SAITO
もってけドロボー!
斉藤由多加の「頭のなか」。

ホームページの悲劇・そば屋の悲劇

最近とみに、URLやメールのドメインは
かっこよくなければならないと思うようになったのですが、
その話をします。

広告やタウン情報誌にも店のURLが
併記されるようになりましたが、
ちいさな店は固有のドメインをもっていないから、
プロバイダー名のあとに、
長々とアルファベットが続きます。

GAP.comみたいに、「一発で覚えられる」という企業は
ほんの一握り、悲しいかな、
あとはメモをとるのもうんざり、といった長いものばかり。

URLは既得権だから、日本で使えるドメインは
いやが上でも長ったらしくなる。
インターネットが普及すればするほど
アメリカ企業が得をするわけで、
だからアメリカはずるい・・・・と思ったりもします。

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最近、「漢字.com」が登録できるようになって、
こういった状況は回避されるのかな、
なんて考えながら新宿の某ビジネスビルのそば屋で
昼食をたべていたら、やけに誇らしげに

「当店がホームページに載っています」

というポスターが貼られていました。

長ったらしい英文字が「かたまり」のように並んでいたので、
読む気力も起きなかったのですが、
つい、どこのプロバイダーを使っているのか興味がわいて、
そのとき撮ったのがこの写真です。



撮影してはじめて気づいたのですが、
ここにあるのはインターネットのURLではありませんでした。
ホームページの制作者がデータを保管していた
自分のハードディスクの場所の情報を
あやまって教えてしまっようのです。
(ここからわかることは、ホームページ作成者が
 IBMのホームページビルダー云々をつかって、
 “Zenkoku”というページを
 テンポラリーフォルダーにデータ保管していた、
 というこです・・・・。)

このお店の人はこの「かたまり」をURLと信じて、
一生懸命ポスターをつくったのでしょう。

このことを女将らしき店のおばさんに
あれこれ手を尽くして説明したのですが、
最後まで理解してもらえなかった。

しかし、皆さんはこの話で一番の悲劇は何だと思いますか?

IT企業が多くはいっているこのビジネスビルで、
誰一人として、この間違えに気づいてくれなかったことと
私は思うのです。

誰も指摘してくれないまま、
このポスターはおそらく今も誇らしげに
貼られているのでしょうから・・・

やはりURLは短くてカッコイイものでないとならない、
と勉強になった昼飯だったのでした。

2001-01-19-FRI

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