フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

おひさしぶり、フランコです。

こんにちは、おひさしぶり、フランコです。
今日から、また、この1101.comに
原稿を書かせてもらうことになりました!
どうぞよろしくね。

ワールドカップのときは仙台から書きましたが
ぼくはもう仙台にはいません。
いまいるのは、ミラノ。
カステロヴェトロ通りという所のアパルトマンにいます。
とても古い建物なんですが、快適で、
大理石のエントランスがとてもエレガントで
気に入ってます。
日本の皆様は、ピンク色の大理石を知っていますか?
小指の爪程にカットされた大理石によって
エントランス一面にモザイク画が描かれているんですよ。

「フランコさんって、ミラノでなにしてるの?」
というメールを、あれから、いくつかいただきました。
ぼくはスポーツ・ジャーナリストなので、本業として
スポーツ新聞(Tutto Sporto)を中心に
イタリアの新聞3紙に記事を書いてます。
テレビは、テレノーバ
(ミラノをキーステーションに
 イタリア全国放送網を持っている放送局です)で、
自分の番組『91minuto』と
(サッカーの試合は90分間なので、
 91分目からの1分間は、僕が主役だって感じ!)、
それから同局で他のスポーツ番組のレギュラー出演
(『ノバスタジオ』等)、
さらに10月からはLa sette (La 7)という放送局で
(日本語では“チャンネル7”って感じです)
総合スポーツ番組(10月新番組・名称未定)に
これもレギュラー出演を予定しています。

そんなわけで、けっこう忙しく過ごしていますよ。

さて、本題に入る前に、ちょっとミラノのことを書こうかな。

ミラノの気候は仙台に似ています。
でも、空気は乾燥していて、気温が高い割に
夏は過ごしやすいです。
もちろん冬には雪も降りますよ。
(スイス国境までハイウェイで30分です)
ちなみに今日は晴れ、気温29度C、湿度28%でした。

今、イタリアでは、ポルチーニ茸というキノコが旬です。
日本ではもうすぐ松茸が市場に出てきますね。(でしょ?)
夏のバカンスが終わって、
ミラネーゼが街に帰ってくるのと時を同じくして
メルカート(路上市場)にポルチーニ茸がやってきます。
網焼きで香りを楽しみながらワイルドに食べるのもよし
じっくり炒めて香りを凝縮して
パスタのソースにするのもよし
各種のお肉(豚・鹿・猪)と煮込んでもよし。
そう、僕は今、このキノコのことで頭がいっぱいです!
さて、こういうことを書いているときりがない。
第2シーズン第1回に、行きましょう!
もちろん、みなさんが気になってることについて、ね。

イタリアのサッカーチームが
ストライキを予告しています。

日本人は思い出というものを
美しいものとしてずっと心に留めておきますが、
韓国人はすぐに忘れてしまうようですね・・・。

イタリアのサッカーは
ワールドカップの悲劇から立ち直って、
再び活気を取り戻しつつあります。
あれはきっと、一時的な感情の高まりだったのでしょう。
ワールドカップ終了後の最初のゲームは、
予定されていた9月1日よりも2週間遅れて、
9月15日にスタートすることになりました。
ちょっと前までのイタリア・サッカーは、
資金にも恵まれている美しいスポーツでしたが、
これからはもしかすると、
美しいだけのものになるかもしれません。
あの『大きな出費』のおかげで資金が不足しているため、
サッカー協会はただちに政府の介入を求めたのです。
あの大きな出費とは、スター選手の年俸のことです。

大きな競技場は、視聴率によって
多額のテレビ受信料が入るという契約をしています。
テレビ局はどこによりたくさん金を払っているかといえば、
ユベントス、ミラン、インテルです。

しかし、そんなうまい契約ができなかった
8つの小さな団体が、
9月1日からのストライキを予告しているんです。
良い条件で契約をしているけれど小さなチームである
パルマやレッジーナは、
外国人選手にはとりわけ好意的です。
日本からやってきた2人のチャンピオン選手、
パルマの中田英寿とレッジーナの中村俊輔がそうですが、
パルマとレッジーナは
彼らともっと高額の契約を結べたのかもしれません。

日出る処からやってきた2人の日本人選手は、
パルマとレッジーナの売り上げアップを約束してくれます。
イタリアに限らず、他の国へ行ってもそうでしょう。

日本をはじめ、アジア諸国のテレビ局の多くは、
当然のことながら、
すでに中田と中村の出場することになっている
すべてのゲームを観戦できる権利を購入しています。
だから、パルマとレッジーナは
ストライキに参加しなくてすむのでしょうね。

ロベルト・バッジォのホームである
ブレッシァ(*)の小さなチームは、
違う月にチャンピオンシップを中止する予定でしたが、
これもすぐにイタリア政府に助けを求めました。

(*)訳注:イタリア北部、ロンバルディア州の都市

たっぷり時間の与えられた
中村選手、がんばれ!

これは先例のないことですが、おそらくイタリア政府は、
テレビ局とうまい契約を交わせなかった
小さなチームの税金を、
軽減することになるかもしれません。

サッカー・チャンピオンシップの開幕は、
多くの人々の悪意と1人の選手の幸福のために、
2週間延期されています。
その選手とは、中村俊輔です。
彼はこの2週間でレッジーナのチームをもっと知って
練習にはげむことができるし、
イタリアでの新しい環境にも慣れて、
ここでの暮らしがきっと気に入るでしょう。
彼と同じ国から来た中田にも、
時間が与えられていたように。

それでは、また次回。チャオ!


翻訳=ほぼ日

フランコさんのくわしいプロフィールはこちら、

フランコさんのホームページはこちらです。(日本語もあるよ!)

2002-09-02-MON

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