へなちょこ雑貨店。
一寸の虫の五分のたましい物語。

第4回 飽きるものはイヤだ

まいど、ご来店ありがとうございます。
って、あの、26は実在しておりますので、
よろしかったらお店にも足を運んでくださいましね。

とにかく「店を開く」をやってみようと
決定したわたしたちの、
第2回 企画会議の議題は、当然のように
「なに売る?」でございます。
ではまず、
これからのわたしたちにいちばん大切なことはなに?

それは、飽きないこと(自分たちが)。

これもまた成人した人間が2人、
ガンクビ揃えて言うセリフではないな。
たまには「お客さまの喜ぶ顔が見たい」、とか
言ってみろってんだ。
でもどうやら、そういうことばは、
自分たちがやろうとしていることへの、
ある程度の自負がないと出てこないみたいです。
おこがましいとはこのことです。

わたしたちは、今後メシを食っていくために、
脱力しなくてすむ方法を探していました。
でも、脱力する前に、
どちらかが飽きてしまう可能性も否めない。
おたがいの人間性を知っているだけに、
もし飽きてしまったら、もう片方が
「もうちょっと、やろうよ」と説得してまで
続けることはないんだろうな、と思ったんです。



わたしたちは、今現在にいたるまで、
どちらかが、相手を「説得する」ということを
したことがありません。
ツー・カーでいかないような事柄は、
なしとするという感覚は、あまり多くの人と
共有できるものではないと思います。
遠慮して意見を言わないんではなく、
「シンパシー」のお話なんですが。

だったら、2人でやる店には、
2人が好きなものを扱っていこうじゃないか、
ということになるのが、
わたしたちの間では自然な流れでして、
「なになら、売れるのか?」なんて、
その時は考えちゃいません。

そういうビジネスライクな発想や、
「面白いものを世の中に紹介していきたいから」なんていう
キモチがあるわけじゃないところが、
今日のへなちょこポイント。
好きなものを扱っていくといっても、
好きだから商品として扱いたいというのではなくて、
まず「売る」ということを
なりわいにしてみることにしたのが先で、
「せっかく売るなら好きなものを」という順番であります。

もちろん、ビジネスとして、
やっていくつもりなんですけどね、
「ビジネスの成功」が当面の目的ではないって
言ったらいいかしら。
「ビジネスとなる日を、いつか迎えることが目標」
というか。
開店してすぐ、いくらかの売り上げを出すために、
単に売れるだけのものを扱うのは、
「飽きる」危険性が増すと思ったのです。
それだったら、ある期間
自分たちがいいと思うものだけを扱って、
何年かやってみて、どうしても生活の手段にならない、
ダメだ、これはとなった時に、
臨機応変に路線変更をすればいいんじゃないか、と
考えました。

好きなもの、という表現を多用していますが、
わたしたちは「こだわり」っていうことばが苦手なんです。
なんだか、頑固一徹、
後戻り禁止っていう感じがしてしまうのです。
それだったら「臨機応変」の方が、
いつか、なんとかなりそうです。
本当に行きづまった時に、
べつの道を選べばいいじゃん、と、
どちらからともなく言っていたのを思い出します。
その前に飽きてしまうのは、いやだった。
飽きるのは、こわいですなあ。

じゃあ、2人とも好きで、飽きないものって、なんだろう?

(つづく)

※文中、太字部分は、編集部へなちょこ番によって、
 施されたものです。



「Press It-Seal It」
押さえ付けろ!封をしろ!
ナメいらず!
スグ封できる!
ご家庭にも!オフィスにも!
なんでも使える!
しかも中が透けない!
等々、てんこもりですが、
つまるところ、白い封筒です。

2000-06-18-SUN

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