ほぼ日ハラマキ PRESENTS しょうがの お勉強。
しょうがの先生に質問編
その11 石原結實先生にお会いしました(前編)

みなさーん、ほぼにちわ!
まだまだ寒い日がつづきますね。
去年の11月からはじめた「しょうがのお勉強。」ですが、
寒さが増すにつれて、
あちらこちらで「しょうが」の話を
耳にするようになりました。
やっぱりみなさん、「しょうが」を求めているんですねー。

さて、しょうがのことは大好きだけど
あいかわらず知識は人並みなわれわれが参考にしている
「しょうがの本」に、こんな一冊があります。


『生姜力』
主婦と生活社/1260円(税込)

ご購入はこちら

著者は石原結實先生という方です。
くわしいプロフィールはこちらからどうぞ。

「しょうがは身体にいい」
「しょうがにはあたため効果がある」
「具体的なしょうがの摂り方」などが
わかりやすく簡潔にまとめられていて、
とても勉強になる一冊なんです。

この本の中で著者の石原先生は、
「しょうがに興味をもったのは30年ほど前」
ということを書かれていました。
30年前‥‥。
糸井重里もずいぶん前から
「しょうがはあったまるんだよ」
と言い続けていましたが、石原先生は30年前から‥‥。

「この先生にぜひいちどお会いしてみたい!」
という気持ちで実現したインタビュー、
3回にわけてお届けいたしまーす。

ほぼ日 『生姜力』、読ませていただきました。
石原先生 そうですか、ありがとうございます。
ほぼ日 そもそも石原先生が最初に
「しょうがはすごい」と気づいた、
きっかけはなんだったのでしょう。
石原先生 クリニックを開業してから、
独学で漢方医学の勉強をするようになって
漢方薬を使うようになったんですが、
その成分を見てると
ほとんど、しょうがが入ってるわけですよ。
ほぼ日 それが30年ほど前。
石原先生 ぼくらは漢方薬を
200種類くらい使ってるんですが、
そのうちの150種類くらいは
しょうがが入っているんです。
ほぼ日 そんなに。
石原先生 「これは」と思ってね。
しょうがをいろいろ調べてみたんです。
まず、英語の辞書で「ginger」って引いたら、
「意気」「元気」「気力」
って出てきた。
ほぼ日 へえ〜、ジンジャーにはそういう意味が。
石原先生 意気、軒高(けんこう)、元気、気骨。
ピリッとしたところですね。
だから「There is no ginger in him」
っていうのは、
「彼には気骨がない」
みたいな意味になる。
ほぼ日 知りませんでした、
「ginger」はそういう単語だったんですね。
石原先生 この「ginger」が動詞になると、
「鼓舞する」とか「刺激する」とか
「元気づける」ってなるんです。
ほぼ日 へえー、動詞としても使われているんですか。
石原先生 イギリス人というのは、
しょうがの効能を古くから知っていたわけです。
14世紀にペストが大流行して
ロンドン市民がたくさん亡くなったとき、
しょうがを食べていた人は
ずいぶん命が助かったらしいんですね。
それを知った16世紀の国王・ヘンリー八世が、
「イギリス人はしょうがをもっと食べなさい」
と促して食べられるようになったのが、
ジンジャーブレッドだと言われています。
ほぼ日 ジンジャーブレッド。
いまでもありますよね。
石原先生 あります。
人形の形をしたね、ジンジャーブレッド。
ほぼ日 へええ〜、なるほどぉ。
そういう歴史とかしょうがの効能を、
石原先生は、お医者さんになってから
気がつかれたわけですね。
石原先生 そうです。
ほぼ日 それから、しょうがをすすめるようになったと。
石原先生 そういうことですね。
ほぼ日 やはりしょうがには、
かなりあたためる効果があるのでしょうか。
石原先生 そうですね。
「ginger」をローマ字読みすると、
「ジンゲ」って読めるでしょう?
ほぼ日 はい、ジンゲ。
石原先生 ジンゲロール、ジンゲロン。
これに熱を加えると
ショウガオールになるんですけど。
これが辛味成分なんですね。
まず血管拡張して血圧を下げる。
それから、血栓を溶かす。
脳の血流をよくする。
便通をよくする。
消化力をよくする。
抗酸作用、解熱作用、
食中毒にも効果があるとか、
いろいろあるんですよ。
その中でいちばん強い作用が、
やっぱり血管を拡張して血流をよくして
体温を上げることなんです。
ほぼ日 体温を上げる。
石原先生 直接副腎に刺激をして、
副腎髄質からホルモン出させます。
これが代謝をよくするんですね。
しょうがには強心作用もありますから、
そういうことが一緒くたになって、
うんと体をあたためるわけです。
ほぼ日 なるほど。
石原先生 西洋医学のお医者さんに、
「私、冷え性なんです」って言っても
「そうですか」って言われるくらいでしょうけど、
漢方ではそこを重要に考えていて、
2000年も前に書かれた本に
『傷寒論』っていうのがあるんです。
ほぼ日 ショウカンロン?
石原先生 「寒さに傷められて起こった病気を論ずる」
という意味があるのが、『傷寒論』。
これが漢方の基本なんです。
漢方医学というのは、
「冷え」をどうするかの学問と言っても
いいかもしれません。
ほぼ日 「冷え」が中心にある。
石原先生 たとえば風邪っていうのはその時代、
「万病のもと」だったわけです。
そのために最初に出てきたのが、
「桂枝湯(けいしとう)」という風邪薬なんです。
これは、しょうがに、ニッキ、芍薬でできた薬。
これに葛根(クズの根)と
麻黄(マオウ)が入ったのが、
「葛根湯」というわけです。
ほぼ日 葛根湯。
いまもみんながよくお世話になってる。
石原先生 そう。
葛根湯っていうのは、
飲むと30分くらいすると汗が出てきます。
ほぼ日 はい、出てきますね。
石原先生 汗が出てくるころっていうのは、
体温がだいたい1度上がったときなんです。
1度上がると免疫力が5倍くらいになる。
ずっと5倍じゃないですよ。
刹那的に免疫力が上がるんです。
でも刹那的でも、1日1回、
汗をかくようなことをするのは
やっぱり大切なんです。
ほぼ日 しょうがで汗をかくのも‥‥
石原先生 もちろんいいことです。
ほぼ日 あたためるという意味では、
トウガラシなんかも「カッ」としますが、
どういう違いがあるんでしょうか。
石原先生 いや、同じだと思いますよ。
血管拡張するんだから。
ほぼ日 そうですか‥‥。
でもトウガラシはなんかこう、
ちょっと痛い感じがしますよね?
ヒリヒリ辛いような。
石原先生 そうですね。
ほぼ日 しょうがのほうがやさしいというか、
じんわりくるような。
石原先生 うーん、あたためる効果は同じなんですが、
さっき言ったように、
しょうがはたくさんの漢方に使われていますから。
でも、トウガラシは使われていない。
ですから薬効という意味では、
トウガラシよりもしょうがのほうが
いいものなのでしょうね。
ほぼ日 なるほど、
あたためる効果を中心にしながら、
しょうがには他にも健康にいい効能が
たくさんある、と。
石原先生 そういうことです。
ほぼ日 しょうがの様々な薬効については、
石原先生の本、
『生姜力』で勉強させていただきました。
すごいですよね、
酔い止めにも効くとかで。
石原先生 そうです、酔い止めにも効くんです。
だからイギリスなんかでは、
抗がん剤を摂取したときの吐き止めとして
しょうがを利用してるんですよ。
ほぼ日 はぁ、そんな使われ方も‥‥。
とにかくもう、石原先生の本には
そういった効能の紹介から、
実際にしょうがで元気になった人の体験談とか、
しょうがを使ったレシピも載っていますので、
ぜひこれは、たくさんの方に
読んでもらいたいです。
石原先生 そうですね、
読んで、生活に取り入れてもらいたいです。
(つづきます!)

2010-03-10-WED

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