ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

439.ていねいに。

そうだよなぁ、と思うなぁ。
現場とか、いっちょその時、とか、クライマックスとか、
そういうときには、集中力もあるし、
力を発揮しやすいんだよね。

しかーし、そのあとの、なんでもないときに、
どうしているかってのが、かなり重要なんだよねぇ。
わかっちゃいるけどできないことの、典型的なんだよなぁ。

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「えらそうに一言」

一連の仕事のながれのなかで、
ここ一番、というところがあるよね。
医療でいえば手術なんかだとおもう。
こういうときはみんな緊張してるから
ミスもすくないとおもう。
段取り7分というから最初の手順もキチンとやるだろう。
問題はあとの処理だ、
やれやれ、という安堵の気持ちが
いくらかでてしまうのがふつうだろう。

「勝ってカブトの緒をしめよ」と諺にあるように
次の手がたいせつ。
商売なら引続いて買っていただくための方法、
戦争なら平和がもどってからの政治、
恋愛ならうらみつらみを残さない別れ方、
脱線しちゃったけど医療現場で
体内へのメスなどの忘れ物なんかは
この、やれやれ、をみんなが一斉にしちゃって
誰もきがつかないことからおこる。
「さぁ終わったぞ、これからみんなで打ち上げだ!」
患者の体内でハサミが叫ぶ
「まだ終わってねぇぞっ!」

治療効果をあげるために
チーム医療がさけばれはじめたそうだが
ここに落とし穴がありはしないか。
とかく日本人は責任を取りたがらないといわれるが
おおぜいが参加して事に当たると
どこでミスが生じたのかわかりにくい。
そこへさらに無責任が加わると
ワリをくうのは患者になっちゃう。
「わたしたちは一生懸命にやったのに
 あの患者さんったらいうことをきかないのよ」
なんて人のせいにしないでもらいたい。

ささいな事を大事にしょうとつとめてきたが
どうしても見落としてしまうことが多い。
その結果余計な仕事が増え
納期のおくれなど信用にもキズがつく。
これ、ガンジーの反省してるところだ。
せっかくつかんだいい取り引き先を失ってしまう。
だから常に新規の客をもとめて営業を強化する。
でもザルで水はすくえない。
のどのつまりが、あ、ちがった!とどのつまりが
拡大破滅ということで悲惨な結末でした。

諸君は、弁慶と義経がご飯粒をつぶしてノリを作る話を
しってるだろうか。
弁慶は力任せにご飯粒をすりこぎで押しつぶし
あっという間にノリをこしらえてしまった。
だがあとで出来あがった義経のものとは雲泥の差。
あわてて弁慶はつぶし残したご飯粒を
やりなおしにすりつぶしはじめたがその時間のかかること。

義経ははじめからていねいに
一粒ずつつぶしていったんだね。
2度手間と事後の不始末は気をつけよう
「百里を行くものは九十をもって半ばとす」というのも
ここらへんのいましめを含んでるようだよ。

「そんなこと今さら言われなくったってわかってらぁーぃ」
とすこしでも頭をかすめたら、それこそが危険だ。
基本に忠実に、とか、初心忘れるべからず、
なんてことがよくいわれるが、
それほど人目にふれないかげの仕事が
なおざりにされてるってことだよね。
ここらあたりに成功の秘訣があり、とみてるが
如何かな?ご一同。


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読んでいて、ほっとしたのは、
ガンジーさん自身も、それで失敗したってことを、
書いていたことかな。
知ってはいてもできなかったんだろうな。
ぼくも、全然できてません、たぶん。

(つづく)


※『出前ガンジー』あるいは『ガンジー水戸黄門』の
企画について。
ガンジーさんの行脚先を募集しています。
詳しくは9月24日付けの『ガンジーさん』
ごらんくださいませ。

2001-11-11-SUN

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