担当編集者は知っている。


『親子論。』
編集:週刊朝日
価格:1,365円(税込)
発行:朝日新聞社
ISBN-13: 978-4023302723
【Amazon.co.jpはこちら】


佐藤明さん・佐藤可士和さん親子、
野村万作さん・野村萬斎さん親子、
島尾伸三さん・しまおまほさん親子、
市川團十郎さん・市川ぼたんさん親子など、
各界で活躍されている
35組の親子の対談を収めた本です。
ざっくばらんに本音で語り合う親子の会話は、
時に尊敬、葛藤、反抗、愛情などが入り交じり、
いつもと違う面を見せてくれます。
この本を担当された朝日新聞社の
大川恵実さんにお話をうかがいました。
(「ほぼ日」渡辺)

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担当編集者/
   週刊朝日 編集部 大川恵実



タイトルに「論。」がつきますが、
カタイ本ではありません。
「週刊朝日」の「親子のカタチ」という連載から、
35組の親子対談を収録した本です。

この35組の親子の顔ぶれが
なんといってもスゴイ!
まずは下の写真を見てください!!


(クリックすると大きい画像で見られます)

国内外問わず、さまざまな分野で活躍している
親子ばかりだと思いませんか?

この親子という近い存在の対談ゆえ、
普段は見えない顔がいろいろと見えてくるのですが、
これが本書の醍醐味とも言えるのではないでしょうか。

たとえば、
デザイン界を牽引する佐藤可士和さんは、
30歳になるまで実家で暮らしていて、
父親に蹴りだされるようにひとり暮らしを始めた、とか。
「女の人に優しすぎる」と人に言われるのは
父親譲りだと主張するのは、いしだ壱成さん。
いしだ壱成さんは、自身の大麻事件の時のことも
臆することなく話しています。
また、なんとなくコワモテに見える筒井康隆さんは、
息子さんと親子ゲンカしたこともなく、
逆に、語りかけるような優しい歌声の小椋桂さんは
息子の神田宏司さんの顔を見れば
口うるさく怒ったり、説教をしたり、
角川春樹さんにいたっては、
「タブーはない」と、
娘のKei-Teeさんを恋人のように思っている‥‥。

私たちがテレビや雑誌で見ている
「有名人」の顔から離れ、
ひとりの人間として、親/子として生きている
「普通の人」である姿が収められています。

その「普通の人」の一面は、
たとえば、
鳥越俊太郎さんが、娘さんが引っ込み思案ゆえに
ちゃんと育つか心配したり、
杉山愛さんが、親の敷いたレールを
うまいこと走らされているだけではないかと
疑問に思ったり、
東ちづるさんが、親の過度の期待から
「アダルト・チルドレン」になってしまったり‥‥、
私たちと同じようなことで、
苦しんだり、悩んだりしていることにも現れています。


▲東ちづるさん、東英子さん親子の扉
 写真:川口宗道


けれども、この悩みの解決法が、
時に大胆で、豪快!
時代を牽引している人ならではの考え方なのか、
それともその思い切りのよさが
活躍の場所を広げてきたのか‥‥。
これはぜひとも読んで、感じてほしい部分であります。

そして編集者にとって、本を作るというのは、
まさしく子どもを世に送り出すことと一緒です。
ある先輩編集者の言葉、
「簡単にできる本はない。
 何かしら問題が出てくるものだ」
という通り、この本もまた難産でした。

本書に関わったデスク、ライター、編集者と
本のタイトルから方向性、
どんな方に読んでもらいたいのか、
どんなデザインにしていくのか、
すべてにおいて、意見が分かれ、
冷却期間をおいては話し合い、
「もうまとまらないんじゃないか」と
何度も頭を抱えました。

それというのも、この本が
たくさんの可能性を秘めているからなのです。
親子なのに有名人という関係のふたりが、
歯に衣着せぬトークバトルを繰り広げると、
子どもをどう育てるかのヒントでも、
ビジネスを成功させる秘訣でも、
親子関係に悩んでいる人への、解決の糸口でも、
そして、好きな有名人の生活を見ることでも、
どんな切り口でもおもしろくなってしまう。
また、35組分を通して読んで感じる、
どの親子も違って、どの親子にも正解はない、
という、あたりまえだけど不思議な関係‥‥。
これをどう伝えるのがベストなのか?
私たちはずっとそれを考え、
書籍・雑誌編集者としての経験はもちろん、
父親・母親からの目線を取り入れながら
少しずつまとめ、作り上げていきました。

そして、洋服とも言うべき装丁は、
ふたりの息子さんの父親でもある
斉藤よしのぶさんにお願いをしました。
既成のフォントを使わず、
タイトル文字を作るところから始めてくださり、
かっこよく、かたくなりすぎない黄色の装丁で、
安心して「わが子」を
世の中に送り出すことができました。
本の基調となる色が
黄色と白のたまごの色になったのは、
まったくの偶然らしく、
そんな偶然を斉藤さん自身も
楽しんでいらっしゃるようでした。

こうして皆さんにお届けできることになった
本書『親子論。』!
ぜひ、ひとりでも多くの方に、
気軽に、気楽にこの本を手にとっていただき、
私たちも気がつかなかった
新しい可能性を読み取っていただけたらな、
と思っています。

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『親子論。』
編集:週刊朝日
価格:1,365円(税込)
発行:朝日新聞社
ISBN-13: 978-4023302723
【Amazon.co.jpはこちら】

担当編集者さんへの激励や感想などは、
メールの題名に本のタイトルを入れて、
postman@1101.comに送ってください。

2008-03-07-FRI

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