三谷さん、お疲れさまです。
ほんとによく働きますよねぇ、このかたは。
三谷さん、
きょうもニューヨーク帰りだからね。
そうだ、
ニューヨークで上映会をやったばかりで。
はい‥‥あの、よくご存じで。
だってツイッターで書いてましたよ。
あ、そうか、ツイッター。
はい。
ツイッターって、みなさん読んでるんですね。
読んでますよ。
うーん‥‥うかうかしてられないな。
一同 (笑)
だって、読みますよ、書いてあれば(笑)。
和田さん、
ツイッターはやられてないんですか?
和田さんは携帯も持たないと思うよ。
いや、携帯だけは持ってる。
お持ちですよね。
でも使い方はよく知らない。
写真が撮れる仕掛けの携帯を持ってるんだけど、
どうやったら写真が撮れるかっていったら、
ぜんぜんわかんない。
「かかってきても出ない」とおっしゃってました。
出ないんですか。
こっちからかけるときはかけるんだけど、
かかってくるのは面倒くさいからさ、
かかってこないような、仕掛けをね。
仕掛けを(笑)。
携帯は妻に持たされてるんですよ。
あ、奥様に。
それなのに出ないから、
「ちっとも役に立たない」って、
いつも怒られてる。
なるほど(笑)、
まぁ、電話のことはさておきまして‥‥。
和田さんも、
『ステキな金縛り』はもうご覧になって?
観ました。
おもしろかったです。
ありがとうございます。
三谷さんは、監督5作目ですよね。
ぼくは4作だからさ、もう抜かれちゃった。
はい(笑)、本数だけで言えば。
「映画監督は居心地悪い」とか言いながら、
もう5作目なんですよね。
そうですね、
いまだに居心地は悪いですが、なんとか。
「映画のことで頭がいっぱい」っていうのを
ぼくは経験したことがないので
わからないんですけれど、
それはどういう感じなんですか?
やっぱり、それだけになるんですか。



そうですね。
まず早起きしないといけない。
うん。
あ、もうそこから。
そう。
普段とは、まるで違うんですね。
ぜんぜん違う。
なんのために早起きするかっていったら、
映画のために早起きするわけだからね。
次に撮るシーンは決まっているので、
それをどう撮るかをずーっと考えてます。
舞台の場合は、もうちょっとルーズなんですよ。
1ヶ月前から稽古してシーンをつくるので、
その日にできなくてもあとでつくれるんです。
でも映画は、
そのシーンはその日に撮り上げないといけない。
かなり、集中してやりますよね。
そうだね。
やっぱり頭の中はそれだけになるよね。
早起きということは、
俳優さんよりも早く現場に?
いる。
いるんだ。
います、います。
へえー。
まぁスタッフはね、
照明さんなんかは早くから準備してるから、
その人たちよりは遅いけど。
ぼくは照明さんより早いです。
自信がないから、早く行くぐらいしかできない。
早く行って誠意を見せる、みたいな。
そうです。
でも、スタッフさんは嫌がるんですよ。
美術さんより先にぼくがいて、
未完成のセットをじっと見てたりすると。



あー、それは嫌ですよ(笑)。
うーーん‥‥
でもやっぱり、早く行くぐらいしか‥‥。
というお話をちょっとうかがっただけでも、
映画監督なんてぜったいにできないって
ぼくには思えちゃうんです。
それでもやってらっしゃるのは、
早起きや気遣いの苦労を超えるおもしろさが
当然あるってことですよね。
うん。
でもぼくらは、ずっとそうじゃないんですよ。
つまり、異業種監督だから。
映画監督が終われば、日常に戻るわけです。
まぁ、三谷さんの場合は、
映画に近いことが日常ですけどね。
芝居のホン書いたり、テレビドラマ書いたり。
うん、うん。
ぼくはガラッと違うことをしてるから。
そうですよね。
いや、逆にどうしてそれができるのか、
昔から聞きたかったんです。
和田さん、日常は180度、違うじゃないですか。
そうなんだけどね。
でも、映画の現場でも絵は描いてるの。
つまり、絵コンテを。



ああー、そうか。
あのね、『麻雀放浪記』
今出てるDVDの特典がね、
ぼくが描いた絵コンテなんですよ。
はあー。
それ、買ったほうがいいですね。
買うべきです。
映画と同じ時間、絵コンテが入ってて、
サウンドトラックもそのまま入ってる。
だから、絵コンテで真田広之がしゃべったり、
鹿賀丈史がしゃべったりしてるの。
切り替えがあるんですよね、シーンごとに。
ここの絵コンテはどうなってるんだろう?
って切り替えると、
パッと絵が出て、声が付いてる。
それはすごい。
大急ぎで描くから、絵は雑なんですよ。
はぁー。
でも、全カット描いてる。
それって、すごいことですよ。
やっぱり、すごいことですか。

ぼくも1作目で、絵コンテを描いてみたんです。
和田さんの絵コンテを見てたので、
真似しようと思って。

ちなみにぼくは、
和田さんの真似をしてここまで来た人間ですから。

一同 (笑)
それはまた気持ちのいい発言ですねぇ(笑)。
(つづきます!)
2011-11-17 THU

 




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