ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

13.この人から、ガンジーさんのネットははじまった。

最初にガンジーさんに、粋なセリフと共に
パソコンを差し出したのは、
ガンジーさんの『the親戚新聞』の購読者のひとりである
お嬢さんの「朋姫様」であった。

実は、この新連載スタートの日、
ガンジーさんご本人からのメールの直前に、
朋姫様からも、「ほぼ日」宛てに
メールが到着していたのだった。

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●癌爺の娘です

糸井重里 様

初めまして、朋と申します。
癌爺の娘でございます。

さきほど、癌爺より、糸井様からのメールの転送を頂き
ホームページを閲覧させて頂きました。
この度は、ホームページに親戚新聞を載せて頂き
誠に有りがとうございます。
(癌爺のキャラクター画像まで作っていただいて・・・)

癌爺から、はじめて「糸井さんからメールが来たよ」
と言われたときは
嘘かと思いましたけど、メールを見て、
糸井さんの署名を見て
「ほ、ほんものかなぁ?」と、少しだけ信じ始め、
今日、HPを見て
本物だったのね! と確信しました。

癌爺がメールを始めたのは、今年5月下旬です。
それまでは私のワープロで
タイピングの練習をしていたものの
あの歳で、キーボードを叩くのは、さすがに難儀なようで
こちらも文字入力(特に、全角文字と半角英数の区別)を
教えるのは大変でした。

途中、文法の誤った英文が入っていたりと、
読みにくい「親戚新聞」ではありますが
これからも、癌爺とメール友達として、
お付き合い頂けましたら幸いでございます。


PS:うちの家族は、あっけらかんとしておりますが
「5月17日」のヤブ医者(癌爺談)の宣告には、
さすがにビビリました。
その夜、泣いちゃったりもしましたけど。
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ガンジーさんのユーモアの遺伝子を感じた。
ぼくは、ガンジーさんの連載初日のメールを読む前に、
この姫のメールに返信をだしていた。

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■Re: 癌爺の娘です

はじめまして、朋様。

糸井重里です。

なんだか、騒ぎに巻き込んでしまったようで、
すみません。
どうぞ、よろしくお願いします。

最初は、それなりに、逡巡したのですが、
連載というかたちで、
人々の目に触れるようにするというのは、
よかったのではないかと、
あらためて思えました。

今日、はじめて決めたことをお伝えしておきますね。
もし、そうでないほうがいい、ということがありましたら、
ご遠慮なく、おっしゃってください。

たくさんの激励や、似たような環境の方からのメールが
到着していますし、これからもたくさん届くのではないかと
想像されますが、これらの転送は、
今回は「やめておこう」と考えております。
たぶん、「ガンジーさん」は、
病気のことだけで頭のなかを埋め尽くすようなことを、
望んでおられないと思うからです。

たくさんの善意や、励ましのメールは、
ひとつひとつはありがたいのですが、
そればかりをたくさん読む側になると、
「暑気あたり」のように
「メールあたり」を起こしてしまうのです。
その状態にガンジーさんを巻き込むことは、
かえってよくないと、ぼくは判断しました。

ただ、反応がないところで連載が続いているのも
さみしいかもしれませんので、
たまに、転送するというつもりです。
いかがでしょうか?

それはさておき、
「あっけらかんとした家族」って、
いいですねぇ。
この家風をつくったのは、きっとガンジーさんと、
その伴侶であられる「カミさん」さんなのでしょうね。

ほんとに、飽きられる連載をめざして、がんばりましょう。
支えのほど、よろしくお願いします。

なんだか、感情のないメールになってしまいましたが、
ページのほうで、「思ったこと」は書いていきます。

これからも、どうぞ、よろしく。

 ONLY IS NOT LONELY
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    ・  ・
     ●●
  _______ 
  Shigesato ITOI
<https://www.1101.com>

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というわけだ。
もういちど、朋姫様からの「再信」が届くのだけれど、
それもおもしろいので、次回ね。

(つづく)

2000-09-05-TUE

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