担当編集者は知っている。


『ジョルジュ・バルビエ画集
 永遠のエレガンスを求めて』

著者:鹿島茂
価格:3,675円(税込)
発行:六耀社
ISBN-13:978-4897376042
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1920〜30年代にフランスで生まれたアール・デコ。
そのアール・デコを代表するイラストレーターの
ジョルジュ・バルビエは、
日本、中国の東洋美術や古代エジプトの美術など
様々な要素を自分の作品に取り込み、
モード画や挿画の傑作を生み出しました。
本書はジョルジュ・バルビエの作品を
約200点掲載した画集です。
この本を担当された六耀社の
宮崎さんにお話をうかがいました。
(「ほぼ日」渡辺)

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担当編集者/
   六耀社 編集部 宮崎雅子



ジョルジュ・バルビエをご存知でしょうか。
アール・デコの時代、
時代の尖端をゆくファッションデザイナーや
クリエーターたちに多大なる影響を与えた
稀代のイラストレーターのひとりです。
常にエレガンスを追求し、
流行を生み出したバルビエの魅力とは何か?

それを解き明かしてくれるのが著者である鹿島茂氏です。
本業は、19世紀のフランス社会や文学を専門とする
鹿島氏ですが、その活動のフィールドは、
数多のジャンルを越境し、
かつ、いずれにおいても
驚異的な博学多識を誇っているのは有名な話。
(本書が120冊目の著作となり、
 今後も幅広い領域に及ぶ著書を続々上梓される予定。)
様々な貌を持つ鹿島氏ですが、
とりわけ、古書コレクターとしての存在は有名で
『子供より古書が大事と思いたい』(青土社刊)をはじめ、
古今東西の古書に関する著作多数。
質・量ともにこれほど多くコレクションされているのは、
日本ばかりか海外にも
いらっしゃらないのではないでしょうか?
本書も氏が所持する膨大な稀覯本から生まれた1冊です。

さて、本書の主役である
ジョルジュ・バルビエについてご紹介いたしましょう。
バルビエは、鹿島氏が
「アール・デコ最高のイラストレーター、
 否、20世紀ナンバー・ワンのイラストレーター」
と絶賛するほどの才能を有する逸材。
しかし、それほどのイラストレーターが
何ゆえ埋もれてしまっているのか?
それは、バルビエはファイン・アートを
ほとんど手掛けず、
グラフィック・アートのみで
才能を発揮したがために、
公式の美術史からは黙殺され、
また、多くの作品(本)はコレクター向きの
レアアイテム(限定出版本)であったために、
ほとんど人の目に触れることなく
今日に至っているからなのです。
それゆえに、バルビエに関する本は
世界規模で見ても極めて少なく、
よしんば作品をご覧になった方であっても、
ロシア・バレエのディアギレフや
ニジンスキーの挿絵としてみかけたことがあるのが
せいぜいではないでしょうか。

本書では、ロシア・バレエ作品を筆頭に、
バルビエの真骨頂であるモード・イラストレーション、
ピエール・ルイス『ビリチスの歌』を代表とする
文芸作品の挿絵などを、
モード、ロココ趣味、ジャポニズム・シノワズリ、
エロティシズム、モダン・ライフ、
トランスセクシャル‥‥といった
10のキーワードの下に再構成。
バルビエが到達した画期的かつ豊穣なデザイン力、
配色センスを存分に味わっていただける
画集に仕上げてあります。
さらに、鹿島氏がコレクションする
挿絵図版約200点を掲載。
もちろん、本邦初公開の作品も多数収録されています。

そして、バルビエ作品の魅力を
際立たせているポイントとして、
ポショワールという技法があげられるでしょう。
薄い金属に形をくりぬいた型を数枚つくり、
上から絵の具を塗り重ねる手法で、
写真技術が稚拙だった20世紀初め、アール・デコの頃、
ファッション誌では、イラストレーターと刷り師が組んで、
このポショワール技法で
ファッション・プレートをつくっていました。
この頃のイラストレーターというのは、
ファッション・デザイナーが
デザインする服をそのまま描くのではなく、
イラストレーター自らが
独自のコンセプトでファッション・プレートを描き、
逆にデザイナーやさまざまなクリエイター達が
そこからインスピレーションを得たと言われ、
まさにイラストレーターが
時代のモードをつくりあげていました。

本書の中で,鹿島氏は、
「エレガンスの概念を知りたかったら、
 バルビエのモード・イラストをみよ。」
と言われているように、
えも言われぬほど美しい色彩をつくり出すこの技法で、
バルビエらアール・デコのイラストレーター達は、
「ジュルナル・デ・ダム・エ・デ・モード」や
「ガゼット・デュ・ボン・トン」などの
高級ファッション誌に、
数々のファッション・プレートを紹介していました。

時代の突端を駆抜けたバルビエの魅力とは何か。
バルビエの描いた作品約200点を収録したこの画集で、
アール・デコの時代にしばしタイムスリップして、
エレガンスに浸ってみる。
そんな至福のひとときが味わえる
1冊になったのではないかと思います。
発売は3月3日ごろを予定しております。

また、現在、
東京・銀座「ハウス オブ シセイドウ」ギャラリーで
「香りと恋心 
 バルビエのイラストレーションと香水瓶 展」が
開催されおり、
鹿島氏のバルビエコレクション=オリジナル作品を
じかに見ることが出来ます。
またとない機会ですので、お見逃しなく。

香りと恋心
バルビエノイラストレーションと香水瓶 展


期間:3月23日(日)まで
時間:平日11:00〜19:00まで(入館は18:30まで)
   休日11:00〜18:00まで(入館は17:30まで)
定休日:毎週月曜日
入館料:無料
くわしくはこちらをごらんください。


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『ジョルジュ・バルビエ画集
 永遠のエレガンスを求めて』

著者:鹿島茂
価格:3,675円(税込)
発行:六耀社
ISBN-13:978-4897376042
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2008-02-26-TUE

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