ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

435.3度目の入院。

口は達者に動いているけど、
ガンジーさんは、「病気人」です。
痛みとの戦いが、あらためて苛烈になってきたようです。

先日、抗ガン剤をやめたと宣言していましたので、
「痛み」との戦いについても、覚悟があったようですが。
かなりの攻撃らしく、ついに、
3度目の入院を決意しました。

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「悲鳴!」

効きのわるくなった痛み止めをアテにせず
なんとか痛みから遠ざかることが
出来ないものかと考えてる。
いま朝の4時、右ヘ左へと寝返りをうち
目をつぶっているよりは
何かを見てた方が痛みが薄らぐんじゃないかと
カッと目を凝らす。
きらいな芋虫を天井からぶらさげてみようかと
マジで考える。

次ぎに神経をしずめようと笑いのネタを探す。
いまのおれの顔はどんなだろうか、と
鏡を見ずに想像する。
しかめた顔なのか、泣いてる顔なのか、
見ようによっては笑ってるともいえる表情なのか、
ひところ話題になったクシャおじさんをも
思い浮かべる。

そうやって1分、1分を費やし
はやく朝にならねぇかなぁ、と時計をにらむ。
なぜ夜中にこの痛みってヤツは襲ってくるのか。
昼間はどこにかくれてるんだ?
宇宙の法則がそうなっているんかいな。
出産や死亡もその法則にしたがってるのか。
宇宙のどこの署が監督してるんだ。
すこしサボってもいいぞ!
もう3時間もお前はおれにへばりついてるじゃねぇか、
コンビニへでもいってアイスクリームでも舐めてろ!

それも毎晩だ。
だから不本意にもうめき声がタスデ美に聞えてしまうんだ。
その結果が3度目の入院よ。
見るに耐えない聞くに耐えないってわけで
病院ならすぐさま注射で楽にしてくれるだろうからという
暖かいおもいやりでやんす。

痛み止めの薬も注射も楽にはなるかもしれないが
治療してるわけではないはず。
だからガンジーとしては頑固一徹
これぞおいらの生きる道、ってなカッコいいこと考えて
痛みとケンカしてるわけさ。
しかし敵もサル者こっちはイヌ年、
なかなか勝負がつかんのじゃい。

3度目の入院を新たな門出とうけとめよう。
悲壮な覚悟ではなく貧相な顔ではあるが
武者の鹿島立ちを気取っちゃってね。
1度目はもがき苦しんで飛び込んだ。
2度目はのほほんとした気持ちだったが晴天のへきれき、
大変な経験をさせてもらい
災いを福に転じて事無きを得ている。
そして今度3回目の入院。
2度あることは3度ある、って
ホントになっちゃったよ。
でも2回とも無事出所できたから
今回もエンマ大王の裁決はOKかな。
なんか手土産をもっていかないとね、芋虫の唐揚げとか。

地獄との距離をきめるエンマさま、
地獄との縁に間をとるエンマさま。
苦しい時でも駄洒落を忘れないこの姿勢、
どうか笑ってやっておくんなさい。
笑う門にはフク来る。
困ったらフクを貸しだしてやるぜ。


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「苦しい時でも駄洒落を忘れないこの姿勢」の人物に、
閻魔大王もあきれることでありましょう。


(つづく)


※『出前ガンジー』あるいは『ガンジー水戸黄門』の
企画について。
ガンジーさんの行脚先を募集しています。
詳しくは9月24日付けの『ガンジーさん』
ごらんくださいませ。

2001-11-07-WED

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