フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

マルディーニ&ヴィエリは
第二のドルチェ&ガッバーナになるか?



ファッションで名高いミラノの街の中でも
いちばんの「おしゃれなエリア」は、
モンテナポレオーネ通り、スピーガ通り、
サンタンドレア通り、そしてマンゾーニ通りに
囲まれたあたりです。
(日本の女性たちには、ファッション誌で
 この地名はおなじみかな?)

ロンドン、ニューヨークやロスアンジェルス、
それに東京など、全世界に向けて「made in Italy」の
エレガンスを発信し、虜にする、
イタリア屈指のファッション・デザイナーたちが、
このエリアに本店を構えています。

世界が注目する「ミラノ・コレクション」が
9月最終週から10月第1週にまたがって開かれ、
なにがなんでもエレガントでありたい世界中のVIPたちが
待ってましたとばかりに買うにちがいない新作の数々が、
発表されました。

ショーは今年も大成功だったようです。
そしてファッションと言えば!
サッカー選手たちも黙っていません。
火曜日と水曜日には
チャンピオンズ・リーグの試合があるというのに、
多くの選手たちがアポイントをとって駆け付けました。
早く見たいし、いち早く予約もして
買いそこなわないようにと、
それはそれはご熱心なのです。

スーパーモデルたちと
サッカー選手の恋の季節!


彼らは、洋服を買うだけでは事は終わりません。
ファッションショーに欠かせないのがモデル、
それもミラノ・コレクションですから
ランウェイに連なるスーパーモデルたちが、
すばらしいスタイルと個性的な美貌を持った美女たちが、
イタリアはもちろん、パリから、ニューヨークから
やってきますね。
‥‥そうです、彼女たちとサッカー選手たちの恋も
華々しく咲き乱れるのです。
毎年エスカレートしているように僕には見えますが、
長続きしているとはあまり聞きませんね。

ちなみに、今年のコレクションの会場では、
新しいカップルが拍手喝采を浴びていました。
インテルのフル・バック、フランチェスコ・ココと、
イタリアで今一番セクシーといわれる
ファッションモデルのマヌエーラ・アルクーリです。

彼は客席から、恋する男のうっとりとした眼差しで
彼女を見つめ、
彼女は、淡いながらも注目を集める色の、
そして、もともと目立って美しい彼女の美しさの総てを
感じさせてくれるドレスを着て、
ランウェイを歩きました。



さて、ミラノいちばんの「おしゃれなエリア」に
登場した新しいブランドがあります。
Sweet Yearsといって、
サッカー好きの若者向けのニットやTシャツの
ブランドです。

デザイナーは誰だと思いますか?
すでにミラノのみなならずイタリア、
いやいや、世界中で大人気のふたり、
ACミランのキャプテンであるパオロ・マルディーニと
アズーリでセンター・フォワードをつとめる
ボーボ・ヴィエリなんです。
(あっ、男性二人組のデザイナーと言っても
 ドルチェ&ガッバーナや
 ヴィクター&ロルフみたいな関係じゃないですけどね。)

これがすごい盛況ぶりで、
ふたりのデザインしたTシャツは、
発表当時には数時間で売り切れる騒ぎでした。
変形のハート模様がシンボルです。

マルディーニもヴィエリも30才を超えました。
引退したら帝王アルマーニや大御所ミッソーニの
向こうを張るつもりでしょうか?

まさか、ね。
夢は大きいほうが好いですけどね。


フランコの
「ミラノ・ファッション通信」


ところで、ここからはサッカーに関係ないお話。
今年のミラノ・コレクションの御報告です。
(ぼくフランコはファッションも大好きなんですよ!)

偉大なデザイナーたちは
人間ばかりでなく自動車をも「装おって」います。

たとえばジョルジオ・アルマーニは、
メルセデス・ベンツで彼のブランド車を発表しました。
ボディは有名な「アルマーニ・グレー」の艶無し仕上げ、
内装には革が使われています。

アルビエロ・マルティーニは、なんとランウェイに
彼のブランド車を持ち込みました。
FIATのバルケッタの内装に彼独特のプリントを配し、
同時に発表したイヴニング・ドレスのスカートには
車のハンドル模様が刺繍されているという懲りようです。

流れから言うと、来春は「シルク」が来ます。

パーティーの宵には、
白や黒の艶のあるシルクのロング・ドレスが
目を楽しませてくれることでしょう。

唇もポイントです。
流行に遅れたくない女性たちの唇は、
暴力的なまでに目立つ色で装われるでしょう。

訳者のひとこと

コレクションの時期にはホテルは満杯で、
有名レストランも予約をとるのが大変になります。
まかり間違えば本当に有名な選手や
俳優に会えるかもしれませんが、
すりやかっぱらいも増えますから、
お金持ちそうな格好はしないのが一番です。
でも、この時期に貧乏臭い服装で街を歩くには、
それなりの情けなさが伴います。

翻訳/イラスト=酒井うらら


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2003-10-06-MON

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