SAITO
もってけドロボー!
斉藤由多加の「頭のなか」。

病院の情報誌

今日は、午前10時から人間ドックのための事前検査で
採血をすることになっていたのですが、
またも病院で待たされているうちに、
短気な私はキャンセルして帰ってきてしまいました。
私は、待たされることがひどく嫌いな性質なもんですから、
何の予告もなく一時間もまたされると、
怒って帰ってきてしまう悪い癖があります。

働き盛りの三十台、四十代は、
重い病気の発見が遅れがちといわれています。
しかしそれは、あながちこの世代が健康に無関心だから、
とはいえません。具合が悪くても、
ついつい仕事を優先させてしまうのは、
病院があまりにも平然と
「延々と待たせる」からと考えたりします。

病院というと、どうしても「待たされる」という
印象がありませんか?
平日で1時間は待たされます。
いれた「予約」が予約になっていないのが病院です。
いつ呼ばれるかわからないから、
席から離れるわけに行かない、
それが病院です。
やむなく会社を休んで待っていても、
今日の診察はどれだけ時間がかかるか、
誰も教えてくれない、
それが病院です。
処方された薬がいったい何なのか、
まったく教えられないまま、
服用することだけを命令される、
それが病院です。
自分の払った金額が、
いったい何にかかったものなのか、
適正な価格なのかどうか、
費用に関してまったく説明がないのが病院です。
これから施されようとしていることが、
どれだけのリスクで、ほかにどれだけの選択肢があるのか、
一切教えてくれない、それが病院です。

とにかく、よく考えてみると、
一般のサービスでは考えられないようなことが
平然とまかり通っている、それが病院ということになります。

ホスピタルのホスピタリティーは
なぜここまで酷いのだろう・・・。
その理由は、いうまでもなく競争がないからでしょうね。
スーパーマーケットが24時間やっている時代でも、
競争する必要がないサービスは
どんどんと時代錯誤を突き進みます。
だから働き盛りの人ほど、
病気の発見の機会を失うでしょう。

**********************

病院を待てないのは本人の勝手と
いわれてきた時代がつづきましたが、
病院のサービスが悪いのはやはり病院のせいです。
そうでもしないと何も改善されない。
最近、病院の情報誌ができれば、いいのにな、と思います。
比べて選べるようになってから、
ようやく病院は開放されると思うのです。
封印されたサービスを改善するのは、
告発するのが得意な「週刊誌」よりも、
むしろ比べて選
ばせる「情報誌」しかないのでは? という話でした。

2001-02-18-SUN

BACK
戻る