担当編集者は知っている。


『だれでも知っている
 あの有名なももたろう』

著者:五味太郎
価格:1,365円(税込)
発行:絵本館
ISBN-13: 978-4871100663
【Amazon.co.jpはこちら】

子どもから大人まで
幅広いファンを持つ
絵本作家、五味太郎さん
初のむかしばなしです。
有名なももたろうの話をもとにして
五味さんが生み出した
新しいももたろうは、あったかくて、
型破りでユーモアがいっぱいです。
この絵本を担当された絵本館の
有川さんにお話をうかがいました。
(「ほぼ日」渡辺)

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担当編集者/
絵本館 有川裕俊



絵本作家、五味太郎。
自由な発想、斬新な切り口。
その作風は他に類をみません。
作品数も400点を越え、
世界でも数多くの絵本が出版されています。
圧倒的な存在感です。

その五味さんが
唯一描いていないジャンルの絵本がありました。
むかしばなし絵本です。
創作絵本作家である五味さんにとっては、
考えたことのないジャンルでした。


▲扉絵です。

そもそも「むかしばなし」は、語り継がれてきたものです。
祖父、祖母、親から、孫たち、子たちに
語り伝えられたもの。
語りですから極端な言い方をすれば、絵は無用。
子どもたちは言葉だけで想像してきました。
こわい話では、おとなにしがみつきながら聞き、
主人公が大活躍の話では、
それこそ手をたたきながら喜ぶ。
そんなふうに楽しんできました。


▲ももから生まれたから「ももたろう」という
 名前になったこともこれまた有名です。


「ぼくは生まれてこの方、ずっと
 五味太郎という名前でやってきておりまして
 桃太郎も金太郎も浦島太郎も
 三年寝太郎も、
 なんとなく他人とは思えないところがありましたので、
 敢えてその絵本を描くなんて
 考えたこともありませんでした。
 そのぼくがひょんなことから
 描くことになったわけで‥‥。
 これがなかなかおもしろい!
 めでたいことです」
と相成り、
『だれでも知っているあの有名なももたろう』が
産声をあげたというわけです。
記念すべき五味太郎初の
むかしばなし描き下ろし絵本です。


▲うーん、ちょっとピクニック気分ですね。


▲これがうわさの鬼ヶ島です。

最初に原稿をみたときに、
まさしく五味さんのいうとおり
「これがなかなかおもしろい」。
「だれでも知っているももたろう」と
「だれも知らないももたろう」が、描かれており、
そこには、得意のユーモアはもちろんのこと、
五味さんの精神の拠りどころ、
その一端がはっきりとあらわれています。

それは、オープンマインドです。
異なる世界の者。異なる世界の人間でも鬼でも、
まず先入観や偏見を排してへだてなく受け入れる。
こんな心もちをもつ人に
子どもたちが育ってくれれば、
世界から紛争もなくなり、
平和が約束されることになるでしょうに。


▲「ではサッカーの試合はどう?」と
 ももたろうが言いました。


以前、五味さんが「子どものため」という言葉について
「男とか女とか、外国人とか日本人とか、
 大人とか子どもとか、
 そんなこともともと気にもせず育ってきた。
 だから子どものための絵本といわれても、
 わざとらしくてぴんとこないな」
と話していました。
つまり、日本人でも外国人でも、
大人でも子どもでも
へだてなく人に接する心です。  
なにしろ、
「行ってみなければわかりません。
 会ってみなければわかりません。
 行ってみればわかります。
 会ってみればわかります。」
ということで、
先入観と無縁な心もちと偏見に囚われない
ゆったりとした心。
いい気分になれますよ。


▲行ってみなければわかりません。
 会ってみなければわかりません。
 行ってみればわかります。
 会ってみればわかります。


五味さんの手にかかると、
『ロミオとジュリエット』から
『ウエスト・サイド物語』が生まれたように、
むかしばなし『桃太郎』から
五味太郎版『ももたろう』の誕生です。
その次第を、ご自分で手にとってみてください。
なにより本歌取りは日本の伝統でもあります。

つくづく絵本はすてたものじゃありません。
長年かかわってきた私が
あらためて絵本ファンになってしまうほど
おもしろい絵本です。
こんな包容力あふれた絵本を出版でき、
うれしいかぎりです。

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『だれでも知っている
 あの有名なももたろう』

著者:五味太郎
価格:1,365円(税込)
発行:絵本館
ISBN-13: 978-4871100663
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2007-08-14-TUE

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