hawaii
ほんとうにほんとのハワイ。

■Vol.36 ハワイの伝説
Noenoe Ua Kea O Hana
「ハナに降る霧のような優しい雨」


次にご紹介するふたつの伝説は、
マウイ島の東に位置する
ハナという場所にまつわる物語です。
ハナはその美しい景観だけでなく、
ハワイの伝統的な文化を現代に伝える
土地としてもよく知られています。

ハナの美しさを最初に見つけたのは、
勇敢でいたずら好きな半神マウイだといわれています。
彼は薄紫に煙る霧のような雨が
海を撫でハナの浜にやわらかく降り注ぎ、
虹をつくりだす様を見るのがなによりも好きでした。
娘が生まれたとき、マウイはその一番愛する風景を
娘の名前に選びました。
“Noenoe Ua Kea O Hana”
(ノエノエ ウア ケア オ ハナ)
ハナに降る霧のような優しい雨という意味です。

ノエノエは幼いころから海を愛し、
美しい娘に育つまで多くの時間を
ハナの浜で過ごしました。
ある日、彼女はいつものように浜に出かけ
そこで逞しい青年、カウイキに出会いました。
メネフネに育てられたというカウイキは、
海の中で生活する不思議な若者でした。
メネフネたちは、カウイキを海の神カナロアからの
贈り物と考え大切に育てたのです。

ノエノエとカウイキは
初めて会ったその瞬間から恋に落ちました。
しかし、カウイキはいずれ
海に帰らなければいけない身です。
ふたりはどんなに愛し合っていたとしても
決して一緒にはなれない運命でした。

カウイキへの想いに苦しむノエノエは
ついに父マウイに、
その何事をも可能にする不思議な力で
カウイキと永遠に
一緒にいられるようにして欲しいと哀願しました。
マウイは、ノエノエの瞳の中に
彼女の悲痛な決心を見てとりました。
ノエノエの願いを叶えると、
マウイ自身も愛する娘を失うことになってしまいます。
けれども一心に頼むノエノエの心がわかったマウイは
その願いをきいてやることにしたのです。

マウイは、カウイキをハナの海岸を見下ろす
小高い丘に変え、ノエノエをその名の通り
霧のような雨に変えました。
自らの手でそうしたとはいえ、
娘を失ったマウイの心ははり裂けんばかりでした。
しかしマウイは、雨になったノエノエが
最も愛するカウイキの丘に優しく降る、
その幸せそうな姿を見れば
自分の心もいずれは癒されることを知っていました。

ハナでは何百年も経ったいまでも、その頃と変わらず
薄紫に煙る美しい雨が
カウイキの丘をやわらかく包みこむように
優しく降っています。

<To be continued>

2000-09-28-THU

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