担当編集者は知っている。



『ジャーナル』
著者:甲斐 みのり
価格:¥ 1,260 (税込)
発行:millebooks
ISBN-13:978-4902744316
【Amazon.co.jpはこちら】


「Loule」という雑貨ブランドの運営を中心に、
様々な雑誌への寄稿、
著書の出版など幅広くご活躍されている
甲斐みのりさんの初エッセイ集です。
HP内で一人の女性が、
誰に宛てるわけでもなく、
日々綴ってきた言葉たち。
それらは、とてもまっすぐで、
今日の不安も明日の希望も詰まっています。
網中いづるさんによる挿画もぴったりです。
この本を担当されたmille books(ミルブックス)の
藤原康二さんにお話をうかがいました。
(「ほぼ日」小川)


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担当編集者 /
    mille books(ミルブックス) 藤原康二


本書『ジャーナル』は
『甘く、かわいく、おいしいお菓子』
『乙女の京都』『乙女みやげ』など
数多くの著書を上梓してきた
文筆家、甲斐みのりさんの初となるエッセイ集です。
甲斐さんは文筆家を始める以前に、
雑貨ブランド『Loule(ロル)』をスタートさせました。
その商品を販売する目的で2002年に開設されたHP内に
甲斐さんが日々想うことを綴るために作られたのが
この本の元となったジャーナルのコーナーでした。
ジャーナルで綴られた文章は、
日々の想いを書いた日記を遥かに越えた、
短編映画を見ているような
情景が浮かぶ、鮮やかなものでした。
男性である私には絶対に描けない、
女性としての誇りを感じる、日々の断片たち。
私は、これはHPとしてだけではなく、
印刷された実体のある本という形で、
多くの方の手元に届けるべきものだと考えながら、
日々更新される甲斐さんの文章を楽しみに
頻繁にサイトを訪ねるようになりました。

約3年半が経過した2006年。
私は、ジャーナルを本にしたいという話をしました。
甲斐さんは驚いた様子で
「本にするために書いた文章ではないので、
 1冊にまとめ発表することは考えられない」
と承諾いただけませんでした。
私は客観的に見た甲斐さんの文章の魅力を
根気よく伝え続けました。
説得を続けること約半年、
やっと本として発表することを了承いただけました。
2002年から綴った日々の物語は
その時(2006年の年末)には、
すでに500を越えていました。
すべて掲載しようとも考えたのですが、
そこから普遍的に、ずっと読めるもの
その時の気持ちで何度読み返しても
色々な視点で解釈できるものを
選出して掲載することにしました。
その作業は、思いのほか大変で、
しかもその選出を進める間も
ジャーナルは日々、綴られ続けました。
新たな話も候補に含め
同時進行での選出作業が約半年続きました。
そして2007年夏、約700から厳選された、
62篇のジャーナルが決定しました。

次に相談したのが装幀。
打合わせで真っ先に上がったのが、
公私ともども姉妹のように仲良くし、
甲斐さんのことをすべて理解している
イラストレーターの『網中いづる』さん
網中さんであれば、何も説明しなくとも
ジャーナルで伝えたいことを100%表現してくれる。
そう確信し、網中さんには多くを伝えず、
選出された文章を読んでいただき、
自由に描いていただくことにしました。
そして上がってきた装幀画は
正面をしっかり見据えた、大人にも見える少女の姿。
それは、まさにジャーナルで伝え続けてきた
少女を経て大人になった女性だから
共感できる「恋」を体現した素晴らしい絵でした。
さらに、網中さんは本書内の文章に添える
装画のために約200点の線画を描いてくれました。
その絵は、具体的にどの文章と
想定して描かれたものではないにも関わらず
恐ろしいほどフィットしました。
そして、デザインを手掛けてくれたのは
こちらも甲斐さんのことを知り尽くし、
余白を生かした空間を作ってくれる葉田いづみさん
文章のそばには絵が初めからあったような、
必然性さえ感じる
素敵なデザインに仕上げていただきました。



カバーを取ると、
本体表紙にも網中いづるさんによる鮮やかな花の絵が。


こうして、デザインもほぼ仕上がり、
間もなく完成という時、甲斐さんからこんな話を聞きました。
今から7年前、文筆家になることを夢見ていた24才当時、
とあるきっかけで知り合いになった
甲斐さんが憧れ、多大な影響を受けた
漫画家、魚喃キリコさん
「自分の夢は文筆家になることで、
いつかその夢が叶った時には、
自分の本の帯に文章を書いていただきたい」
ことをお願いしたそうです。
このお話を聞き、初めての文章だけの本、
『ジャーナル』を発表するにあたり
魚喃キリコさんにコメントをいただけないか
聞いてみようということになりました。
すると、24才の甲斐さんが言ったことを
魚喃さんは覚えていて、
コメントを頂くことを快諾いただきました。
そして入稿日の前々日、
魚喃キリコさんからの文章がファックスで届きました。

短文の目をおとすのが
こわいくらい
あざやかだ。
はじめて会った7年前、
みのりちゃんは
24才の少女だった。
言葉がすきだと
話してくれた少女は
本当に言葉の世界のヒトに、
なったんだね。
おめでとう。

甲斐みのりさんの夢が叶った瞬間であるととともに、
本当の意味での
「文筆家 甲斐みのり」が誕生した瞬間でもありました。

こうして、紆余曲折を経て完成したのが、
本書『ジャーナル』です。
女性はもちろん、男性の方が読んでも
共感できるお話が詰っています。
ジャーナルは、読む時々の気持ち次第で、
いろんな発見がある本だと想います。
読んだ方が、何か一つでも
新しい何かを見つけてくれたら嬉しいです。



網中いづるさんの線画がふんだんに掲載され、
絵だけでも楽しい誌面です。



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『ジャーナル』
著者:甲斐 みのり
価格:¥ 1,260 (税込)
発行:millebooks
ISBN-13:978-4902744316
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2008-05-09-FRI

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