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| 担当編集者は知っている。 |
作者の「今日マチ子さん」というお名前に 見覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。 といいますのも、ほぼ日上で2005年に開催いたしました、 「ほぼ日マンガ大賞」に入賞された作家さんなんです! その後、2006年、2007年と2年連続で 文化庁メディア芸術祭「審査委員推薦作品」を受賞。 今回、はじめての本が発売となりました。 web上で連載されている『センネン画報』の傑作選と 著者初の長編描きおろしマンガ、 「海からの36km」を収録。 独特のあわいブルーがこころに残る、 しずかな魅力にあふれたマンガです。 この本を担当された太田出版の 野口さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」小川) ************************************** 担当編集者 / 太田出版 野口理恵 『センネン画報』にはセリフがほとんどありません。 1作品が1ページのみ、という短いマンガですので、 コマとコマに潜むたくさんのセリフを、 こちらで感じとらなければなりません。 時折見せる、大胆なカット。 それでいてどこか懐かしい、静かな佇まい。 耳を澄ませて読む、そんなマンガです。 今日マチ子さんとの出会いは、2007年の年末。 別の単行本で「制服フェチのマンガ」という、 ショートストーリーを描ける作家さんを見つけていたとき、 知り合いの編集者から紹介されたのがきっかけです。 こんなことをいうと失礼かも知れませんが、 発注した段階では、内容を期待するというよりも、 「難しいお題を出してしまって申し訳ないなあ」 という気持ちでいっぱいでした。 ところが、 上がってきたネームをみて、驚きました。 それはもう度肝を抜かれる内容で、 「何だこの人は!? このマンガは何だ!?」 と一瞬でノックアウトされたのを、 いまでも覚えています。 ![]() ▲ 「歯科医とパティシエ」(『制服男子』より) 歯科医の兄とパティシエの弟、 弟の彼女の三角関係が描かれる。 それ以降は、 もう今日マチ子の魅力の虜です。 webで連載されている『センネン画報』を 食い入るように見て、 「彼女の作品をもっといろんな人に知ってもらいたい」 と、すぐに出版のお話をしました。 作品をまとめる際は彼女の代表作であり、 ライフワークでもある『センネン画報』を。 そして、「長編作品」を 描きおろしてもらえないかとお願いしました。 「今日さんなら絶対に長編も描ける! 私はもっと今日さんの作品を読んでみたい!」 と、私が描くわけでもないのに、 妙に自信にあふれた感じで、 いま思えば今日さんも驚かれていたかもしれません‥‥。 何はともあれ、こちらの気持ちを伝え、ご承諾いただき、 企画会議に通し年末年始でバタバタとお話が進みました。 装丁は、 プリグラフィックスの川名潤さんにお願いしました。 作品のテイストが合っているのはもちろんなのですが、 彼を選んだ理由は、 彼自身が『センネン画報』を好きそうだったから。 案の定、おおいにハマってくださりましたので、 スタッフ全員が「今日マチ子ファン」という 最高の布陣で臨めました。 初めての打ち合わせの際は、 今日さんにも同席してもらいました。 高野文子さんの『おともだち』を持ってきて、 「こういう、女の子が宝物にしてくれるような本にしたい」 と今日さんがおっしゃられていたのが印象的です。 今日さんにとって、今回の出版は「処女本」になります。 彼女にとっては一生に一度の、 しかも今後を占う大事な1冊です。 慎重に、でもなるべく彼女の希望も叶えてあげたい、 と思っていました。 制作段階で、『おともだち』のようなBOX入り、 という夢は断念せざるを得なかったのですが、 ハードカバーで、花布(はなぎれ)、スピンをつけた、 「コミックだけどきちんとした装丁」 という目標はなんとか叶えることができました。 カバーの絵は川名さんが、 「僕、これが好きなんです!」 と、1回目のカバーラフから「きみ」という作品の 1コマを切り抜き、 この時点で、ほぼいまの状態まで出来上がっていました。 ![]() ▲ 表紙の描きおろしの作品。 差し色で赤い浮き輪を。 ![]() ▲ スタッフ全員が大好きな「きみ」。 このブルーが今日マチ子カラー。 『センネン画報』はほぼ毎日更新しているので、 すでに原稿が1200枚程度ありました。 その中から、まず今日さんに春夏秋冬ごとに 掲載したい作品を多めに選んでいただき、 私のほうで、ストーリーが成り立つよう パズルのように組み合わせて構成しました。 『センネン画報』は、 時間を越えてわざと話を飛ばしたりするところもあるので、 今回の構成のように、 しっかりとリンクがわかるような作りはマズイかな? と思いましたが、 「本ならではの楽しみ」になってくれればと思い、 この流れになっています。 帯は森見登美彦さんにお願いしました。 川名さん同様、「きっと好きそうだな」という理由と、 森見さんの作品と、今日マチ子さんの作品の空気が 個人的にとてもよく似ているような気がして、 イチかバチかでゲラをお送りしてみました。 結果的に、とても気に入っていただけたようで、 森見さんらしい、 とても素敵な帯文をいただくことができました。 感謝してもし尽くせません。 何よりも一番頑張った今日マチ子さんに、 「処女本らしい」純白の美しい本を お渡しすることができて、本当によかったです。 きっと、今日マチ子さんは、 今日も新しい作品を『センネン画報』で発表しています。 日々成長する今日マチ子を楽しんでもらえたら嬉しいです。 **************************************
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2008-06-10-TUE
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