……話は変わるけど、
「ほぼ日デリバリー版」(メールマガジン)の
読者メールって、
あれはすごくまともな人が書いてるよね。
あんなにふつうの言葉で、おもしろいし。
あのメルマガでいちばんおもしろかった投稿は、
いくつになっても
年齢差は変わらないというやつで……。
「父は七〇歳にもなるのに、
 八〇歳のお兄さんに釣り道具を
 持ってもらって岩場を歩くなど、
 弟としての癖が抜けません。
 『お兄さんのほうも、
  八〇歳にもなって気づけよ!』
 と思いますが、いつまでたっても、
 十歳も年の離れた兄弟、なのですね。
 以前に、ある展望台にのぼるための
 エレベーターが、父が乗ったところで
 定員オーバーになったのですが、
 父は手をドアにかけ
 『俺、降りねえ!』とダダをこねました」
「たくさん人がいるので、
 恥ずかしくて仕方がなかったために、
 『早く降りなよ!』と
 私も父を押し出したのですが、
 ますます意地になるばかり」
 そこにいた八〇歳のお兄さんが、
 『よっちゃん、
  俺も降りるから、次のに乗ろうよ』と、
  うながして、ようやく『うん』と
  言ったのでした」
いつまでも年の差は変わらないんだという……
子供のころからそうしてるから(笑)。
質問:
「今年九四歳になる祖母が
 久しぶりに訪ねてきた知人に言った言葉です。
 『最近、息子(同居、七〇歳)が
 昼寝する姿を見ると、年寄りにしか見えません。
 そしてこの年寄りを?私が?産んだ?
 信じられない!本当かしらって思います』
 ……本当です」
こういう話もあったけど、いいですよね。
年寄りといえば、
小島信夫さんはもう九〇歳なんですよ。
(ちなみに「文藝春秋」五月号の
 「日本の顔」というページに
 小島さんと保坂さんが載っていますが、
 小島さんが保坂さんに
 「一緒に写ってくれないか」
 と電話がかかってきたときの言葉が、
 「ほら、『文藝春秋』に毎月
  年寄りの写真が載るページがあるでしょう?」
 だったそうです)
九〇過ぎで歩いているんだから、すごいよねぇ。
農道じゃなくて
都会の道路を歩いているんだよ(笑)。
「おじいちゃんは、
 こういうものを食べてるから、
 こんなに元気なんですねぇ!」
っていう、
みのもんたの昼の番組に出たらいいのにね。
「国立の有名なおじいちゃんの小島さんは九〇歳!
 なんでこんなに健康なんですか?」
「毎日、小説のことを考えてるから」
「いやぁ、小説のことを考えるって、
 こんなに健康にいいことなんですねぇ」
実際に小島さんの考える小説は
筋だけの単純なものではなくて、
ほんとにいろいろな面で
同時進行的なものだから、
きっと脳の活動部位が限定されていなくて
広がっているからボケにくいんじゃないか……
まぁ、でもそういう小説健康法は小島さんだけか。
実際は座り仕事だから、
それなりにたいへんだもんね。
あ、ただ、月産何百枚とかいう
売れっ子作家でもなければ、
作家の実働時間って、じつはすごく短いから、
肉体的にはたいへんではないけど。
明日に続きます。
感想を送る 友達に知らせる ウインドウを閉じる 2005-06-22
Photo : Yasuo Yamaguchi All rights reserved by Hobo Nikkan Itoi Shinbun 2005