フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

ベルルスコーニ、返り咲きをねらう。

UEFAチャンピオンズ・リーグ優勝を果たした
ACミランのベルルスコーニ会長。
彼がイタリア首相でなくなってから1年が経ちますが、
どうやら政治とサッカーの両方で
ナンバーワンに戻りたがっているようです。

ベルルスコーニによれば
イタリア国民はいまも彼の味方であり、
昨年4月の総選挙で敗北したことは、
いまだ腑に落ちることではありません。
事実、選挙後すぐに票の数え直しを要求したくらいで、
「いかさまがあった」と、彼は確信しているのですね。

そんな彼は、先週のこと、
ジョルジョ・ナポリターノ大統領のもとに出向き、
繰り上げ選挙を要求しました。
ベルルスコーニによれば、
「イタリア国民は現在の政府に我慢できず、
 大声で私の名前を呼びもとめている」からです。
しかしナポリターノ大統領は彼に、
現政府は国会に支えられており、
繰り上げ選挙は話題にもならないと答えました。

政治がむりならサッカーで‥‥?!


大統領との会見は失敗におわったものの、
ベルルスコーニは、
サッカーにおいても先頭に立とうとしています。

彼のACミランがUEFAチャンピオンズ・リーグに優勝し、
次の12月に横浜で
FIFAクラブ世界選手権(トヨタ・カップ)を、
世界一のクラブチームになるために闘うのは事実ですが、
ベルルスコーニのお気に召さないことがあります。
カンピオナートでは、
永遠のライバルであるインテルが、
イタリアでもヨーロッパでも新記録の点数で(97点)
優勝しているのです。

そのインテルは、ここ数シーズンを
カリアリでプレイしている、
ホンジュラス出身のアタッカー、
スアゾを購入しました。

そして今から1ヵ月ほど前に、
ベルルスコーニはこう明言しました、
「ロナウジーニョが欲しい、
 インテルに行ってしまわないように」と。

彼は先週、バルセロナに対して、
ロナウジーニョを得るためなら山のような大金を
支払う準備があると知らせました。
1億ユーロと言われています。

たとえこのスペインのチームが
否定的な返答をしたとしても、
ACミラン会長のベルルスコーニは
交渉のテーブルを蹴ることなく、
エトーを5000万ユーロでどうだ、という
次の手に出るでしょう。
エトーはカメルーン出身のアタッカーで、ここ数カ月、
ロナウジーニョとは上手く行っていないように見えます。

ベルルスコーニがほしがっている人材。


ベルルスコーニは12月の横浜で、
FIFAクラブ選手権(トヨタ・カップ)を戦うにあたり、
世界の頂点に登るスペクタクルを保証してくれる
カカ+ロナウド+ロナウジーニョ、または、
カカ+ロナウド+エトー、が想定される
夢のようなトリオを準備したいのです。
それにはロナウジーニョなりエトーなり、
完璧に価値あるスターが、もうひとり必要です。

ベルルスコーニが金に糸目をつけないとして、
インテルのモラッティ会長も引けはとりたくありません。
スアゾを獲得した今後は、
チェルシーからフランク・ランバートを獲得するために
4千万ユーロを準備しています。

そして、まさに昨年12月に横浜でバルセロナを破り、
FIFAクラブ世界選手権(トヨタ・カップ)に優勝した
インテルナシオナルから、
17才のパトを入手したいと思っています。
インテルナシオナルは、ブラジルの
ポルト・アレグレ市のチームです。

まさに億万長者たちの対決です。
多額の金銭を持たないローマや、
長い間メルカートの女王であったユヴェントスも
参加できない、
イタリアサッカー2大富豪の対決です。

ユヴェントスは数週間前にセリエAに戻りましたが、
来期の見通しとしては、最高でも
ローマやフィオレンティーナとともに
3位を競うくらいのことでしょう。

一説には1400万人とも言われる
イタリアで最大のティフォーゾ数をかかえる
ユヴェントスこそが、
次期のスクデット獲得戦から外れるであろうとは、
ほんとうに勿体ない話しです。

でも、しかたありません。
強者の法則‥‥、です。
“経済的な”強者の法則が、
サッカーにも通用してしまうのです。

訳者のひとこと
イタリアには
大統領と首相の両方がいます。
現在の共和国大統領(Presidente della Repubblica)は
ジョルジョ・ナポリターノ、
首相(primo ministero=閣僚評議会議長)は、
ロマーノ・プローディです。
国家元首は大統領がつとめます。

ベルルスコーニは現役の首相時代から、
大統領を無くし、
首相がその責務も担うべきだとしていましたが、
そうすると、権力が一人に集中し、
ムッソリーニの帝国主義時代に
舞いもどる危険があるという考え方から、
反対の人が多いそうです。

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追記(2007-06-19)
イタリアのラジオのニュースで、
スアゾはインテルとの交渉が破棄されて
ACミランと契約したと報道していました。
翻訳/イラスト=酒井うらら

2007-06-19-TUE

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