは、よくあった。
 いまは、そういうことは、ほとんどない。
 駆けてこないし、親しみをこめた飛びつきだとか、
 からだを寄せてくることもなくなったと気づく。
 他人行儀になったとも言えるけれど、それはそれでいい。
 にぶくなった動きも、食いしん坊ぶりも、
 まとめて、うちのコのかわいさだ。
 長い付き合いだけれど、まだまだ足りないよ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
これから犬といっしょに、なにができるのか考えてみてる。

土曜日、日曜日と祝日の「ほぼ日」は9時に更新しています。
昨日の「今日のダーリン」を読み逃した方はこちら。


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