hawaii
ほんとうにほんとのハワイ。

■Vol.47 ハワイの宗教
変わりつつあるハワイ


いまのハワイ人のものの考え方は、
ほとんどアメリカと同じになっています。
ハワイならではの博愛の精神や、家族を大事にする
アロハ・スピリッツはいまだ健在ですが、
それも残念なことに、少しずつ薄れてきています。

かつて、ハワイ人は力がなかったため
自分たちの土地を失いました。
文化は抑圧され、いまのハワイ人の多くは
すでに自分たち本来の文化をよく知らずに生きています。

ところが、最近それも変わりはじめました。
人々はもう一度、ハワイの文化を
手に入れようと動き出しました。
昔のハワイの文化はすべてのものの
調和がベースになっていました。
バランスと調和を重視しない
外国の文化が入ってきたとき、
ハワイ人は信じているものを
隠さなければいけない境遇に追いやられました。
でも、一部の人々は、いずれ時が来れば
自分たちの文化を再び取り戻せると信じました。

1974年、カフナがその伝統的な仕事を
再開してもいいという新しい法律ができました。
いま、ハワイに新しい建造物などができると
キリスト教の牧師と一緒にカフナが呼ばれ
神に祈り幸運と繁栄を祈願します。

このような新しい法律ができたことは
ひとつの大きな前進だと思います。
けれど、その一方で
偽物のカフナもたくさん現れ始めました。
以前にもお話ししたように、
カフナになるのは血筋と、
非常に時間のかかる厳しい修行が必要です。
いまハワイには、そういった修行もしていない
偽物のカフナが大勢出てきてますが、
見ただけでは本物かどうかはわかりません。
そればかりか、本物のカフナを見極められる人間さえ
すでにほとんどいないのです。

90年代になって、カフナを信じる人や、
昔のことを本当に知りたいという人たちが
急速に増えてきました。
そして、ようやく永い間の禁を破り、
古い知識を持つ人たちが少しずつ語り始めたのです。
フラやハワイ語、星をよむナビゲーション、
ハワイアン・チャントなど様々な文化が、
にわかに活気を帯びてきました。
ひとりの若いハワイ人として、
ハワイ人であることが恥ではなく
誇りと思える時代に生まれたことを、
私は幸運に思っています。
そして、異国のみなさんとこうして
アロハス・ピリットをシェアすることは、
私たちの先祖がまさに
大切にしてきたことなのだと思っています。

2000-11-21-TUE

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