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| 担当編集者は知っている。 |
子どもから大人まで 幅広いファンを持つ 絵本作家、五味太郎さんの 初のむかしばなしです。 有名なももたろうの話をもとにして 五味さんが生み出した 新しいももたろうは、あったかくて、 型破りでユーモアがいっぱいです。 この絵本を担当された絵本館の 有川さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) ********************************** 担当編集者/ 絵本館 有川裕俊 絵本作家、五味太郎。 自由な発想、斬新な切り口。 その作風は他に類をみません。 作品数も400点を越え、 世界でも数多くの絵本が出版されています。 圧倒的な存在感です。 その五味さんが 唯一描いていないジャンルの絵本がありました。 むかしばなし絵本です。 創作絵本作家である五味さんにとっては、 考えたことのないジャンルでした。 ![]() ▲扉絵です。 そもそも「むかしばなし」は、語り継がれてきたものです。 祖父、祖母、親から、孫たち、子たちに 語り伝えられたもの。 語りですから極端な言い方をすれば、絵は無用。 子どもたちは言葉だけで想像してきました。 こわい話では、おとなにしがみつきながら聞き、 主人公が大活躍の話では、 それこそ手をたたきながら喜ぶ。 そんなふうに楽しんできました。 ![]() ▲ももから生まれたから「ももたろう」という 名前になったこともこれまた有名です。 「ぼくは生まれてこの方、ずっと 五味太郎という名前でやってきておりまして 桃太郎も金太郎も浦島太郎も 三年寝太郎も、 なんとなく他人とは思えないところがありましたので、 敢えてその絵本を描くなんて 考えたこともありませんでした。 そのぼくがひょんなことから 描くことになったわけで‥‥。 これがなかなかおもしろい! めでたいことです」 と相成り、 『だれでも知っているあの有名なももたろう』が 産声をあげたというわけです。 記念すべき五味太郎初の むかしばなし描き下ろし絵本です。 ![]() ▲うーん、ちょっとピクニック気分ですね。 ![]() ▲これがうわさの鬼ヶ島です。 最初に原稿をみたときに、 まさしく五味さんのいうとおり 「これがなかなかおもしろい」。 「だれでも知っているももたろう」と 「だれも知らないももたろう」が、描かれており、 そこには、得意のユーモアはもちろんのこと、 五味さんの精神の拠りどころ、 その一端がはっきりとあらわれています。 それは、オープンマインドです。 異なる世界の者。異なる世界の人間でも鬼でも、 まず先入観や偏見を排してへだてなく受け入れる。 こんな心もちをもつ人に 子どもたちが育ってくれれば、 世界から紛争もなくなり、 平和が約束されることになるでしょうに。 ![]() ▲「ではサッカーの試合はどう?」と ももたろうが言いました。 以前、五味さんが「子どものため」という言葉について 「男とか女とか、外国人とか日本人とか、 大人とか子どもとか、 そんなこともともと気にもせず育ってきた。 だから子どものための絵本といわれても、 わざとらしくてぴんとこないな」 と話していました。 つまり、日本人でも外国人でも、 大人でも子どもでも へだてなく人に接する心です。 なにしろ、 「行ってみなければわかりません。 会ってみなければわかりません。 行ってみればわかります。 会ってみればわかります。」 ということで、 先入観と無縁な心もちと偏見に囚われない ゆったりとした心。 いい気分になれますよ。 ![]() ▲行ってみなければわかりません。 会ってみなければわかりません。 行ってみればわかります。 会ってみればわかります。 五味さんの手にかかると、 『ロミオとジュリエット』から 『ウエスト・サイド物語』が生まれたように、 むかしばなし『桃太郎』から 五味太郎版『ももたろう』の誕生です。 その次第を、ご自分で手にとってみてください。 なにより本歌取りは日本の伝統でもあります。 つくづく絵本はすてたものじゃありません。 長年かかわってきた私が あらためて絵本ファンになってしまうほど おもしろい絵本です。 こんな包容力あふれた絵本を出版でき、 うれしいかぎりです。 **********************************
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2007-08-14-TUE
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