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“WONDER SCHOOL !”
ほぼ日刊イトイ新聞 presents 超時間講演会。



(前回につづき、
 糸井重里による談話をおとどけします)

今回、話をしてくださるうちのひとりの、
社会心理学の山岸俊男さんのした実験は、
ほんとに、びっくりしちゃうような結果に、至りました。

そのことを、ナマで語ってくれるだけでも、
もしかしたら、感動してしまうかもしれないと思います。

人間っていうのは、放っておくと、悪人が、世にはばかる。
いいことばかりやっているヤツっていうのは、負けるんだ。

ぼくたちは、どこかで、そんなふうに、社会から
教えられてきてしまったところが、あると思うんです。

ぼくは、今でもよく覚えているんですけど、
親父や、親父のともだちが
酒を飲んでいるところに行って、同席をすると、

「糸井くんは、バカがつくほど、正直だからなぁ!」
「バカとはなんだ、バカとは!」

そんなバカな話を、大声で酔ってしていたんです。
その言いあっている人どうしが、どうやら、
「バカがつくほど正直でいること」については、
半分は尊敬しているけど、半分は軽蔑しているようだ、と。

大筋としては、バカ正直な人はうまくいかないという話で。
だから、子どものぼくも
「そういうもんだ」
と思って生きてきているようなところがあるんです。

生き馬の目を抜く東京で生きていくには……とかね。

悪くなると、うまくいく。
今も昔も、多くの人は、そういう目で社会を見てるんです。
だから、うまくいった人が足をすくわれる原因のひとつは、
「アイツは、悪いからうまくいったんだ、と思われること」
なんですね。

負けている側が、勝っている側を批判するときの、
大きな根拠は「アイツは悪いんだ!」ということなんです。
それはほとんど、「大衆」という流れの信念だったりする。
単なる嫉妬なんだって、みんな、認めたくないんですよね。

だけど、山岸さんは、いろいろと実験をしてみた結果、
「どうも、悪い人がうまくいくってことはないみたいです」
と、言いはじめたんです。

山岸さんの研究の歴史を眺めてみると、
ずいぶん若い頃から、その研究ばかり、しているんです。
そこにも、とても興味があるんです。
「信頼」について、これだけ見つめた人の話を聞いたなら、
もちろん、勇気が出てくるだろうし、それに、
『悪い奴ほどよく眠る』
みたいなことも、起こらないで済むかもしれないじゃない?

それを、会場で、
学説が、レコードで聴いている演奏だとしたら、
今回はライブで聴いて、まるごと心臓で味わってほしい。

そして、もうひとり。
比較経済史学の、川勝平太さん。
実際に、お会いすることは、今回がはじめてなんですが、
お書きになったものを、読んでいるかぎり、どうやら、
「誇り」について、いつも考えている人だと思うんです。

ヨーロッパの研究をするにしても、日本の研究にしても、
いつでも、「プライド」について考えている人というか。

それは、オックスフォード大学で勉強していたことにも、
すごく影響を受けているかもしれませんが、
「人って、バカにされたら、いけないよね」という考え。

「バカにしなきゃいけない景色を作ったのは、なぜだ?」

人と人も、人とモノも、人と国でさえも、
「誇り」を持ちあうことについては、
この川勝さんという方は、よく考えてきたんじゃないか。
ぼくは、そう思って、日本について語っていただきたい、
と、おねがいをしてみました。

たぶん、どの時間も、観客席にいたとしたら、
自分のなかの何かが、ムクムクするんだと予想しています。
「この場にいて、よかったな」
きっと、そう思うんじゃないかなぁ。

「智慧」は「知識」ではないんです。
ブランドのある大学の先生の知識を連れてきたのではなく、
「智慧」をちゃんと届けるということを重視して、
講演してくださる先生を、選びました。

知識だとしても、体系と哲学を感じさせる知識。

ひとつのことを、とんでもなく叩き続けてきたがゆえに、
明るいところに出てしまった人たちの肉声。

かつて、岡本太郎の「太陽の塔」が、
建物から突き抜けて、空に出てしまっていたような、
ああいうすごさが、当日にやってくるといいと思うんです。

「智慧の実を食べよう」の第1回目と第2回目は、
ぜんぜん違うテーマに見えるけど、
同じような「感動」を、正面から扱うものになりますから。


(糸井重里による談話は、明日に、つづきます!)





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2004-03-22-MON

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