ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

426.意見の相違なんかのこと。

ずっと長いこと、それこそ
「飽きられても」連載を続けましょうってのが、
この『ガンジーさん』というページのコンセプトだ。

もともと、余命がすぐ尽きると医師に宣告された
ガンの患者さんが、
人々の安易な想像の枠を超えて前向きに
考えたり行動していたりしている、ってことへの驚きが、
この連載をはじめる動機だった。

しかも、当の主人公が、
世の中の一般的な患者像とちがうだけでなく、
世間の老人像とも、ちょっとちがうような
ユニークなおじさんだったから、
この連載は、思いがけぬ展開をしていくことになった。
もちろん、毎日連載をするというのは決まりごとではなく、
ガンジーさんの意地だったり意志だったりというもので、
これを書くことをひとつの励みにして、
毎日の生活にリズムをつけているのだから、
その意志のままに続いていくのがいいと思う。

ときどき、ぼくがガンジーさんとの意見の相違があって、
「ぼくはちがうと思うんだけど」と書くのは、
ガンジーさんを病人差別しないようにしているからだし、
ぼく自身が「ほぼ日」でいつも言っていることと、
あまりにも矛盾してしまうのは、
誤解を招くと考えるからだ。
病気の人だし、老人なのだから、何を言ってもいい、
というふうに考えるのは、ご本人に対しても
読者に対しても、ぼく自身に対しても失礼にあたる。

もちろん、ガンジーさんから学ぶことや、
もろ手をあげて大賛成ということも、
いくらでもあるのだし、
ほのぼのとしたエッセイに心温まることも多いので。
それはそれで、そのことについてコメントをしている。

ですからね、
ぼくはぼくのことを『信じすぎるな』と言うように、
ガンジーさんの演説についても、ツッコミをいれてます。
「ガンを患ったからといって、偉くなるわけではない」
のですから、なにか立派な人の発言だと思いながら
読んでいる人がいたら、まちがいですぜ。
こういう親父が、しょうもねーことを言ってるぜ、
という回も、たくさんあるはずです。
ぼくの目の前にいたら「おじさん、それはちがうでしょ」と
たぶん、言うでしょうから、
それと同じように、この連載でもやっていきます。
自分の父親とでも、おそらくそうしたと思いますので。

ガンジーさん、そういうことでおつき合い続けますので、
これからもどうぞ、よろしくお願い致します。
ガンジーさんを大好きな方々、
ぼくはいじめてるわけじゃないので、ご理解くださいね。

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「なんかいいことない?」

読者の方からやわらかい言いかたではあるが
詰問に似たメールをいただいた。
いわく、ガンジーはマスコミ嫌いと言ってるが、
ほぼ日はマスコミではないのか、と。
日に40万アクセスもあるこのサイトではあるが
れっきとしたミニコミであると思う。

しいて言えばミニコミの集合体だね。
それは双方向でフラットが基本になってる。
マスとかミニとかの枠を超えて
あたらしい名称がつけられるといい。
誰でもが意見をのべられる場所だと思う。
が、darlingと話し合ったわけではなく
ガンジーの個人的な意見だけどね。

ほぼ日もだんだん読者がふえてくると
いろんなところからの問い合わせが入り
大西かがやき姫もその対応にたいへんらしい。
民放TVはクライアントのごきげんをとり
視聴率が気になるようだし
NHKはいまだにお上の威光をちらつかせているように
ガンジーには思える。
下老さんすんません!

ナント!先日はガンジーにまで
さるTV局から出演の依頼があったとか。
これまでにもあったらしいけど
それらはdarling自身がことわってくれてたようだ。
が、ほぼ日も日に日に生長し分業しなけりゃならない。
おまけにガンジーのわがままで
出前までおっぱじめてしまったから忙しさは大晦日なみ。
しり餅をついたり門松をうえたり、お年玉をつめたり、
あたらしい着物をタンスからだしたり、とね。
ま、むかしにたとえればさ。

で、かがやき姫はdarlingにも問い合わせるとともに
ガンジーにも、どうする?とのメール。
ほぼ日の読者がさらにふえ
only is not lonelyの、
納豆のような糸がひろがればそれはうれしいが
出演はおことわりした。
読みたきゃほぼ日をみてくださいな。
わたしゃ視聴率の片棒かつぐのはごめんでさぁ。

われらがほぼ日は!なんて
いばっちゃうつもりは毛頭ありません。
どこまでもフラットで双方向で歩んでいきたいもんです。
一時的にぱっと話題がひろまっても
すぐにしぼんでしまうことが多いですからね。
幼稚園でおしえてますぜ、
♪むすんでひらいて〜♪手を打っておわりぃ♪
なんておぼえてる?

一発勝負なんていうとカッコはいいけど、
これは当たって砕けろ、とおなじで
ほとんど負けるにきまってるぜ。
信長の桶狭間だって
彼は考えに考えて決行したことだと思う。
天気予報なんかも調べていたんだろう。
漁師なんか雲のようすでわかってただろうしね。
よく簡単に、これしか方法はないだろっ!なんていうけど
さらに熟慮をかさねることが
勝ちにつながると信じる。
ただ時間をかけていてはならない。
勝機というきまぐれ者がいるからね。
それにはやっぱり...なんてえらそうなこといいません。

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『♪むすんでひらいて〜♪手を打っておわりぃ♪』
って替え歌があったの、知らなかったです。
すっごくよく出来てる。
テレビの件は、もちろんご本人の自由ですが、
視聴率のためだけにテレビの人たちが働いてると
考えるのは、ちがうと思いますよ。
(ってなことも、言うわけです、オレとしては)
ろくでもないテレビ人も、たくさんいるのでしょうが、
そうでない人も、たくさんいます。
「ほぼ日」だって、ろくでもないものですぜ。
うんこちんちん、イトイでした。


(つづく)


※『出前ガンジー』あるいは『ガンジー水戸黄門』の
企画について。
ガンジーさんの行脚先を募集しています。
詳しくは9月24日付けの『ガンジーさん』
ごらんくださいませ。

2001-10-29-MON

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