YAMADA
おとなの小論文教室。
感じる・考える・伝わる!

Lesson281  あなたの言葉が聴きたい


あなたの言葉が聴きたい。

きっと私は、ただひとつ、
そのためにこの本を贈ります。



「おとなの小論文教室。」は、1月5日、
単行本として、ネットの外に舟出します。

まちがいなく、あなたが育て、世に送り出した本です。

あなたはこうして、ここをクリックして、
読む、という行為を通じて、
私を育ててくれた。

あなたの「おもしろい!」という言葉が支えでした。

ありがとう。

あなたに逢えてほんとうによかった。

『おとなの小論文教室。』第一巻のテーマは、
「自分を表現する」ことです。

ずっと読んできてくださった方も、
このテーマで一冊に編み上げられたとき、
まったく違った読後感に
到達することに驚かれると想います。

読んでいるうちに、あなたも何か表現したくなる。
表現することへの無限の勇気がかきたてられる。

自分でいうのもおかしいですが、
そんな一冊になったと、お約束できます。

目には見えないけれど、あなたの中に「想い」がある、

それを言葉に表し、
この2006年の世の中に、おもいっきり、
通じさせてほしいのです。

あなたの中にある、もっともあなたらしい言葉、
それを聴くのを、
だれよりも、私がいちばん待っています。

自分の想いを表現するというレッスンを、
実は私たちは受けていません。

ですから、私たちは、みんな臆病な表現者です。

そして、ここにもへたくそな表現者がいます。

私も、大切な人ほど、たいせつな時ほど、
自分の想いが表現できなくて、
表現できなくて、
できなくて、

ぎりぎりになって、せっぱつまって、
言わざるをえない状況になって、
押し出されるように、
結果に対してものを言います。

たとえば、いま、仕事で「恋愛」というテーマを
ふられることが多いのですが。

告白するか、しないか。
どう言えばつきあってくれるか、くれないか。
という、なんともせちがらいところ、
1点に、多くの人の意識が集中しているように感じます。

だけど、ぎりぎりになって、せっぱつまって
相手に結果をつめよるまえに、
自分の「想いの色」を表現する機会は、
いく度となく、
おとずれているのではないか、と思います。

「あなたの前に座ると、なぜか気持ちが静かになります」
とか、

とりたてて何かの結果をねらうのではない、
ただ相手への理解を、ただ言葉に表して伝えてみる。

その人といる時間の色や、空気の色、
自分の心の色を、なんの意図もなく、
ただ、ただ、シンプルな言葉に表現して、伝えてみる。

その時々の、なにげない表現の積み重ねが、
ここいちばんのときの、
届く表現になっているんじゃないか,
私は、そう思います。

私たちは、なにかの結果のためではなく、
なにかの意図のためではなく、
表現してもどうにもならないことを、
いや、表現してもどうにもならないことだからこそ、
どうどうと、言葉にして表現していいのです。
嬉しいときも、哀しいときも、
何もないときも、いけてないときも、とほほなときも。

きっと、どうしようもない想いを、
多くの人が抱えていて、
そのどうしようもないものを
なんとかしようというところから、
「表現」は生まれたのだから。

そして、想いと表現が一致するためには、
考える力が要ります。

「おとなの小論文教室。」は、自分の頭で考え、
自分の想いを、自分の言葉で表現したい、という人に、
「考える」機会と勇気、
小さな技術を提供する読み物です。

2006年、いま、
ここから、あなたの表現がはじまります!



『おとなの小論文教室。』河出書房新社

…………………………………………………………………

<テレビ再放送のお知らせ>

12月28日 あさ 10:05−10:30
  1月4日 あさ 10:05−10:30
  1月5日 あさ 10:05−10:30
  1月6日 あさ 10:05−10:30
NHK総合テレビ『なるほど日本語塾』
「想いが通じるコミュニケーションレッスン」
*放送予定は突発的な事件などで
 変更になる場合があります。
…………………………………………………………………


『考えるシート』講談社1300円


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房1400円



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
山田ズーニー著 PHP新書660円


内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの
痛みと歓びを問いかける、心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)

山田ズーニーさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「山田ズーニーさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2006-01-04-WED

YAMADA
戻る