おさるアイコン ほぼ日の怪談2006

怪・その18
「階段の上の家」

あれは10年近く前の事になります。
時間はまだ5時頃、
そんなに暗くはなかったと思います。
商店街で買い物をして帰る途中の事でした。

田舎の道に人通りはあまりありませんでした。
フッと周囲が暗くなって、
階段の上に提灯を灯した家が見えました。
玄関はコンクリートの階段を
数段上がるようになっています。

その家の前を通り過ぎる直前、
提灯に墨で「高崎」と書かれているのを見て、
(ああ、ここは今日お葬式なんだ。)と、
思いました。

いつの間にか周囲は明るくなっており、
私は変だと思いながらも家路を急ぎました。
しばらくして、高崎にいる父方の祖母が亡くなったと
電話がありました。

お葬式には、授業があるから出なくていいと
母に言われて行かなかったのですが、
お盆には父の田舎の高崎に行きました。

祖母の家に行った時、びっくりしました。
あの時見たのとそっくりの、
コンクリートの階段を上がった家があります。
子供の頃来た事のある田舎の家は、
私が来ない間にすっかり建て直されていました。

祖母は私に、あの時、
自分の死を知らせたのでしょうか?

(eri)


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2006-08-16-WED