怪・その32

「雷に打たれて」

僕が、中学校に入りたてだった頃、
当時担任だった先生から聞いた話です。

その先生がまだ中学校に通っていた頃、
クラスメートだった人のいとこが、
亡くなりました。

歩いているときに、
雷に撃たれてしまったそうです。

異変が起こったのは、
そのいとこの葬儀が終わってからでした。

朝、先生が学校へ来てみると、
彼から、

「ここ最近、いとこの夢を見る。
 だんだん近づいているようだ」

と言われたのです。

彼は、日がたつにつれ、
一目でわかるほどやつれていきました。

その様子を見て、彼の両親は、
いとこの霊をお祓いをしてもらうことにしました。

呼ばれたお祓い師の人は、
ことの経緯を聞くと、
「それはきっと、
 雷に一瞬で打たれたせいで
 まだ死んでしまったことに気づいていないからだ。
 彼は寂しくて、
 その子に自分のところへ
 来て欲しがっているのだろう」
と答えました。

お祓いは無事に終わり、
その後、彼の体調も回復したそうです。

(特命希望)

こわいね!
2016-08-26-FRI