SAITO
もってけドロボー!
斉藤由多加の「頭のなか」。

女王口調のシーマン

むかし、東芝EMIのディレクターをやっている知人が、
日本でトップクラス(?)のSMの女王様5人の調教の模様を
CDにして発売したことがあります。
スタジオで彼自身が奴隷役となっての
壮絶な生録音だったわけですが、
このテープを聞いたらなかなかおもしろかった。
SMというのは鞭とかロウソクとかの世界だと
思っていたのですが、それは大きな間違いでした。
SMって「ことば」なんですね。
音だけなので顔は見えないですが、
実にチャーミングな声をした女王様が、
まさに「アメとムチ」で、聞く者の心をゆさぶります。
上ったり落とされたり、
それはまるでジェットコースターのよう。

実は、シーマンを初めて発売したときに、
「あれはSMだ」とSM系の人からいわれたことが
複数回ありました。
自分たちは意識していなかったのですが、
「そうかもしれないな・・」と思った次第です。

シーマンっていうのは、妊娠したり、産卵したり、と
生物学上は雌雄同体、となっていますが、
セリフの視点はやはり男です。
でも、男の視点だと、どうしてもできないこと、
というのがあります。
ほどよく女王様的なセリフで、飼い主を翻弄したい・・
ずっと以前から、それをやろう、と決めてました。
それが今回のバージョン。



水槽という閉鎖空間だけでは、
「通りすがり」という存在がありえない。
しかし、さいわい今回の育成キットには
「海」というオープンスペースがありましたので、
女性(?)のシーマンを登場させることが
可能ということになりました。
で、声優はどなたにお願いしようか、となるわけです。
これはわたしの直感で
「山咲千里さんしかいない!!」
ということになり、知人の紹介でお願いしてみました。

お会いした千里さんは、実に聡明な方で、
意図を理解してくださり即快諾してくださいました。
どちらかというとクリエーターといいますか、
実に多彩な声が出せる人で、レコーディングも、
実験にあふれた実に楽しいものでした。
まるでキャンバスに声を貼り付けてゆくような感じ・・。
この山咲千里シーマンが、
はたしてどんなかたちで登場するのか、
はたまたどんな会話を披露してくれるのか、については、
また機会をあらためてご紹介することにしますけど・・・。

シーマンに関する情報は こちら(www.seaman.tv)まで。

2001-11-18-SUN

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