ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

292.道を見つける。

ガンジーさんは、人に言っているような顔をして、
たいていは昔の自分に語りかけていることが多い。

いまごろになって見つけたことが、
はじめから、若いときからわかっていたら、
きっとまた別の道を歩いてきたのだろうなぁと、
ずっと後輩のぼくなんかでも思うことあるもの。

ガンジーさんが、厳しくものを言う時ほど、
ガンジーさんの反省は深いようで。
今回なんかは、やさしい落ち着いた語り口だから、
きっと、自分でも「やや満足」してきたことなんだろうな。

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「幸せ道を見つけよう」

幸せ道の入り口は人目につかない細い道だ。
歩きにくそうな小路から始まる。
たまたま偶然に見つける人もあるが多くの人たちは
気がついていても無視して通り過ぎてしまう。
そんな道を歩いて行っても
いい事なんかあるはずがないと
思ってしまうから。

幾らかの人は恐る恐る覗いて見はするが
尻ごみしてしまうようだ。
難儀を覚悟でわざわざ踏み込むのは
愚かだと判断するのが普通だからね。
しかしごく少数の人たち、
目的を持ってる人たちはこの道を選ぶ。
目的のためには近道だからだ。

でもこういう道は若い時には自分で見つける事が出来ない。
世に言う天才とは
早くに良き先達に恵まれているから
この幸せ道を教えてもらえる。
「栴檀は二葉より芳し」と言われるのは
手入れをしてくれるよき師が
物心がつく以前から身近にいたからであって
天才とは遺伝子や突然変異の作用ではないと思う。
天が誰をどうやって選び
天賦の才を授けようとするのか、そんな事信じられないね。

努力する事を嫌うのは目的が定まっていないからだ。
もしくは目的と手段が反対になってるからじゃないかな?
お金が目的、金さえあれば人生思いのままだ
という考えでは、その金すら手に入れる事は出来ない。

例を挙げよう。
パソコンを使い始めてしばらくは「特打ち」を練習した。
でも面白くない。そこでやめてメールの発受信だけにした。
これは相手があり面白い。
さらに「公開親戚新聞」になってから弾みがついてきて
気がついたら結構早く打てるようになってるんだ。
もちろん初めに指の位置を覚えていたからでもあるけどね。

英会話然りだね。
音楽や映画に興味がある人の方が憶えるのが早いようだ。
ただなんとなく
海外旅行なんかで困らないだろう、ぐらいの人は
なかなか覚えられないみたいだよ。

目標と目的の違いも憶えておきたい。
さまざまな資格試験のたぐいは
あくまで目標であって終点の目的地ではない。
「つぶしが効く」と手当たり次第に資格を取っても
何の意味もないんだ。
何かの時役に立つだろう、なんて考えでは
人生の大半を無駄に使ってしまうぜ。

さて幸せ道の事だけど、
せかせかと歩いていては見つからないぜ。
異性に現を抜かしてばかりでも見つけられない。
そして読者諸君に申し上げたい。
ガンジーはこれらの事に気がつかないで
人生を通過して来てしまったのであーる。

ガンジー

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いくらでもタイピングならできます、って感じで、
ガンジーさんはメールをくれるけれど、
やっぱり、はじめは「やっと」だったんだよなぁ。

自分のことを思い出しても、
はじめのころって、指がイライラしてつらかった。
いまでは原稿用紙に書くなんて思うと憂鬱なくらいだ。
ほぼ日刊イトイ新聞を毎日出していることで、
からだに蓄積されてきた「なにか」って、
きっと大きいんだろうなぁ。


(つづく)

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2001-06-16-SAT

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