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| 担当編集者は知っている。 |
著者の森井ユカさんは立体造形作家、デザイナー、 イラストレータと多方面で大活躍されている方。 雑貨コレクターとしても有名で、いままでに 『スーパーマーケットマニア ヨーロッパ編』 『ミュージアムショップトリッパー!』など 独特の視点を持つ雑貨の本を出されてます。 ちなみに、ほぼ日乗組員のカワイイもの好きの山下の 『ファイヤーキング マグ図鑑』の ブックデザインも森井さんです。 今回、森井さんが教えてくれるのが ドラッグストアの雑貨たち。 この本を担当された青山出版の 高橋さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) ************************************** 担当編集者/ 青山出版社 高橋祐子 海外旅行に行って、 その土地の薬局に入ったことはありますか? 白衣の店員さんに話しかけられたらどうしよう? なんて思ってしまっていませんか? 実はこの本を担当するまで、 私、ホテルにある薬屋さんくらいしか 入ったことがなかったのです。 そんな私を開眼させてくれたのが、 立体造形家であり、雑貨コレクターでもある、 森井ユカさんでした。 いざ、ドラッグストアの世界へ 「こういうの知ってます?」 とユカさんが差し出した、ドラッグストア雑貨。 ドラッグストアの雄、 イギリスBootsのオリジナル包帯でありました。 グッときました。 医療品なのに、なぜここまでスタイリッシュなのか‥‥。 「他にももっとありますよ〜」 そう言って、ユカさんはグッド・デザインな ドラッグストア雑貨の存在を教えてくれたのです。 そしてユカさんは言いました。 「私、小さい頃からケガとか多くて、 よく病院にお世話になっているんです。 だから、薬や医療器具なんかの デザインが大事だってことが、身にしみているんです」 ![]() ▲右ページがBootsのオリジナル救急セット。 中央にある丸いのが包帯です。 確かに、そうです。 病は気から。 気分が良くなければ、体調もよくなりません。 ダサい歯ブラシだと、歯を磨く気が起こりません。 (いや、それは大人としてマズいですね) 『ドラッグストア トリッパー!』の始まりです。 海外取材でユカさんが夢中になったもの 「トリッパー」とは 「旅する」ことと「夢中になる」ことを意味します。 名付け親はユカさんです。 世界中の小さくてカワイイものを探し求めて、 年中あちこち飛び回っているユカさんは、 まさに究極の「トリッパー」。 今回の取材はスウェーデン、フィンランド、 イギリス、フランスと4カ国にわたっています。 私はスウェーデンとフィンランドの 取材に(かこつけて)同行しました。 スウェーデンのとあるオシャレなカフェで、 ユカさんが興奮してこう言いました。 「高橋さん、今日は大収穫。 ものすごいモノ見つけちゃいましたよ」 「なんすか、それは!?」 「しびんです」 「は?」 「し び ん。尿を入れるもの」 私の頭の中は、病院のトイレなどにズラーと置いてある、 目盛りがついた容器でいっぱいになりました。 あれはけしてオシャレではない‥‥。 しかし、モノを見せていただいて納得しました。 それが、これです。 ![]() ▲左ページがしびんの解説書。 右がユカさんが現地で撮影したロケ写真。 このしびんは2004〜2005年に、 アメリカ、ドイツ、日本で グッドデザイン賞を受賞した経歴を持つのだとか。 しかし、このしびんを堂々と屋外で撮影してしまう ユカさんのセンスも、かなりのものだと思います! 手に汗にぎるスタジオ撮影 今回のスタジオ撮影で一番白熱したのが、 この「液晶式簡易体温計」。 ![]() おでこに当てると、数字が浮き出て、 37度、38度、39度と、 かなりアバウトな体温がわかります。 電子体温計に慣れてしまった私たちには、 違和感がありますが、 フランスではまだまだ現役なんだとか。 ちなみに、フランスでは37度までが平熱だそうです。 今回の撮影モデルは、人形の赤ちゃん。 だから体温がありません。 シャッターを切る直前まで、 ドライヤーでゆるゆる暖めて、 人形のおでこになじむようカーブをつけ、 数字の表示が消えないうちに、 エイヤッ、エイヤッと撮影、 数字が38度になってしまってやり直し、 慎重にやりすぎて、今度は表示が消えた‥‥。 体温計はバッチリ! だけど、赤ちゃんの角度がイマイチかわいくない‥‥。 などなど、このカットを撮るだけでも 1時間以上の時間を費やしています。 妥協を許さない現場で、大切に撮影された写真たち。 これも『ドラッグストア トリッパー!』の 魅力になっています。 ユカさんの海外旅行秘話 ![]() これ、なんだかわかりますか? フィンランドの薬局、アポテーキで売られている、 直径2cmほどの、シルバー製のロケットペンダント、 その名もSOSパスポートです。 ロケットの中に、自分の持病などの情報を 書き込んだ紙を入れておけるものです。 細長〜い専用の書き込み用紙もついていて、 これが水にとけない素材なんだそう。 この用紙も、カワイイですよね。 太線にそって切ると、ちょうどロケットに入るんです。 小さくてカワイイものを愛する、 ユカさんならではのチョイスが光る逸品です。 国内でも大忙しのユカさん。 ですから海外取材の時間は、 とても限られたものになります。 毎回どうやって時間をやりくりしているのか、 とても気になりますよね。 ユカさん最大の裏ワザは、時差ボケがないこと。 ユカさんは日本にいるとき、ものすごい夜型、というか、 夜に集中して仕事をされるので、 すでに昼夜逆転しているのですね。 海外取材だと、日中取材することになるので、 いつもの仕事の時間帯と変わらないのだとか。 しかし、ユカさんは平気で 日中仕事をされている時もあり、 「いつ寝ているんだろ? そしてプライベートは?」 といらぬ心配をしております。 (時差がない地域での海外取材も同様に‥‥) デザインが人を元気にする ![]() ▲フィンランド、アポテーキの店内外。 コーポレートカラーのグリーンが効いてます。 ドラッグストアは世界中にある、 私たちの暮らしになくてはならないものです。 薬や洗剤、化粧品、その他の日用品が ところ狭しと並ぶ店内。 そんなドラッグストアグッズのデザインが、 私たちを元気にしてくれたら、とても嬉しいですよね。 体が弱っているときはなおさらです。 「デザインにできることは、まだまだあるんだな」と、 本書を作っている私も元気になりました。 本書が「病を気」から起こしている人たちの、 お役に立てることを願っています。 **************************************
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2007-09-25-TUE
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