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| 担当編集者は知っている。 |
ネコエイズを抱えた、元ノラネコ「ジュル」と ネコアレルギーを抱えた、動物を飼ったことのない著者。 著者は、失う悲しみを恐れるのではなく、 それをも乗り越えられるほどの思い出をつくろうと 心に決めてこのネコと暮らしていきます。 そのさまを綴ったブログ「ジュルのしっぽ」をもとに、 この本ができました。 近づきすぎず、離れすぎず、 寄り添うように暮らす「ジュル」と著者。 穏やかな表情の「ジュル」を見ていると、 ほんとうによかったなぁと心があたたまります。 ブログはまだ続いていますので、 ふたりの様子は、引き続きご覧いただけますよ。 この本を担当されたジュリアンの 川股さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」小川) ************************************** 担当編集者 / ジュリアン 川股理絵 「ジュルのしっぽ」は、ブログを書籍化したものです。 今、ネコのブログは大人気で、 ぬいぐるみのように愛くるしいネコやぶすネコなど 個性的でかわいいネコたちがウェブ上にはあふれています。 ですが、この本の主人公である「ジュル」は、 いつも鼻水をたらしてやせ細り、 「病気持ち」と呼ばれるようなノラネコでした。 そして、著者である山崎さんは、 これまで動物と暮らしたことがなく、 しかもネコアレルギーの持ち主でした。 が、ある台風の夜、それまでは見守るだけだったジュルを とうとう家に連れ帰ってしまいます。 最初は飼うつもりではなく、 せめて鼻水だけでもどうにかしてやりたいと 病院へ連れて行ったところ、 ジュルはネコエイズのキャリアということが判明します。 それを機に、いつネコエイズが発症するかわからない不安を 抱えながらも、生活をともにすることを決意します。 生まれて初めてヒトと暮らすネコと 生まれて初めてネコと暮らすことになったヒト。 ふたりは、不慣れなことだらけの毎日の中、 少しずつ、けれど確実に距離を近づけていいきます。 ![]() ▲ 拾われた直後と、八ヵ月後では、まるで別ネコ! ふくふくと幸せそうになりました。 本になる企画をさがしていろいろなネコブログを見た中で、 「ジュルのしっぽ」に心惹かれたのは、 ビジュアルのかわいさやキャラクターの面白さを アピールするネコブログが多い中で、 「ネコはネコ、ヒトはヒト」という とてもフラットなネコに対する視線と、 シンプルでいて愛情あふれる文章と 雰囲気のある写真がとても印象に残ったからです。 単にブログの内容をまとめるのではなく、 文章を書き下ろしてもらい、 ジュルとの出会いからこれまでをひとつの物語として 読み進められるようにしたいと思いました。 ![]() ▲ おっとりほげほげした性格のジュル。 鼻の横の鼻水模様がトレードマークです。 実際に山崎さんにお会いしてみると、 これまでにもいくつかブログの書籍化の話はあったものの、 「ネコエイズやノラネコの問題など暗い話題にはふれない」 など出版社側の提示する条件が山崎さんの思うところと 折り合わず、実現していないということでした。 私は、かわいいだけではない メッセージ性のある本にしたいという考えをお話しし、 本のビジュアルイメージも山崎さんの望むものと 近かったことから、ご快諾をいただきました。 また、ご自宅の半径50m以内に住むノラネコの 去勢・避妊手術をほどこすなど、ノラネコを取り巻く環境を 改善する活動にご尽力されている山崎さんには、 本の内容だけでなく、書籍化にあたって もうひとつ強いご希望がありました。 印税分を全額動物愛護団体へ寄付するというものです。 そこには、かつてのジュルのような不幸な子をなくしたい という思いが込められていました。 そこで、最終的には、売上げの一部とあわせて 「ジュルのしっぽ」一冊につき100円が 身寄りのないネコ・イヌたちを救済する 「ライフボート友の会」へ寄付されることとなりました。 ![]() ▲ 肌が弱く、傷口をなめるとすぐ悪化してしまうため、 傷ができたときはなめ防止のため洋服を着ています。 この本では、文章や写真のセレクトはもとより、 構成、デザインから用紙にいたるすべてにおいて 山崎さんのこだわりが反映されています。 その分コンセプトがぶれず、読んでくださる方に メッセージが届きやすい形になっていると思います。 山崎さんと出会ったことで、 天涯孤独のノラネコだったジュルは幸せなイエネコになり、 多くの人に支持されるブログの人気者になりました。 また、山崎さんは「言葉が交わせなくても、心は交わせる」 ということをジュルから教えてもらったと書かれています。 相手のことをわかりたいという 真摯な気持ちをもって関わり合う中で、互いに学び、 成長していくということは 相手が人であっても動物であっても同じなのだと 本を作りながら気づかされました。 単なるブログ本の域を超えた、 意義のある一冊になったと思います。 ![]() ▲ ジュルはきちんとリードをつける練習をし、散歩もします。 ときには旅行にも参加! **************************************
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2008-06-27-FRI
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