担当編集者は知っている。



『草手帖』
著者:かわしま よう子
価格:¥ 1,365 (税込)
発行:ポプラ社
ISBN-13:978-4591101858
【Amazon.co.jpはこちら】


本書は、いろんな雑草、
どこにでもあるあの雑草についての本です。
しかし、『はなのほん』
『しんぷるらいふ』の著者である
かわしまよう子さんの手にかかると、
身近だからこそ、 愛おしい草花のように思えてきます。
また、よく知っている雑草が、意外な名前だったりと、
おもしろい発見もあります。
デザインは、矢野顕子さんのアルバムなども手がけた、
ブルーマーク・菊地敦己さんがご担当。
どうぞこの本を片手に、雑草を観察してみてください。
道々に生えている雑草が
なんだか違って見えるかもしれません。
この本を担当されたポプラ社の
小松さんにお話をうかがいました。
(「ほぼ日」小川)


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担当編集者 /
   ポプラ社 小松大輔



ナガミヒナゲシ、ナズナ、ハハコグサ‥‥。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
ここにあげたのは全て雑草の名前です。
そう、「ムシってもムシっても生えてくる」、
「邪魔もの」などと、あまり良いイメージで
語られることのない道端にひっそりと咲く、雑草。

かわしまよう子さんの『草手帖』は、
そんな見過ごされがちな雑草に、
目を向けるきっかけを与えてくれるに違いない
雑草案内です。
本書では、みなさんの身近に咲いている雑草が40種、
春・夏・秋の季節ごとに分けられ、
1点1点かわしまさんの書き下ろした
味わい深いエッセイと、
同じくかわしまさんが撮り下ろした
美しい写真とで紹介されています。

例えばこんな風に。

摘んだとたんに花びらをポトリと落とす雑草、
オオイヌノフグリ。
小さな宝物を扱うように、
どんなにやさしい気持ちで指先に包んだとしてもそう。
青い花びらはくるくると宙を舞い、地面に落ちて姿を消す。
(中略)
オオイヌノフグリは背丈が低いので、
ほかの草たちに影をつくられまいと
誰よりも早く目を覚ましている。
北風の冷たい頃から、
大地の上に葉を広げて蕾をつくる準備をしている。
誰だって持っている弱点は
「頑張ること」で克服できるということ。
早春の花といわれるオオイヌノフグリは、努力家な花。
(「オオイヌノフグリ」より)


図鑑に載っている科学的な情報ではなく、
雑草との出会いを機に、
かわしまさんが五感で感じたこと、
考えたことから紡ぎだされた言葉。
かわしまさんは、
まるで親しい友達を紹介するような語り口で、
雑草をわたしたちに紹介してくれます。



本書より


そんな「雑草の友」である
かわしまさんのことを知ったのは、
2006年に吉祥寺のギャラリーで行われていた
かわしまさんの展覧会でした。
会場の床や段差のある棚に飾られていたのは、
小さな草花が挿された空き瓶、
お弁当についてくる醤油のケース、
空のフィルムケースなど。
空き瓶の口から出ている草花に目がとまり、
その後おのずと、瓶そのものに目が移り、
瓶のカーブの滑らかさや、
光の当たった表面の艶やかさなど、
瓶本来の美しさに気づかされました。
空き瓶のような、
使い捨てられていく運命のものにも、
ほんの少し工夫をほどこすことで、
新しい使い道や美しさが生まれてくる。
この展覧会でそんなことを教わりました。

こうしたかわしまさんの発想力と表現力は、
そのまま『草手帖』にも繋がっています。
“無用のもの”である空き瓶に草花が挿されたことで、
瓶が美しく見えたように、
“邪魔なもの”である雑草が
かわしまさんの言葉と写真で表現されることによって、
輝きはじめるのです。

どうか、本屋さんでこの本に出会ったら、
試しにページをめくってみてください。
雑草が本来持つ造形美と色彩美を
見事なまでに映し出したかわしまさんの言葉と写真に、
みなさんの目は釘付けとなることでしょう。

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『草手帖』
著者:かわしま よう子
価格:¥ 1,365 (税込)
発行:ポプラ社
ISBN-13:978-4591101858
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2008-05-20-TUE

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