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| 担当編集者は知っている。 |
『陰陽師』で大ブームを巻き起こした 岡野玲子さんが描く 『妖魅変成夜話(ようみへんじょうやわ)』は、 仙人あり、魑魅魍魎あり、謎あり、ギャグありの 古代中国を舞台とした伝奇マンガです。 絵はすべて、筆と墨で描かれているそうで、 墨の濃淡やかすれ具合がペンでは描けない 不思議な奥行きや、力強さ、繊細さをかもしだし、 水墨画のような味わいがあります。 この本をご担当されている 平凡社の林さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) *************************************** 担当編集者/ 平凡社 一般書籍編集部 林理映子 ■濃密な岡野玲子の世界へようこそ 『妖魅変成夜話(ようみへんじょうやわ)』は、 『ファンシイ・ダンス』、『陰陽師』などの ヒット作で知られる岡野玲子による 古代中国を舞台とした仙界マンガです。 この春4年ぶりに第4巻がめでたく発売となりました。 主人公・李成潭(り・せいたん)は 生まれたときに神仙の祝福の証である 瑞雲がたなびいたという強運の持ち主。 長じた後、孔子の教えを実現するという 大望を胸に都へ旅立ち、みごと科挙に合格します。 ところが言い渡された仕官先は、極秘部署・双竜部隊。 美形の上司・龍玉(りゅうぎょく)将軍は 女装趣味のサディスト(?)。 そして成潭に与えられた仕事は、 超常現象の顛末を調査し、 皇帝へ提出する「奥秘事録」に記録することでした。 龍玉将軍の部下である、双子の寧々児(にんにんじ)・ 姚々児(やうやうじ)にどつかれながら、 妖物たちと絡み、命懸けで任務をこなす成潭ですが、 なにやらまだまだ一波乱の予感。 龍玉将軍の過去の秘密をめぐって 物語はさらなるステージに突入します。 ![]() 過去と現在、仙界と天界にまたがる物語には いくつもの網がはりめぐらされ、 謎の仙女・翠鳳(すいほう)や 仙人・許鴻(きょこう)の登場で 複雑に絡まっていきます。 難解とも言われる岡野玲子ワールドですが、 実は作者は巧妙に物語を読み解くためのヒントを あちこちに宝石のように散りばめています。 たとえばわたしが、今、気になっているのは 「仙筆」というアイテム。 その名のとおり仙人の筆らしいのですが、 仙界へ通じるアイテムとしての役割を持っているほか 龍玉将軍の過去とも関わりがありそうで、 そしてなにやら別の出来事を 暗示しているようにも見えますが‥‥? 白状するとわたしも担当編集でありながら まだまだ分かっていない部分も多いのです。 でも読み返すたびに、自分なりの新しい発見があり 「あ、もしかしてこれはこういうことだったのかも」 「あのセリフはこういう伏線だったのか!」と、 自分の視界が広がるのを実感できます。 100回読めば100回分の違う楽しみが かならずあると思います。 それらが玉のように繋がって 物語を紡ぎだしていくということに ハマると本当に快感です。 そして、コミカルで通好みのギャグも健在。 実は第3巻ではしりあがり寿さんが 解説を書いてくださったのですが、 その中での 「ぼくも妖魅変成夜話の世界の住民票をください」 との声にこたえて、 4巻では「寿(じゅ)」という 愛らしいキャラクター (しりあがりさんにそっくり!)が登場してます。 今後の活躍に乞うご期待です。 ![]() ■墨の濃淡で描かれる華麗な物語 この「妖魅変成夜話」は、通常の漫画とは違い、 ペンではなく筆で描かれています。 連載当初は「筆で描くのが一番早いし、ラクだから」 ということではじめたそうですが、 連載が進むに連れて、 その筆には神様が宿るようになり、 まさに一筆入魂の力作となりました。 人物はもちろん、緻密に描かれる仙界の様子は、 ひとつひとつに意味があり、 読者を誰も見たことのない世界に誘います。 そして、これを印刷であますところなく 皆様にお伝えするというのが 一筋縄ではいかない作業です。 筆の勢い、墨の陰影、ひとつひとつの線は 原画だと生き生きとしているのですが、 印刷するとどうしても ちょっと「のぺっ」っとしてしまいます。 でも作者の意図を読者に間違いがないように伝えたい、 原画の立体感をそのまま生かしたい、 ということで 単行本の印刷作業は難解を極めました。 例えば4巻でいうと 「西王母(せいおうぼ)」が登場するシーン。 この世のものではないような、はかない美しさと 大地母神としての存在感を両立させるためには 紙の目まで拾うような印刷の限界が要求されます。 薄墨の一番うすいところも印刷に出したい! でもただ単に印刷濃度を上げると 力強さを通り越して 全体的に汚い感じになってしまうのです。 そのために異例のことながら 4巻から薄墨が映えるように本文の紙を変更し、 スキャンもドラムスキャナという 高精度のものに変更しました。 それでも、印刷所の方に 「はかなさと存在感を同時に出したいのです!」 とお願いしても、「は?」といわれるばかり。 (そりゃそうですね) 最終的には印刷所の方にお願いして 2泊3日で泊り込ませていただき、 細かな指示を現場の印刷工の方々に聞いてもらいつつ、 印刷をしました。 「ここの部分はしっかり印刷してください。」 「ここは濃くなりすぎないようにしてください」 「ここはM(マゼンタ=赤)を弱く」などなど しつこいくらい要求し、 納得のいくクオリティまで妥協せず、 印刷台にかぶりつきで 指示を入れさせていただきました。 辛抱強くご協力をいただいた東京印書館の 皆様には本当に感謝しております。 おかげで岡野先生にも満足いただき、 スタッフ一同自信を持って 読者様におすすめできる1冊になったのではないか と思います。 ![]() ■地道に連載しています 『妖魅変成夜話』は「月刊百科」にて コツコツ連載をされています。 「月刊百科」はエッセイから、 自然、社会、歴史、美術、文学などに関するものまで 幅広く扱った平凡社のPR誌です。 大きい書店さんでは見かけることができます(たぶん)。 そして実は年間定期購読が12冊で たったの1050円です!! 岡野玲子のマンガが、ほぼ毎月読めてこのお値段! めちゃめちゃお得だと思います。 そして今回は、「ほぼ日」読者の方に大サービス。 フリーダイヤルにお電話いただければ サンプルを1冊無料でお送りさせていただきます。 特に2007年4月号には岡野玲子インタビューが 掲載されています。 「『月刊百科』2007年4月号をください」 とお申し付けください。 平凡社サービスセンター(月〜金9:30〜17:30) フリーダイヤル 0120-456987 までお電話ください。 ※2007年4月号が品切れの場合は 他の号にてご容赦ください。 ※受付は2007年8月20日までとさせていただきます。 ![]() ※号によっては「妖魅変成夜話」は 休載していることもあるのでご注意ください。 また発送は日本国内のみとさせてください。 ごめんなさい! 『妖魅変成夜話』の「月刊百科」本誌の連載も いよいよ佳境にさしかかりました。 ぜひ、主人公の成長とこれから起こるスペクタクルを リアルタイムでご堪能いただければと思います。 普通のマンガに飽き足らない方にもおすすめします。 ★岡野玲子公式HPもぜひご覧ください。 人気コンテンツ「陰陽師」の「画廊」コーナーは 7月末にリニューアルオープンの予定です。 ***************************************
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2007-07-24-TUE
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