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2017-06-20

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・同じようなことをコツコツとやっていると、
 だんだん上手になっていくかもしれない。
 慣れてきて、出来が安定していくこともあるだろう。
 習慣化させるというのは、とても大事なことだ。
 ただ、同じようなことをコツコツやっていると、
 困難もなくなるかわりに、驚きや刺激がなくなって、
 無意識が退屈してくることもある。

 だいたい、なにかものをつくるときには、
 だれか特別な人しかつくれないようなものは別として、
 練習すればだれでもできるようにしていくことが多い。
 だれかが休んだら、すべてが止まってしまうのでは、
 確実に供給ができなくなってしまうからだ。
 それは、それで正しいあり方なのだろうけれど、
 どうしても、おもしろさは減じてしまう。

 昨日、青森で「ねぶた」の制作現場を見学していて、
 優れた作家の方の、すばらしい意図を感じて、うなった。
 「ねぶた」は、細めの木材で骨組みをつくって、
 そこに立体的に「描線」にあたる針金を巻き付け、
 さらに針金の生みだした平面に、奉書紙を張っていく。
 同じようなかたちが淡々と続くような面は、
 どうしても、ただコツコツやるだけになりがちだが、
 ぼくの見学させていただいた「ねぶた」は、
 どこか複雑で、考えながらでないと紙を張れないような、
 問いかけがあちこちに仕掛けてあった。
 単純作業をくり返していても、制作は進展しない。
 つまり、制作チームのおおぜいの人たちに、
 退屈させないようなかたちが用意されているのだ。

 そういえば、編みもの好きな人たちが、
 「三國万里子さんのデザインは、編んでいてたのしい」
 と言っていたのを聞いたっけ。
 「編みながら、感心したり、驚いたりするんです」と、
 編む人がうれしそうに語っていたなぁ。
 「ねぶた」の作家さんたちも、制作の仲間たちに向けて、
 そういう「驚きや刺激」を味わせたいのかなと思った。 
 祭りの準備なんだから、おもしろくなくちゃねとか‥‥。
 ちょっと難しい仕事って、つまりは「問いかけ」なので、
 それを解くことが、わくわくしちゃうものなんだよね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
そういえば、ぼくらの日頃の仕事も、問いかけだらけだね。


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