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| 担当編集者は知っている。 |
著者は「ムツゴロウ動物王国」NO.2である 石川利昭さん。 本書は、35年間、 2000匹の犬と生きてきた石川さんが、 既存の飼育マニュアルや 犬のしつけの常識を真っ向からくつがえし、 経験に基づいた犬の飼い方を教えてくれる本です。 この本を担当された青山出版社の 高橋祐子さんにお話をうかがいました。 (「ほぼ日」渡辺) ************************************************ 担当編集者 /青山出版社 高橋祐子 ■石川さん、吠える! 「ムツゴロウ動物王国、行ったことある?」 後に一緒にこの本を作ることになる、 マンガ家のエビ沢キヨミさんと飲んでいた時のことです。 すぐに食いつきましたよ。 私、『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』世代、 ど真ん中ですから。 「犬にごはんをあげる時、 石川さんが演説するんだけどさ‥‥」 「石川さん」といえば、王国初期メンバー、王国の重鎮。 あの「石川さん」の話が聞けると知って、 いてもたってもいられなくなったんです。 初めてお会いした時、石川さんは吠えていました。 「どうか、犬に人間の残飯、 残りものをあげてください!」 「『無視』は犬の心を壊します!」 「人間は犬のボスにはなれません!」 「犬はオオカミのルールなんて守ってないんです!」 驚きました。 すべて、既存の飼育マニュアルに 書かれていることとは、ま逆なんです。 そして、何よりも犬たちへの愛情が伝わってきました。 テレビで見た石川さんより、 何倍も何倍もかっこよかったんです。 ■「オオカミ祖先論」 ![]() ▲「人間を見下ろすと、犬がワガママになる」 だとすると、地面より高いところに床がある マンションで犬は飼えないことに!? 犬への間違った認識は、 「オオカミ祖先論」が発端だと石川さんは言います。 「犬を人間の目線より上にあげてはいけない」 「人間より先にエサを与えてはいけない」 「部屋を出る時はまず人間から」‥‥ これって全部オオカミ祖先論から、始まっているんです。 そもそも犬は人間と共に生きる「家畜」であって、 野生の魂で生きてるオオカミとは違う生き物。 なのに、 「あれしちゃダメ、これしちゃダメ。 小さい頃からのしつけが大事!」 といった飼育マニュアルが、 飼い主さんたちをがんじがらめにしているんですよね。 そして一番困っているのは、他でもない、犬たち。 そこで、立ち上がったのが石川さんです。 犬たちに代わって、 世の飼育マニュアルに真っ向から 吠えることになったのです。 ■豚しゃぶ、コロッケ、ソーセージ♪ ![]() ▲正面右のエサにはおいしそうなトッピング。 左はドライフードだけ‥‥。 「人間の食べ物は味が濃いから犬に与えてはいけません」 これもよくいわれていますよね。 でも、王国の犬たちのごはんにはコロッケ、 ソーセージ、ポテトサラダ、煮干し、 牛乳がトッピングされてるんです。 人間の残り物、残飯です。 それを犬たちが実においしそうに食べるんです。 ごはんの前に、恒例の石川さんの演説がありますから、 犬たちも「待ってました!」 って感じですごくうれしそうなんです。 柴のミゾレなんて、自分はもう食べられないのに、 他の犬から食器を守ってガウガウしてたり。 「何がしたいの!」ってお客さんにつっこまれてます。 石川さんの言葉で 「赤飯年齢」というのがあるんですけど、 これは犬がある年齢になったら、 その後は「余生」と考えて、 犬の好物をあげましょうというもの。 実際、王国の長寿犬たちは、牛乳や豚しゃぶ、 ハムやチーズを好んだということです。 犬がよろこぶエサ、犬がヨダレをたらすエサが、 犬の生きる力になると石川さんは考えます。 サモエドにしろ、柴にしろ、 石川さんの犬はみんなコロコロでプクプク。 毛並みもモフモフしてて、 打ち合わせ中もつい、なでまわしちゃうんです。 ■ありのままの犬たちを見て! ![]() この上の写真は、 ネコのシロップがフレンチ・ブルの赤ちゃんの 保育士役をしているところです。 フレンチ・ブルの赤ちゃんが ネコのシロップにちょっかいを出しまくるんですね。 「ああ、世の中にこんなにかわいいものがあったのか」 と心底思いました。 ![]() また、この写真は、 子柴がラブラドールのセンタロウ兄ちゃんに キャンキャンしてるところです。 もうかわいくて、色校を見ながら腰砕け状態でした。 写真を担当したのは、王国スタッフの野村恭太さん。 犬の写真で、こんなに気の抜けたというか、 心を許した表情ってなかなか撮れないですよね。 スタジオ撮りの写真は美しいけど、 エサとかで目線をコントロールさせることも多いし、 どうしても「作りもの」感が出てしまいがちです。 その点、王国の犬たちは 撮影用のいいかっことかもしてないから、 ほんと、ありのままなんです (特別なシャンプーもしませんでしたし)。 その分、デザイナーさんは泣いておりましたが‥‥。 ■ミゾレこそスター!? ![]() ▲マンガに登場する石川さんとミゾレ。 エビ沢キヨミさんの描く王国マンガ、 これがツボにハマっている人も多いんです。 ナビゲーター役のミゾレ、 実物は「負け犬」だし、太ってるし、愛想は少ないしで、 目立たない存在だったのに、 この本が出てから、人気が急上昇してるとか。 他にもユニークな王国の仲間たちが マンガで登場してます。 ちょっと昭和の匂いがする、 絵のタッチとコマ割に注目してください。 ![]() ▲こちらが本物のミゾレ。 マンガの方が若いかも。 ■すべては人と犬が笑顔になるために。 休日出勤の日曜日。 なにげなく見たネットのニュースに 「ムツゴロウ王国崩壊の危機」の文字が! ビビリましたよ。 原稿の催促どころじゃないですよね、 王国がなくなっちゃうというんですから。 翌日、慌てて王国に向かいました。 王国は報道陣でうまってました。 忙しそうに原稿を打つ記者、カメラを向けるカメラマン。 ところが石川さんは、またしても犬の生態について、 記者に吠えていました。 「こうやって雑多に育てると おおらかな犬になるんです!」 ちょっと拍子抜けしました。 犬たちは気持ちよさそうにグウグウ寝ていますし。 でも、後から知りました。 危機報道の翌早朝、 「何かの足しになるかと思って‥‥」 とやってきてくれた老夫婦の言葉に、 石川さんは号泣したそうです。 王国での仕事、 悩める飼い主さんへの「出前アドバイス」、 閉園後の動物たちの世話、などなどなど、 目が回るような忙しさの中で、 石川さんはこの本を書かれました。 すべての人と犬が笑顔になるために、です。 愛犬家の方はもちろん、 ペットビジネスに携わっている方にも ぜひ、読んでもらいたい1冊です。 ●お知らせ 『飼育マニュアルに吠えろ!』の最新情報は 青山出版社のホームページをご覧ください。 写真も満載。石川さんの最新情報はこちら。 いしかわさんの命がいっぱい ************************************************
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2007-05-01-TUE
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